2006年3月アーカイブ


P2Pファイル交換ソフト「Morpheus」の開発元が、Skypeを相手に訴訟をおこしたようです。
内容については良く分かりませんが、訴訟相手はSkypeだけでなくSkype創業者が開発したファイル交換ソフトKaZaaやその裏側をささえるJoltidなどが含まれていますから、いわゆるVoIP系の技術ではなくP2Pインフラ自体の技術に関わることなのでしょう。

P2P技術自体は、ある程度特許的に考えると似てきてしまうものなので、こういった訴訟がどれだけ意味があるのかは良く分かりませんが、Skypeば買収によって資金を得たことで訴訟相手として魅力的になってしまっているのは間違いないですね。


ファイル交換ソフトウェア企業StreamCast、スカイプやKazaaらを提訴 (CNET)

「ファイル交換ソフトウェア「Morpheus」を開発したSteamCast NetworksがKazaa、そして、Skype
Technologiesおよびその創業者であるNiklas Zennstrom氏とJanus Friis氏などを相手取り訴訟を起こした。」


先日も紹介したウィンドウズ開発統括部のブログで、Teredoによってピアツーピア通信を実現する仕組みについての解説記事が掲載されています。

Teredo (ウィンドウズ開発統括部)
Teredo 対応のアプリケーション開発 (ウィンドウズ開発統括部)


「Windows Peer-to-Peer や MAX の解説でも出てきたように、マイクロソフトではピアツーピア通信を実現するために IPv6 の利用を推進しています。ご存知のように、現在の IPv4 での通信ではすべてのホスト(ノードと言ったほうがピアツーピアの説明では良いかもしれません)にグローバルアドレスを割り当てることは現実的ではありません。」


フランスで、P2Pファイル共有ソフトの開発、配布、宣伝することを違法とする条項が盛り込まれた法案が可決したようです。
共同作業用、研究用、非売作品の交換用を除くと書かれているので、あくまで違法なファイル交換目的のものをターゲットとしているんだとは思いますが、ソフトウェア自体の開発を違法とするというのは興味深い事例です。

ちなみに、フランスでは違法コピーはダウンロードもアップロードも罰金が課せられることが明確になっているようですから、制度も国の姿勢も非常に明確になっているわけで、すべての対応が遅れている日本が今すぐフランスのようになるとは思いませんが。
日本でも、最近Winnyのウィルス問題が再度深刻な問題として取り上げられていますから、こういった規制の方向に行く可能性も否定できないと思います。

フランス下院がデジタル著作権法案を可決──P2Pソフト規制、DRM情報公開を制度化 (Computer World)

「フランス議会下院は3月21日、DRM(デジタル著作権管理)システムの開発者に詳細情報の公開を強制し、ピア・ツー・ピア(P2P)ソフトウェアを制限する「情報化社会における著作権および著作隣接権(DADVSI)」法案を賛成286票、反対193票で可決した。」


日本のウィンドウズ開発統括部のブログで、WindowsのP2P機能に関する概要の連載が始まっています。
分かりやすい解説ですので、おすすめです。

Windows Peer-to-Peer 概要 (ウィンドウズ開発統括部)


「Winny ウィルスが猛威を振るっているときになんともタイミングが悪いという噂もありますが、あまり気にせずに Windows Peer-to-Peer の(不定期)連載を開始します。
 さて、Windows XP SP2 を使われている方が多いと思いますが、皆さんのその Windows の中に Windows Peer-to-Peer という機能が含まれていることにどれくらいの方が気づかれているでしょうか。」


PGPの生みの親であるPhil Zimmermann博士がVoIP向けのP2P方式暗号化プログラムを開発したそうです。
Skypeなどは、独自の技術を使っているようですが、Phil Zimmermann博士がどこへの売込みを前提に開発しているのか興味深いところです。

PGP生みの親、VoIP向けのP2P方式暗号化プログラム"Zfone"開発、β公開 (MYCOM PC WEB)

「Phil Zimmermann & Associates
LLCは14日(米国時間)、VoIP向けの暗号化プログラム「Zfone」のパブリックベータを公開した。対象プラットフォームはMac OS X
10.4(Tiger)とLinuxの2種、Mac OS
X版はコンパイル済のバイナリパッケージとして、Linux版はソースコードとして配布される。」


SOBAプロジェクトから、P2Pビデオチャットアプリケーションが公開されたようです。SOBAプロジェクトは産学協同プロジェクトとして始まりましたが、今は株式会社化されているんですね。

ビデオチャットの分野は、Skypeをはじめ、Google TalkもP2Pを使っていますし、Windows Live Messengerにもフォルダ共有だとかP2Pの要素がふんだんに盛り込まれてくるようですから、技術的な面だけでは差別化が難しいかもしれませんが、日本ならではのビデオチャットソフトになってほしいですね。
楽しみです。


「SOBAプロジェクトは、無料で利用できるP2P型のビデオチャットアプリケーション「SOBA
CITY(ソーバシティ)」を3月15日に公開した。SOBAプロジェクトのWebサイトからユーザー登録のみで無料で利用できる。対応OSは
Windows XP/2000。」


P2P配信ネットワークのKontikiがVerisignに買収されたようです。
この分野は、資金力の戦いになってきている感もあるのでどこかに買収される可能性はあるとは思っていましたが、Verisignというのは驚きですね。
今後、Kontikiのシステムは「ブロードバンドネットワーク上でリッチメディアをPCやテレビ、携帯デバイス上に配信する」ことに活用されるようです。

米VeriSignがコンテンツ配信事業に参入、P2Pインフラの米Kontikiを買収 (Impress Watch)

「米VeriSignは13日、ブロードバンドコンテンツをIPネットワーク上に配信するためのインフラ事業に参入すると発表した。その一環として、P2P技術を用いたコンテンツ配信ネットワークの米Kontikiを約6,200万ドルで買収することで最終的に合意した。」


日本のP2Pファイル交換ソフトの代表となっているWinnyですが、開発者の金子さんがウィルスによる情報漏洩についてセミナーでコメントをされたようです。
Winny自体には人によって様々な意見があると思いますが、個人的に非常に気になっているのは下記の部分。

引用:「金子氏は、Winnyを改良し、情報漏えいを防ぐことも技術的には可能と主張する。しかしながら同氏は、Winnyを200回以上バージョンアップしたこ
とが問題視され、著作権法違反ほう助で起訴された原因のひとつになったとして、今後Winnyの改良を行わないことを警察側に誓約したという。そのため、
「対策すると、バージョンアップになってしまう。Winnyをより良くするアイデアはあるが、今は身動きが取れない」と語った。」


Winnyに限らず、MicrosoftやGoogleにも見られるように、初期の開発の過程でなにかしらのセキュリティホールが出来てしまうのは、ソフトウェアの性というものですが、本来はそれが見つかれば修正するという信頼の上にソフトウェアの利用は成り立ちます。
それが訴訟の関係でWinnyの開発が停止したことにより、セキュリティ的に不完全なソフトウェアだけがそのまま流通して、Winnyによる問題を更に複雑にしてしまっているというのは実に残念なことです。 

結局、ソフトウェアの修正が改善か改悪か見分けがつかないので、とりあえず開発者には何もさせないという手段しかないということでしょうか。これがハードウェアだったらどうなのだろうと思うと、ちょっと複雑な思いがします。

「Winnyは悪くない、悪いのはウイルスであり、感染する人だ」--開発者の金子氏 (CNET)

「著作権法違反ほう助の罪で公判中のWinny(ウィニー)開発者、金子勇氏は3月11日、NPO法人ソフトウェア技術者連盟(LSE)大阪セミナーの席で会見を行い、「Winnyは技術検証のために開発したもので、ウイルスによる情報漏えいは予想外の事件」と語った。」


 ITmediaの+D Blogの小川さんのブログで、WinnyやP2Pファイル交換ソフトに関連する考察が掲載され、コメントやトラックバックなどちょっとした議論になっているようです。
 個人的には、小川さんの意見に賛同するところが多々ありますが、この辺りの議論は、人によって見る軸が違いますから難しいところですね。

P2Pソフトは悪者なのか (ITmedia +D Blog)

「さて前々回のエントリーで「P2P=悪の根源」って決め付けるのはひどくねー?って書いたことに対し、「ほぼ間違いなく違法利用なんだからP2Pなんて悪
じゃん」というコメントがありました。ここで注意しないといけないのはWinnyはP2Pの一種に過ぎないこと。ITmedia読者にとっては当然の知識
ですが、Winnyを利用したことのない人にとっては「P2P=Winny」と認識されているようです。」


 3月1日付けの日経新聞夕刊に、弊社の徳力のソフトフォン、Skype関連のインタビュー記事が掲載されました。
 半ページにわたる記事になりますので、是非ご覧下さい。

 日経新聞 3月1日 夕刊
 インターネット情報スクエア vol76
 「インターネットで電話が進化する」 
 アリエル・ネットワーク プロダクトマネジメント室 マネージャ 徳力基彦

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