課題解決

ビッグデータ時代の文書管理

テラバイト級のデータが日常的に扱われるようになり、「ビッグ・データ時代」の到来が叫ばれています。大手外資系リサーチ会社のレポートによると、全世界の情報量は、年間で最低でも59%という高率で増加しているといいます。
ストレージの大容量化と低価格化が進み、企業は、ほぼ無尽蔵にデータを蓄積することが可能になりました。多くの企業が、高度な検索機能の整備など、保管したデータをいかに活用していくか、その対策に注力しています。その反面、データ増大のリスク対策がおざなりになっているケースが多くみられます。ここでは特に、2005年のe-文書法の施行や、2007年の日本版SOX法の施行などにより、年々重要性が高まっている電子文書の管理にスポットを当てます。

ビッグデータ時代の文書管理

大量の情報を「収集」・「蓄積」・「検索」できれば良い時代は終わった

「文書管理」というと、必要な文書を必要なタイミングで見つけ出すためのものという認識を持たれることが多いです。しかし、保管場所があるからといって、データを貯め続けることはあまり得策ではないのです。たとえば米国では、電子データに関する規定『e-ディスカバリー法』により、企業が何らかの訴訟に巻き込まれた場合、保有している関連電子データを提出することを義務づけています。万が一、関連データを保有していたことに気付かず提出しなかった場合、情報の隠ぺいと見なされ、制裁の対象となる可能性があります。このように、企業防衛の観点から考えた場合、不要なデータを保有することは、情報漏えいリスクを抱え続けることであり、大きな損失につながりかねないのです。

これからの文書管理に必要なのは、「廃棄」の徹底

文書管理の目的を「必要な文書を必要なタイミングで見つけ出せること」に限定せず、「計画的に保管・廃棄すること」を視野に入れることが重要です。そのため文書管理システムについても、高度な検索、データ共有の容易性といった点だけでなく、「情報ライフサイクル管理(ILM:Information Lifecycle Management)※」を実現可能であるかどうかに着目する必要があります。たとえば、版管理、有効期限管理など、文書の作成から公開、改版などの一連の処理を制御する機能や、大規模組織の場合は、複雑な組織構造に対応したアクセス権限設定機能、セキュリティ設定なども重視すべきです。
情報漏えいは、企業の信頼を根底から覆しかねない重大なリスクです。文書管理体制を再考し、効率的かつ正確な文書管理を実現することは、企業の信頼性向上に大きく寄与すると言えます。

大量のデータは適切に管理しないとリスクにつながる


※情報ライフサイクル管理(ILM:Information Lifecycle Management):
組織が扱う情報の、生成、活用・保存、破棄のライフサイクルにおいて、情報資産と運用の低コスト化を追求する考え方。