「グーグルの女王」マリッサ・メイヤー氏が語るグーグル検索の進化の方向性

 昨日、光栄なことにグーグルさんの定例説明会に呼んで頂きました。

 通常は、記者の方だけを招待して開催しているものだと思うのですが、今回は本社から検索担当副社長マリッサ・メイヤーさんが来るということで、特別に何名かブロガーも招待して頂いた模様。

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 個人的にも、以前ロバート・スコーブルか誰かのビデオポッドキャスティングで、マリッサ・メイヤーさんの対談を聞いて、すっかりファンになってしまった人間なので、非常に貴重な機会でした。


 なにしろ、マリッサ・メイヤーといえば、グーグルに入社した最初の女性エンジニアであり、現在は検索製品とユーザーエクスペリエンス担当の副社長。
 「グーグルの女王」とか、「製品帝王」とか、といったニックネームで呼ばれることも多いほどで、勝手にグーグルでも5本の指に入る有名人ではないかと想像しています。
(詳細についてはこちらの記事に詳しいです。)

 しかも、これだけの肩書きを並べると、さぞかし皆さんはカーリー・フィオリナ的な男性社会で百戦錬磨の女性を思いうかべてしまうと思いますが、実はマリッサ・メイヤーさんの生まれ年は1975年。
 グーグルイメージサーチの結果を見て頂ければ分かるように、実にチャーミングな女性だったりします。

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 「天は二物を与えず」というのはウソっぱちだなと思ってしまう瞬間です。


 とまぁ、そんな話はおいといて。
 今回は、そのマリッサ・メイヤーさんがグーグルの検索の方向性を語ってくれたわけです。

 全体の流れについては既に、各所で記事になっていますのでそちらを見て頂ければと思いますが。

「つぶやき検索もユニバーサル検索の中に」グーグル本社VP マリッサ・メイヤー氏:ニュース - CNET Japan
グーグルが目指す検索の進化は「簡単な入力」と「パーソナライズ」、Twitter検索も対応へ:日経ビジネスオンライン
[N] Google検索担当副社長マリッサ・メイヤー定例説明会【リアルタイム更新】
[N] Google検索担当副社長マリッサ・メイヤー定例説明会【まとめ】

 率直な印象としては、それほど派手さのあるアピールはなく、1つ1つは比較的小粒なサービスを着々と機能強化している印象が強くあります。

 ただ、個人的に感じたのは、それこそ現在のグーグルだからこそ取れる戦略なんだろうな、ということ。

 特にプレゼンのなかでもユニバーサル検索が強調されている印象がありましたが、グーグルとしてはとにかくこれまで通りシンプルな検索ボックスから検索を始めてもらうことこそが重要で、そこから全てのコンテンツに到着してもらう、ということがシンプルに戦略として共有されている印象があります。
 
 例えば、個人的に感心したのがGoogle Suggest2.0。

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 要は候補リストのなかに、候補サイトのURLを表示してそのまま直接そのサイトに飛ばしてしまうと言うシンプルなモノですが、検索クエリーの多くがいわゆるデスティネーションクエリーというウェブサイト自体を探しているものであることを考えると、これは案外便利な気がします。

 他にも音声検索だったり、関連画像検索だったりと、単体で見ると地味なようですが、真面目に利用シーンを考えると結構便利そうな機能が多いのが、個人的には特に印象的でした。


 確かに最近はMicrosoftのBingのリリースとか、Twitterのリアルタイム検索の話題もあり、検索シェア争いにちょっとした刺激が投下されている感じはありますが、利用者からすると検索エンジンを乗り換える行為というのは意外に敷居が高い行為なので、Googleが着実に検索結果を改良してくれていっているという安心感があれば、ほとんどの人はなかなかBingのような新興の検索エンジンには乗り換えないでしょう。

 もちろん、だからといって、そこにあぐらをかいていたら、いつの間にか他社に抜かれているという可能性はあるわけですが、今回見せて頂いたプレゼンを見る限り、検索の機能のさまざまな方向性に対し、着実に手を打っているグーグルの姿が見て取れる気がします。

 ということで、当日のプレゼンの様子を動画に撮ってみましたので、興味のある方は是非ご覧下さい。

■Part1

■Part2

 グーグルジャパンの製品開発本部長である徳生さんによる逐次通訳になっているので、英語の苦手な方も大丈夫です。


 ちなみに、個人的に気になるのはやはりグーグルの日本における今後の展開の方向性。
 米国における検索のシェアで見ると、グーグルはダントツのトップですから、上記の通りの着実なサービス展開で良いわけですが。
 日本においては、グーグルがヤフーとの対決に苦戦しているのもこれまた事実。
 
 現在のシェアの膠着状態を見ている限り、単純な機能強化ではこの差を縮めるのはなかなか難しい印象もありますので、日本では何かしらグーグルの検索ボックスを普段使っていない人に使ってもらうための手が必要な気がします。
 最近は、特に学生層においてはグーグルが猛追しているという噂もあるので、そのあたりも含めて、グーグルが今後どのような手を打ってくるのかというのは是非注目したいところです。

※ちょうどGoogle Japan Blogで、フィードバックの機能をアピールするエントリーもアップされていましたので、グーグルの日本展開にアドバイスしたいという人はこちらから投稿してみるのもありかも?




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