ソーシャルテキストが考えるエンタープライズ2.0市場の今後

socialtextlogo.gif Read/Write Webに、「SocialText Aims To Be Best Of Breed Office Software」という、企業向けWikiを提供するSocialtextに関する記事が掲載されていました。

 以前、CNETにも「エンタープライズ2.0企業のソーシャルテキスト、MSの市場参入にもオープンソースで対抗」というCEOのRoss Mayfieldのインタビュー記事が掲載されていましたが、Socialtextは自分達のことをエンタープライズ2.0企業と定義しているそうで、下記のような発言をしていました。

 「Web 2.0は、基本的にコンシューマーユーザーに向けたサービスをウェブで提供することを指します。一方Enterprise 2.0は、Web 2.0のようにユーザー参加型で何かを作り上げるという点は同じですが、ビジネス用途に使われるものを作っていくのです。」

 今回のRead/Write Webの記事では、"free form social software adapted for enterprises"というもう
少し細かいSocialtextのエンタープライズ2.0の定義が紹介されています。


 個人的に興味深かったのは、今後そのエンタープライズ2.0市場に参入してくると言われているマイクロソフト(Sharepointにブログをバンドル)やIBM(WebsphereにWikiのモジュールが追加)等のいわゆる大ソフト企業との比較についての発言。
 Rossは、Sharepointのような大企業の製品は"trying to be everything to everybody"、要はどんな顧客のどんな要望にも応えようとするので、WikiにおけるSocialTextJotspot、ブログにおけるSixapart、企業向けRSS事業のNewsgatorやAttensaのようなベスト・オブ・ブリードなアプリケーションは十分対抗しうると考えているようです。

 まぁ、大企業に対するベンチャーのアプローチという意味では、ある意味当たり前の話ではあるのですが、確かにこれまでの企業向けシステムというのは、比較的多くの機能を一つのシステムに詰め込む傾向が強かったように思います。
 そういう意味では、ウェブサービスが急速に進化している中、これまでの企業向けのシステムがそれに追いつくのに時間がかかっているのは事実で、各分野に特化した企業の方が全体を追いつこうとするよりも、それぞれのサービスの質を向上できるというのは感覚的にも良く分かります。

 ただ、そうは言っても、本当のエンタープライズ企業になると、コンシューマー向けのウェブサービスとはまた違った視点での機能や品質をシステム担当者が求めてきますから、そのあたりをどう埋めていくのかというのが課題になるような気もします。

 最近のWeb2.0的な技術の進化とか環境の変化みたいなものが、エンタープライズ市場にもそのうち大きな影響をあたえることになるのは間違いないとは思うのですが、はたしてエンタープライズ2.0という流れのリードを取るのがSocialtextのような新興企業になるのか、やっぱりIBMやMicrosoftのような大企業になるのかというのは気になるところです。




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