※この記事は、TechCrunch Japanに投稿しています。
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昨日、NTT東日本の「待受情報配信サービス」と「光iフレーム(仮称)」という名称の、ネット対応デジタルフォトフレーム発表会にお邪魔してきました。
ネット対応のデジタルフォトフレームというと、ソニーが2008年5月に発表したVGF-CP1や、類似のカテゴリーとして米国のChumbyが有名で、NTTグループ自身も既に光フォトフレームなる商品を発売しています。
ただ、今回の光iフレームの注目は、NTT東日本が提供する「待受情報配信サービス」と呼ばれているネットワークサービスの一つの窓として提供されている点でしょう。
誤解を避けずにまとめるなら、デジタルフォトフレーム版i-modeとでも呼ぶべき構想です。
当面は、読売新聞やウェザーニューズ、ジョルダンなど、複数のコンテンツ事業者からニュースや転記、レシピなどの配信を行うようですが、有料コンテンツの情報料回収代行も想定しており、明らかにコンテンツの配信プラットフォームを目指していることが分ります。
NTT東日本は、過去に高機能電話機をネット端末に進化させようと Lモードという構想を打ち出したことがありますが、Lモード自体は平成22年3月末でサービス終了と失敗に終わったという歴史があります。
今回の光iフレームについては、利用者のネット利用の導線上にない固定電話機をネット端末にしようとしてしまったというLモードの失敗を踏まえ、より利用者がネット環境を必要としている場所にデジタルフォトフレームで出ていこうという姿勢が明確になっているように感じます。
日本はケータイでのネット利用が普及するのが早かったため、米国に比べるとPC普及率のわりに、家庭での固定インターネット利用時間は意外に低いのではないかという印象もあります。そう言う意味では、デジタルフォトフレームのようなシンプルな端末で主婦や高齢者など在宅時間が長い層のネット利用の啓蒙というのは意外に大きな市場の可能性もあります。
また、特に注目されるのは、Androidプラットフォームを採用している点。
日本においては、まだAndroid携帯はNTTドコモのHT-03Aしか発売されていないため、それほど大きく盛り上がってはいませんが、グローバルで見ると着実に伸びが見られているため、Android向けのアプリを開発する企業や開発者が増えることが当然想定されます。
当面は、ウィジェットと呼ぶコンテンツ配信が中心にはなるようですが、今後仕様が広く公開されるようであれば、携帯向けのアプリをこの光iフレーム向けに変更することで多様なアプリケーションを利用できる可能性がありえます。
記者発表会場でも、読売新聞の発言小町対応ウィジェットなどのデモが実施されていましたが、Twitterウィジェットや、mixiウィジェット、YouTubeウィジェットなどがあれば、かなり魅力的なのではないかという議論がなされていました。
個人的には女性がメインターゲットとのことなので、美人時計やAmebaピグとの連携も面白そうな気がします。また、将来的には、普段は机の上に置いてあるんだけど、外出時には電子ブックリーダーとしてKindleのように利用できる端末が出てくる可能性もあるかもしれません。
PCと携帯電話に続く家庭における第三のネット端末としては、これまでネット対応テレビからネット対応冷蔵庫まで、様々な可能性が議論されてきましたが、やはりテレビや冷蔵庫のような大型家電は頻繁に買い換える端末ではないことを考えると、普及速度に限度があります。
そう言う意味では、単価が2~3万円程度で購入できるデジタルフォトフレームサイズの端末というのは、実は第三のネット端末のダークホースになってくるかもしれません。
端末の仕様等についてはネタフルにまとまっていますので、こちらもどうぞ。
・[N] 「光iフレーム(仮称)」Android搭載ウィジェット対応デジタルフォトフレーム