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2004年6月30日

P2P ソリューション:コミュニケーションツール FLET’S.NET(2)


(前回のコラムの続き)


■P2P 技術とオンラインストレージの組み合わせ



フレッツ・ドットネットが特徴的なのは、 P2P 技術とオンラインストレージを組み合わせている点です。



P2P というとまったくサーバーが中心にない、いわゆるピュア型 P2P をイメージされるかもしれません。



たしかにサーバーにまったく依存しない仕組みは、コストを大幅に低減できるという意味ではメリットがあります。



ただ、一般的な PC の世界では、 PC の電源を落としている時間のほうが長いというのが普通です。そうすると、コミュニケーションを取るためには、相手が必ず起動していなければいけない、というサービスでは使いものになりません。



メッセンジャーでメッセージを相手に送ろうとした時に、相手が起動していなかったので、仕方なくメールソフトを立ち上げてメールを送る、というのでは、最初からメーラーを立ち上げたほうがよかった、ということになってしまうからです。



実際、最近のメッセンジャーソフトでは、相手が不在時にメッセージを送ろうとすると、自動的にメール的な仕組みに回避するようになってきています。



フレッツ・ドットネットにおいては、不在を前提として、不在時のメッセージやファイルは自分のオンラインストレージに保管されるという仕組みを提供しており、利用者からすると、非常にわかりやすい仕組みになっているといえます。



■利用者獲得競争に貢献するのか、独自サービスの落とし穴にはまるのか



フレッツ・ドットネットは、 NTT 地域会社の独自通信網であるフレッツ網の中で実現されるサービスのため、フレッツ利用者しか契約することはできません。フレッツ・ドットネットを使いたければ、フレッツ系の ISP サービスを利用するしかないということです。



熾烈な利用者獲得競争の渦中にある NTT 東日本としては、当然の戦略と言えるでしょう。



ただ、逆に言うとこのサービスを利用するためには、利用するメンバー「全員」がフレッツ系のサービスを契約しないといけない、ということになります。これは非常に高いハードルであるといえるでしょう。



システム担当が回線契約を取り仕切る法人であればまだしも、個人で家族や仲間が同じ ISP サービスを契約している状況というのは、意外に少ないものです。(シェアが仮に5割であったとしても、半分の人は他の ISP であるということです)。



さらに現在のところフレッツ・ドットネットは NTT 東日本エリアだけで提供されており、 NTT 西日本エリアの人と一緒にフレッツ・ドットネットを利用することはできません。



そういう意味では、現時点でフレッツ・ドットネットのメリットを最大限生かせるのは、限られた一部の利用者になってしまいそうです。



もちろん、フレッツ・ドットネットが ISP を変更してでも利用すべき魅力があるサービスと認知されれば、この問題は解消されます。



はたして、フレッツ・ドットネットが利用者獲得競争に影響するサービスとなり得るのか、それともやはり ISP 限定のサービスは上手くいかないという落とし穴にはまってしまうのか、注目していきたいと思います。



現在、フレッツドットネットでは、最大3か月無料の期間限定キャンペーンを実施しているようです。フレッツ系の ISP を利用している方はぜひ試してみてください。



フレッツ・ドットネットのサイト http://www.flets.com/dotnet/

2004年6月23日

ネットアーク、Winnyなど“P2Pファイルネットワーク”のグラフ化に成功


ネットアーク、Winnyなど“P2Pファイルネットワーク”のグラフ化に成功 (INTERNET Watchより)


「ネットアークでは、2003年6月にWinnyやWinMXといったP2Pファイル交換ソフトのP2Pノードを自動的に探索するシステム「P2P FINDER」を稼働開始しており、2003年12月までに約100万ノードを発見しているという。同社ではこの度、このP2Pネットワークの監視データを元に、P2Pファイル交換ネットワークの解析とグラフ化に成功したとしている。」

P2P ソリューション:コミュニケーションツール FLET’S.NET(1)


これまで紹介した Skype や ThreeDegrees は海外の企業が開発したソフトウェアですが、実は日本国内にも P2P 技術を活用したサービスを提供している事業者がいます。


それが、今回紹介する、NTT 東日本の「FLET’S.NET」(フレッツ・ドットネット)です。



フレッツ・ドットネットはすでに有料サービスとして開始されています。 Skype や ThreeDegrees が未だにβ版で開発途中であることを考えると、非常に先進的なサービスだといえるでしょう。



■フレッツ・ドットネットの概要



フレッツ・ドットネットは、 NTT 東日本独自の IPv6 通信網を活用することで実現されているサービスです。



NTT 東日本というとフレッツ ADSL やBフレッツが有名なため、フレッツ・ドットネットも同様の通信サービスだと思われがちですが、フレッツ・ドットネットはそれらの通信サービスのオプションサービスになります。



ADSL や光ファイバを自宅にひいても、結局利用するのはメールとインターネットのブラウジングだけというのが、一般的なインターネットの使い方だと言われています。



そういう意味ではフレッツ・ドットネットは、せっかくブロードバンド時代になったのだからもっとネットワークで面白いことをやってみよう!という新しい取り組みだと捉えていいのではないでしょうか。



実際に、フレッツ・ドットネットでは複数の意欲的な機能への取り組みが見られます。



■フレッツ・ドットネットの特徴



フレッツ・ドットネットが利用者に対して発しているメインメッセージは、下記の3点です。



1.メールでは送れない重たいファイルもスムーズに送れる

サーバーを経由せずに PC 同士が直接接続するため、大容量のファイルも手軽に交換できるというのは、 P2P 技術の最もわかりやすい特徴ですね。 フレッツ・ドットネットでは通信事業者という特徴を生かし、フレッツ網の中だけで P2P 通信を実現します。公衆インターネットを経由しないため、非常に安定した大容量ファイル通信が実現できるというわけです。



2.たくさんのファイルを手軽に共有できる

フレッツ・ドットネットの契約者は、 100MB から 1GB のオンラインストレージを利用することができます。そのため、たくさんのファイルを手軽にメンバーと共有することができます。さらにオフラインの際にもファイルを受け取ることができるなど、 P2P 技術の弱点をオンラインストレージで上手くカバーするサービスになっています。



3.テレビ電話も簡単に楽しめる

テレビ電話機能自体は、いまやいろいろなソフトやサービスに組み込まれていますが、よく問題となるのはインターネットを経由することによる音質や画質の劣化です。



フレッツ・ドットネットでは、フレッツ網という独自網の中で P2P 通信でテレビ電話サービスが実現されるため、安定したサービスを提供できるのです。



フレッツ・ドットネットのサイト http://www.flets.com/dotnet/



(次回のコラムへ続く)

2004年6月16日

P2P ソリューション:インスタントメッセージングソフト「3°」――その2


(前回のコラムの続き)


■音楽ファイルを合法的に共有できる手段



一般的な P2P 型の不正ファイル交換ソフトは、音楽ファイル自体を他人の PC にコピーしているため、著作権保護の考え方に明らかに反しています。



しかし、 ThreeDegrees においては、グループメンバー間で共同鑑賞をする間だけ音楽ファイルを共有するという方法で、著作権問題を回避しています。接続が切断されれば共有していた音楽ファイルが自動的に消えるなど、開発メンバーが著作権問題に苦心した様子が伺えます。



そういう意味で、このサービスが発表された当初は、音楽ファイルを合法的に共有する仕組みとして注目をあびました。



ただ、実際に利用者の立場から考えてみると、たしかに共同鑑賞をしている間はその音楽を聴くことができますが、その音楽を実際に入手することはできませんから、合法的な音楽配信サービスとしては制限が強すぎる感じがします。



聴いている最中は、グループメンバーが仲良くその音楽に聴き入らないといけません。誰かが早送りすると全員の PC でも早送りされるため、グループメンバーにわがままな人がいると大変なようです。



もちろん、気に入っている音楽をメンバーに紹介する手段としては優れています。チャットで会話をしながら「この曲どう思う?」とか手軽に紹介できるうえ、聴いた側のメンバーはその曲をそのまま購入することもできます。そういう意味では、ビジネスモデルとしても音楽業界に優しい作りになっているのが伺えます。



■新たな利用者層を獲得できるのか



現在のところ ThreeDegrees の利用者数はそれほど伸びていないと言われています。この手のメッセンジャーソフトの最大の問題点は、使っているソフトが同じでないとコミュニケーションできないところにあります。



さらに、製品ラインアップの位置付けで、すでに世界でかなりのシェアを占めている MSN メッセンジャーとの違いがよく分からない点を考えれば、現状はある意味当然とも言えるでしょう。



実際、ThreeDegrees は2003年2月にβ版が公開されましたが、 1年以上が経過した現在でも、公開されいているバージョンはまだβ版という扱いです。



利用環境も Service Pack 1 にアップグレード済みの Windows XP で、さらに Windows 版 MSNcMessenger バージョン5.0以上と Advanced Networking Pack for Windows XP(KB817778)が必要条件となっていますから、まだまだ利用者に優しい環境とは言えません。



MSN メッセンジャーにも類似のコンシューマ向け付加機能が次々と増えてきていますから、 ThreeDegrees は、最新サービスの実験場としての位置付けと考えたほうがいいかもしれません。実際、ThreeDegrees は MSN メッセンジャーとの併用を前提として設計されています。



ただ、 ThreeDegrees は Microsoft の PtoP コンポーネントのサンプル的商品となっているため、今後の Microsoft の P2P 技術への取り組みの一端を見るという意味では、試す価値のあるソフトウェアだと言えます。



マイクロソフトの想定どおりの未来がやってくるかどうかは分かりませんが、使ったことがない方は一度試してみてはいかがでしょうか。



●ThreeDegrees のサイト:http://www.threedegrees.com/

2004年6月 9日

P2P ソリューション:インスタントメッセージングソフト「3°」――その1


前回は P2P 型のインターネット電話 Skype をご紹介しましたが、今回は P2P 型インスタントメッセージングソフトの「3°」(ThreeDegrees)を紹介します。


Skype にもインスタントメッセージング(IM)機能がついていましたし、過去に「P2Pで何が変わるのか」というシリーズを掲載した時に具体的なアプリケーションの一つとして IM を紹介しましたので、何でいまさらと思われるかもしれません。



ただ、今回ご紹介する threedegrees には、他の IM に比べて P2P 技術の特徴を生かした新たな機能が加わっています。



■ThreeDegrees の概要



ThreeDegrees は、実は Microsoft の若手技術者チームによって開発されています。 Microsoftには、皆さんもご存知の MSN メッセンジャーや Windows メッセンジャーという製品がすでにありますから、何でさらに別のメッセンジャーもやっているんだ、と思う人も多いかと思います。



なんでもThreeDegrees のターゲットは、真のインターネット世代(年齢的には13~20歳代の若者)だそうです(そういう意味では私もターゲット外なのですが)。本当の意味でインターネットに慣れ親しんだ人たちに向けた、全く新しいツールを模索するという、ある意味、研究開発的な位置付けにあるサービスだと言えるでしょう。



Web サイトから引用すると、「2年前、11人の開発者が threedegrees の制作を開始しました。ほとんどが初めて会ったばかりの大学生でした」というように、開発も若手中心のチームでスタートしたことが分かります。



ThreeDegrees とは、「人は世界中のどんな他人とも実は6人以内の人間関係で結ばれている」という理論「six degrees of separation」から由来しているそうで、どうして「Six」ではなく「Three」 なのかというと、インターネットユーザーは、その理論の6人よりもさらに少ない3人でつながっている、ということを表現しているからだそうです。



そういう意味でも、既存の IM 製品と比べると、 ThreeDegrees では P2P 技術の活用で、いくつか特徴的な新しい機能への取り組みが見られます。



■ThreeDegrees の特徴



現段階で、ThreeDegrees の大きな特徴と呼べるのは下記の3点です。



1. P2P のグループ「3°groups」を形成

実際の利用時にはあまり気にならないと思いますが、 ThreeDegrees においては、 P2P の考え方をベースにグループを形成します。 1グループあたり最大10人までのグループをいくつでも作成することができますが、これは、実際の仲良しグループの部屋を作るような感覚です。



2. グループの中で音楽を共有鑑賞

なんといっても ThreeDegrees の最大の特徴はこの機能でしょう。誰かが MP3、WMA、WAV などの形式の音楽ファイルをプレイリストに加えると、その音楽をグループの全員が同時に聴くことができます。イメージとしては、誰かの部屋で CD プレーヤーの音楽を聴いているような感じです。誰かが曲を変えれば全員の PC で曲が変わり、止めれば止まります。あくまで1台のプレーヤーを共有する感覚であるのがミソで、音楽のファイル自体を交換するわけではありません。



3. ウィンク機能で新たなコミュニケーション

こちらはさらにお遊び的な要素が強い機能です。絵文字のようなアイコンを使う代わりに、相手のデスクトップにアニメーションアイコンを表示させます。この機能は ThreeDegrees 独特のものというより、これから他の IM にも増えるものかもしれませんね。(次回のコラムに続く)

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