mixi利用規約問題で、mixiの人たちが忘れちゃいけないこと。
個人的には、mixiで日記も書いてないし、内容的にもどうでも良い問題だと思っていたので流すつもりだったのですが。
CNETのオンラインパネルディスカッションの回答なんかを見ていると、なんだか話が違う感じで広がってしまっている気がするので、個人的な意見をメモしておこうと思います。
(またしても、書いていたら異様に長くなってしまったので、オンラインパネルディスカッションには前半だけポストします。)
■お題はコチラ
mixi日記は誰のもの? 改めて考える利用規約:CNET オンラインパネルディスカッション
今回の問題の背景を個人的に推測すると、今後のmixiの展開なり何なりを踏まえて、利用規約を弁護士にでもチェックしてもらったところ、担当の弁護士さんがリスクを全てあげつらってきたので、それを元に一般的なテンプレートを元にmixiのリスクを全てつぶそうと規約を変えたらこうなった。ということじゃないかと想像してます。
弁護士さんっていうのは会社側のリスクを全てピックアップするのが仕事なので、当然全ての項目を「リスクがありますよ」って指摘するはずで。
mixiの担当者としては、リスクがあると言われると怖いので、言われるままに全部反映してしまったとか、そういうことじゃないかなーと。
一般的には、利用規約なんて、ほとんどの人はまじめに読まないし、まじめに読むような人は登録時に気に入らなければ文句も言わずに登録しないだけ。
だから、たいていの会社は自分の会社にとってもっともリスクの低い、利用規約にしようとするのが当たり前。
mixiの弁護士の人も、そのようにアドバイスしたのではないかと想像してます。
そういう意味では、mixiや弁護士さんにしても、当たり前の内容に変更したつもりでいたはずで、本来はちゃんと説明すれば一般的な話の気がするので、多くの人が指摘しているように、説明不足というのが根本的な問題だったのではないかなーと思います。
利用規約なんて、利用者と会社の間の約束事な訳ですから、利用者が納得すれば、どのように変更しようが会社と利用者の自由なわけで。
今回は、利用者の存在を忘れて会社側のサイクルで動いてしまったのが問題だという話だと思います。
ただ、個人的に今回の問題で忘れちゃいけないと思うのが、mixiというサービスがこれだけ利用規約変更で議論を呼ぶサービスだという事実。
正直、自分に関係ないサービスとか、注目されてないサービスなら、利用規約なんていくら変えても誰も気にしないはずで。
mixiユーザーがこれだけ騒いだのは、それだけmixiがその人たちにとって重要なサービスと捉えられていたからだと思います。
もちろん、ここぞとばかりに利用者以外のmixiバッシングが吹き出した感もありますが、その一方でうちの嫁さんみたいに、利用規約問題など全く知らずに淡々とmixiを使い続けている人たちもたくさんいるわけで。
そういうみんなに愛されているサービスだからこその、今回のトラブルだと感じています。
ただ、mixi利用規約問題が表面化してからの、mixi側の対応を見ていると、どうも文句を言っているクレーマーvs mixi的に対立構造で受け止めているのではないかというのがちょっと心配です。
mixiというサービスはその成り立ちからして、mixi版無敵会議で利用者と一緒にビジネスモデルを考えたりと、利用者との対話をエネルギーにここまで成長した会社のはずで。
そんな話の分かる会社だと期待している相手が、上場してからというものなんだか利用者の声に耳を傾けなくなった印象が強くなり、ユーザーインターフェース変更とかなんだかんだで、今回の利用規約問題になってしまい、ますますmixiの人たちが内向きに閉じてしまっているように見えるのが個人的には非常に残念です。
今回の利用規約問題を巡る議論なんて、見方を変えればいろんな分野の専門家の人たちがmixiの利用規約についてあーでもないこーでもないと無料で議論してくれているわけで、「炎上」ととらえずに「無料の集団コンサル」と捉えてしまっても良いぐらいではないかと思います。
昔、個人ブログで、「ソニーのブログは炎上するだけまだマシかも?」なんて記事を書いたことがありますが、mixiの場合も利用規約が問題になるのは注目されているからこそ、期待されているからこその出来事であって、もしこれが問題にならなかったとしたらその方が会社にとっては深刻なはず。
当然、コンサルト呼ぶには厳しすぎる意見も多いとは思いますが、是非ここで耳をふさがずに耳を傾けてほしいと思います。
期待があるからこその批判だというのは、是非忘れないでほしいです。
愛の反対は憎しみではなく無関心なのです。
たったの4年足らずで1300万人もの利用者を集めて急成長してしまった会社ですから、社内的な組織とか体制とか、こういうトラブル対応のノウハウが不足していて、大変だというのは想像に難くありませんし、上場企業ですから昔のように気軽にやっていられないというのは仕方がないことだとは思いますが。
それでも、インターネットを通じていろんな人とつながったり、いろんなことが始まったりというSNSの可能性を体験して、一緒に成長してきた人たちが、mixiの中にはたくさんいるはずですから、今回の出来事をきっかけに、もっと利用者のエネルギーをポジティブな方向でサービスに活かしていける会社として、ネット業界をリードしてくれるのを期待しております。
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