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2005年12月28日

CalendarHub (オンラインカレンダー)

calendarhub.gif CalendarHubは先日の「The Best Web 2.0 Software of 2005」のオンラインカレンダー部門で1位になっていたサービスです。

 Ajaxを駆使することでオンラインカレンダーの使い勝手向上が複数工夫されています。
 オンライン経由ということもあり、かなり操作が重いのが難点ですが、機能的には参考になるところが多々あります。

 特に参考にしたいのは、予定をドラッグして移動できる点。
 Ajaxを利用しているようですが、日程変更が実に手軽にできて良いです。

 また、サービスを使っていない相手に対してもメールを送付して出欠の返事が取れる点も便利。
 マルチスケジューラでも、メールで予定を通知する機能は実装していますが、今は出欠の返事をすることができないので、これは真似をしたいところです。


 更に、郵便番号を入力しておけば、Upcoming等のソーシャルカレンダーサービスから自動的にデータを取得して地域のイベント情報カレンダーを表示できるというのがWeb2.0ならではのカレンダーサービスというところでしょうか。
 こういったイベント情報取得機能が増えてくると、ソーシャルカレンダーサイトとカレンダーソフトの連携にまた一つ面白みが加わりそうです。

 日本でも、この手のイベント情報配信ってどこかやってるんでしょうか?
 マルチスケジューラにも、イベント情報を表示できると面白そうな気もしますが・・・


calendarhub2.gif【CalendarHubの機能】

・スケジュール管理機能
 タイトル・時間・詳細・タグ・URL・場所などの情報を登録することができる。
 予定の公開設定をPirvate、Group、Publicの三段階に設定できる

・カレンダー機能
 日、週、月、年、リスト単位で予定を表示することができる。
 予定をドラッグして移動することができる。
 表示時間帯や週の開始曜日を変更することができる
 複数の予定表を作成することができる(メインの予定表に予定が反映できる)
 タグを基に予定を表示できる

・共有機能
 他のメンバーが作成したカレンダーを色分けした形で登録できる。
 予定をメールで該当のメンバーに送って出欠確認をすることができる
 自分のカレンダーをネット上で公開したりすることができる。

・リマインド機能
 予定ごとに時間を指定してメールでリマインドができる。

・ローカルイベント連携機能
 該当地域のイベント情報をUpcoming等から取得して表示することができ、ワンクリックで取り込むことができる。

・その他
 OutllokやiCalでデータをインポート・エクスポートできる
 クライアントソフトを使えば予定の閲覧や作成をソフト上でできる
 バッジ形式で、public扱いのイベントをサイトやブログに公開できる
 ブックマークレットでブラウザから予定を作成できる


【CalendarHubの概要】
運営:CalendarHub, Inc (開発はWiredBlue)
開始:2005?
開発環境:Ruby on Rails
収益源:特に無し?

新しくPCを買った時に必ず入れる10のソフト

 はてなで、こんな質問が投稿されて話題になっていました。

 新しくPCを買った時に「何はなくともこれだけは入れる」ソフトを10個上げて下さい。

 あらためて回答者の皆さんのリストを眺めてみると、PIMだとかタスク管理、スケジュール管理ソフト的なものってこういうところには、ほとんど出てこないというのを感じます。
(もちろん回答者が開発系の人が多かったり、その手のシステムはウェブサービスや会社のグループウェアで済んでいるということもあるんでしょうけど)

 来年は、こういうところにもマルスケとかの名前が上がるようがんばっていきたいです。
 という年末の振り返りでした。

2005年12月27日

Eventful (ソーシャルカレンダーサイト)

eventful.gif EventfulUpcoming.orgZventsと同様のソーシャルカレンダーサイトです。
オライリーのWeb2.0の事例に旧サービス名のEVDBとして、Upcomingと並んで書いてあったこともあり、ついでに試してみました。

 トップページにイベントの写真が並んでいて華やかだったり、地図の連携がGoogle、Yahoo、Mapquestと3つ選べたり、他のメンバーが作成したカレンダーを比較的簡単に検索できたりというのはありますが、正直、使ってみてほとんど他のサービスとの違いは無いような気がしてます。

 そのせいか、エリア特化しているZventsやYahooに買収されたUpcomingに比べると、どうしても地味な印象がしてしまいました。
 最終的にはこの手のサービスも数社に淘汰されていきそうな印象です。


eventful2.gif 【Eventfulの主な機能】

・イベント登録
 ユーザー登録をすれば誰でもイベントを登録できる
 
・イベント検索
 キーワード検索以外に、施設毎での検索や、Tagを使った検索ができる
 また、興味のあるタグを組み合わせたグループを設定することもできる。

・イベント通知
 居住地などを軸に、RSSで最新イベント情報を入手することができる

・共有機能
 友人を登録して、お互いのイベント参加状況を共有することができる

・その他
 各イベント情報にはブログからトラックバックを打つことも出来る。


【Zventsの概要】
運営:EVDB, Inc (San Diego, California)
設立:2005.03?
出資:Draper Fisher Jurvetson, Omidyar Network, Esther Dyson, Evan 他
収益源:現在は出資金とGoogle Adsense等の広告中心?

セールスフォース、サービスがほぼ終日停止--Webサービスの弱点露呈

 ちょっと前になりますが、CNETにこんな記事がありました。

 セールスフォース、サービスがほぼ終日停止--Webサービスの弱点露呈 (CNET)

Salesforce.comのサービスが米国時間20日、ほぼ終日にわたり停止し、顧客企業の多くが重要な業務データにアクセスできないという事態に見舞われた。同社としては、おそらく過去最悪のサービス障害となった。

 業務サービスを提供する事業者としては、他人事ではない問題です。

 これ以外にも最近はGmailが止まっていたり、del.icio.usが止まっていたりと、情報管理ツールが使えないときの苦労というのが身につまされる出来事が連続しておこりましたが、特にセールスフォースのようなASP型のサービスでは、サービスが止まると利用者は何もできなくなってしまうというのが悩ましいところかもしれません。
(もちろん、その分、当然インストールの手間なんかが省けますから、バランスは大事なところだと思いますが。)

 うちの会社はクライアントソフトも併用できるのがメリットですから、こういうサービス障害で利用者にできるだけ迷惑がかからない仕組みにするというのも、一つ差別化のポイントとして頑張りたいところです。

2005年12月26日

Zvents (ソーシャルカレンダーサイト)

zvents.gif ZventsUpcoming.orgと同様のソーシャルカレンダーサイトです。

 秋元さんのブログで紹介されていて気になっていたので、Upcoming.orgのついでに試してみました。

 Upcoming.orgとの最大の違いは、Upcoming.orgが一応全世界対応になっているのに対し、Zventsは現在のところサンフランシスコベイエリアに今のところ特化しているというところでしょうか。
 そのせいか、エリアが多すぎて閑散とした印象を受ける場所も多いUpcomingに比べ、逆にZventsの方がにぎわっているようにも見えます。

 またZventsでは、Google Mapとの連携はもちろん、ABC順のリスト表示や、カレンダーで時間帯別に表示できたりといったきめ細かな機能があります。
 My zventsという自分のイベント情報やコンタクト情報を一覧できる画面も充実している印象です。

 独立でやっていくならこういう地域限定型はありですね。
 東京版がちょっと欲しい気もしてきました。


zvents2.gif【Zventsの主な機能】

・イベント登録
 ユーザー登録をすれば誰でもイベントを登録できる
 
・イベント検索
 キーワード検索以外に、居住地や施設毎での検索や、Tagを使った検索ができる
 また、興味のあるタグを組み合わせたグループを設定することもできる。

・イベント通知
 居住地などを軸に、RSSで最新イベント情報を入手することができる

・共有機能
 友人を登録して、お互いのイベント参加状況を共有することができる

・その他
 自分の登録したその日のイベントを表示するブログパーツを提供。
 各イベント情報にはブログからトラックバックを打つことも出来る。


【Zventsの概要】
運営:Zvents, Inc
設立者:Ethan Stock, Tyler Kovacs
開始:2005.09?
出資:NSVG, Red Rock,他
収益源:現在は出資金とGoogle Adsense等の広告中心?

check*padが携帯電話に対応

 このブログで一番最初に紹介したcheck*padですが、今度は携帯電話に対応したようです。

 早速試してみましたが、とてもよくできています。
 リストの追加や修正ができるのはもちろんのこと、簡単ログイン機能も実装されている上に、メールから項目を追加する機能も実装されています。

 これがほとんど一人で開発されているというのが実にすごいです。
 (ちなみに、いよいよ事務アルバイトの募集を始めたようですので、本格的にサービス化されていきそうです)

 うちも、この辺のスピード感は是非参考にして、良いサービスを作っていきたいです。

※CNETにも記事が出ていました。いよいよメジャーデビューも間近というところでしょうか。
 ToDo管理ツールの「check*pad」に携帯電話対応版が登場

2005年12月22日

Upcoming.org (ソーシャルカレンダーサイト)

upcoming.gif Upcoming.org10月にヤフーに買収されて話題になったソーシャルカレンダーサイトです。

 サイボウズの安田さんが、以前詳細にレポートをしていたので興味を持っていたのですが、時間ができたので試してみました。

 日本のイベント情報がほとんど無いので、日本人にはあまり意味は無いのですが、もしアクティブな人が多いのであれば、イベント探しの手段としてはかなり使い勝手は良さそうです。

 特にYahooに買収されたことによりYahoo Mapsなどの他のサービスとの連携が強化されてきているのが注目。例えば、Mashupcomingというサービスでは、地図上でイベント情報を確認できたりと、複数のサービスのデータを連携させたサービスが次々にリリースされている模様です。

upcoming3.gif ちなみに、日本にはこの手の類似サービスは、無いような気がします。日本だと、比較的東京ウォーカーだとかぴあだとか、イベント情報誌が充実しているせいかもしれませんね。
 後、個人的な印象としては、mixiのイベント検索の機能を上手く増やしていくと、かなり良い感じのサービスにできそうな気がします。


【Upcoming.orgの主な機能】

・イベント登録
 ユーザー登録をすれば誰でもイベントを登録できる
 
・イベント検索
 キーワード検索以外に、居住地や施設毎での検索や、Tagを使った検索ができる
 また、興味のあるタグを組み合わせたグループを設定することもできる。

・イベント通知
 居住地やタグなどを軸に、RSSで最新イベント情報を入手することができる

・共有機能
 友人を登録して、お互いのイベント参加状況を共有することができる

・その他
 Upcoming Badgeという名称のブログパーツを提供。
 自分の関連するイベントなどをウェブサイト上に表示することができる。


【Upcoming.orgの概要】
運営:Yahoo! Inc. (2005年10月に買収)
収益源:現在は特に無し?

2005年12月21日

Remember The Milk (ToDo管理サービス)

milk.gifRemember The Milkも、Tada ListVoo2doと同様のタスク管理サービスです。
「牛乳を覚えておく」というサービス名称どおり、牛乳の購入のような定期的な繰返しのタスクを設定できるのが特徴的。

さらに、他のメンバーとの共有や、メールやRSSとの連携など細かい機能が実装されており、機能的な充実度ではTada ListやCheck*padより上かもしれません。動作のレスポンスが少し悪いのが玉に傷ですが。

ただ、オーストラリアの二人の開発者によるフリーのサービスなので、そういう面を考えれば十分すぎるほど充実したサービスです。

特に、参考にしたいのは充実したリマインド機能。
check*padのように一覧を毎日送ってもらえるだけでなく、タスクの時間にアラーム通知をさせることも可能。しかもメールだけじゃなく、AIM, Google Talk, ICQ, Jabber, MSN,Yahooと複数のチャットソフトに対応しているのも印象的です。

ちなみに、このサービスもう一つ参考にしたいのが登録フォーム。
最速インターフェース研究会でも紹介されていましたが、Ajaxを使って自動的にフォローをしてくれる仕組みになってます。
上記でも書かれているように「一度しか通過しないサインアップフォームを作りこむ心意気が良い」感じです。


milk2.gif【Remember The Milkの主な機能】

・タスク管理
 タブとタスクで2階層のタスク管理が可能
 締切日や繰返し設定やプライオリティー付け、メモ添付もできる

・工数管理
 簡単な当初見積を記入することが可能

・共有機能
 特定のメンバーグループ単位でリストを共有することが可能
 また、リストをネットで公開することもできる

・リマインド機能
 時間を指定してタスクリストを、メールやチャットソフトで受け取ることが可能
 またタスク自体をアラーム的にリマインドすることができる。

・その他
 Eメールからタスクを追加することが可能
 週間予定を印刷形式で出力したり、iCalやRSSにも対応


【Remember The Milk の概要】
運営:個人運営?Emily Boyd, Omar Kilani (Sydney, Australia)
開始:2004.08
収益源:特に無し?

2005年12月20日

ライブドア、livedoor Wikiを強化--グループウェア的な利用も

 CNETにこんな記事がありました。

 ライブドア、livedoor Wikiを強化--グループウェア的な利用も (CNET)

特定のメンバーのみWikiを見られる「閲覧認証」機能を追加した。Wikiユーザーが自分のWikiの閲覧を許可するメンバーを指定でき、指定されたメンバーはそれぞれ自分のlivedoor IDでログインして閲覧する。この機能を追加したことで、グループウェアのようにグループ内のメンバーで情報を共有したり、プロジェクトの進捗を管理したりできる。

 はてなグループも似たような機能を持っていたと思いますが、Wikiを共同で利用して情報共有するという手法は、海外でも事例が増えてきていますから、慣れると便利なのかもしれません。
(個人的には編集にくせがあるのが微妙な感じもしますが・・・)

 個人的にはSAPから出資を受けているSocialtextに注目しているのですが、livedoor Wikiもこの辺りを意識して機能追加をしていくのでしょうか。

2005年12月19日

2005年でもっともイケてたWeb 2.0サービス ベスト10より

 アークウェブの安藤さんが、こんな記事をアップしていました。

 2005年でもっともイケてたWeb 2.0サービス ベスト10 (アークウェブ)

 元ねたは、ArticleDashboardというところのようですが、日本語の細かいレビューが参考になります。
 ちなみに、このブログのテーマとして特に気になったのは、SideJobTrackとEventfulというサービス。

SideJobTrack
はい、温めていた企画書が一つボツになりました(笑) プロジェクトマネジメントをオンライン上で行います。作業工数見積なども同時に作成できたり、気が利いているサービスです。

 サービス名や、機能から想像するに、個人事業主的な人がターゲットのように見えます。
 ボツになった企画書も気になりますが、確かに該当のサービスは良くできているようです。

Eventful
イベント情報をソーシャライズできるというサービスです。 いつどこで何が行われているかを知るだけでなく、誰が何のイベントに興味を持っているのかがわかるという点で、行列好きな日本人の特性に非常に合っていると思います。

 upcoming.orgのようなサービスでしょうか。
 確かにこの手のサービスは、日本にはまだあまりありませんね。
 マルチスケジューラのオプション機能として入れてみたいところですが、ソフトウェアだと難しいかな・・・

 どちらも始めて聞きましたが、海外ではこの手のサービスがどんどん生まれてきてるんですね。
 時間ができたら自分でもレビューして見たいと思います。

voo2do (ToDo管理サービス)

voo2dotop.gif voo2doが、The Best Web 2.0 Software of 2005で、先日紹介したTa-da Listを抑えてオンラインToDoリスト部門の1位に輝いていました。
 早速レビューしてみたいと思います。

 voo2doは、個人で開発しているサービスで、check*padTa-da Listに比べると、細かい工数管理や締切管理ができるのが特徴です。

 ユーザーインターフェースは、個人開発という面もあり洗練されていない印象も受けますが、なかなか動作は軽快ですし、よくできています。

 特に参考にしたいのは一覧画面の状態で、ステータスを細かく変更できる点でしょう。
 AJAXを活用しているのだと思いますが、エクセル的に利用できるのがなかなか良いところです。

 個人でここまで作れてしまうというのが脅威ですね。
 うちも負けないようにがんばらないと・・・


voo2do.gif【Voo2doの主な機能】

・タスク管理
 Viewとプロジェクトで3階層のタスク管理が可能
 締切日設定やプライオリティー付け、メモ添付もできる

・工数管理
 当初見積、現在見積、経過工数、残り工数を管理することが可能
 合計工数等も自動的に計算される

・その他
 Eメールからタスクを追加することが可能
 現在のところ他のメンバーと共有することはできない


【Voo2do の概要】
運営:個人運営 Shimon Rura (Arlington, MA)
開始:2005.08?
収益源:特に無し(寄付中心?)

2005年12月16日

ビジネスのためのSNS--リアルコムが「PeerLinks V1.0」を発表

 CNETにこんな記事がありました。
 
 ビジネスのためのSNS--リアルコムが「PeerLinks V1.0」を発表 (CNET)

 リアルコムといえば、ナレッジマネジメントで有名な会社ですが、その会社がブログやSNSなどを組み合わせたビジネス向けのシステムを発表したようです。
 個人的にもナレッジマネジメントシステムと、SNSのような人を軸としたシステムの相性は良いだろうと考えているので、なかなか興味深い取り組みです。
 PeerLinksという製品名もP2P的なものを連想させますが、SNSもPerson to Person的なP2Pの可視化システムという感もありますから、そういうところから来ているのかもしれません。

ブログやRSSのフィードを実装するほか、興味のあるテーマについて、同じ興味を持つユーザーと情報共有するための「コミュニティ」機能や、自分とつながりのあるユーザーを表示する「ブックマーク」機能などを備える。また、IP電話やMSN Messenger、Skypeなどのインスタントメッセンジャーに連携し、プレゼンス(在席)情報の確認も可能だ。なお、外部のブログサービスや既存のグループウェアとの連携はできない。

  短期的にはドリコムのCMSなんかとバッティングするんでしょうが、長期的にはグループウェア的なものと競合するものに育っていきそうですね。

2005年12月15日

「AJAX」で生まれ変わるデスクトップアプリケーション

 CNETにこんな記事がありました。
 
 「AJAX」で生まれ変わるデスクトップアプリケーション (CNET)

 後半に、現在AJAXが注目されているのは主に個人向けアプリケーションの分野ですが、今後は企業向けアプリケーションにも波及するだろうという予測が書かれています。
 AJAX自体は技術の話ですから、あまり本質的な話ではないかもしれませんが、企業のシステム担当者からすると確かにユーザビリティを向上する上で非常に重要なポイントですね。
 こんな発言も紹介されています。

「ウェブベースのユーザーインターフェースを採用しなければ、シッククライアントを用いて任意のクライアントサーバインターフェースを実装し、レンダリングのための作業をすべて実行する必要が生じただろう。ウェブベースのUIの利点は、インストールが不要ということだが、これはほんとうにすばらしい特性だ」

 このポイントは確かに実感として感じます。
 これまで独自UIのアプリケーションは、その操作性の自由度が一つの売りでしたが、インストールの手間を考えると、今後はAJAXベースのものにある程度置き換えられていくことになりそうです。

 もちろん、ZDNet.com Between the Linesブログにも書いてあるように、AJAX自体は開発する側からすると、実は開発に非常に手間がかかるという課題がありますから、なんでもかんでもAJAXという話ではないというのがポイントですね。

2005年12月14日

SAP、MSとの共同開発製品「Mendocino」のテストを間もなく開始

 CNETにこんな記事がありました。

 SAP、MSとの共同開発製品「Mendocino」のテストを間もなく開始(CNET)

 なんでもMicrosoft OutlookとSAPのデータを連携させる仕組みのテストのようで、例えば。

Mendocinoは予定管理にも利用される。プルダウンメニューを使用して、任意のプロジェクトの会議や、Outlookのカレンダーに記載されているその他の予定に費やす時間を割り振ることが可能だ。この機能を利用すると、SAP上にある従業員のタイムシートも連動して書き換えられる。同様に、従業員が自分のカレンダーに休暇予定を記入した場合も、その情報がSAPの人事システムに自動的に伝えられる。

 と、OutlookとSAPの予算/人事/課金情報などの可能性が書かれています。

 実はこの分野って言うのは、これまでも可能性は結構議論されてきたんですが、情報システム的に基幹系システムに比べると予定表的な情報系のアプリケーションの地位が低かったり、基幹系のシステムが古くてインターフェースが取れなかったり、やっぱり紙の手帳だろっていう人が多かったりで、なかなかこういう情報系と業務系のシステム連携は実現できていなかった感があります。

 ただ、ここに来て、もろもろの条件が整いつつあるのは確かで、いよいよデジタル化による情報系と基幹系の融合が始まろうとしているようです。
 まぁ冷静に考えたら、個人の予定データがデジタルであるのに、それを別のシステムに人が入れなおすなんてのは明らかに無駄ですからね。

 この分野は、まだまだ考えればいろんな可能性がありそうです。

2005年12月13日

Ta-da List (オンラインToDoリスト)

tada.gif Ta-da ListはAJAXの活用やWeb2.0というキーワードで注目されている37signalsという会社が提供している無料のToDo管理サービスです。

 37signalsの主力商品はプロジェクト管理のBasecampということもあり、Ta-da Listはいたってシンプルなサービスになっています。
 とにかくToDoリストの管理機能しかありません。

 正直なところ、以前紹介したcheck*padに比べると、見劣りする点が多く、特に注目する機能も無い感じですが、一つ面白いと思ったのは、親ToDoリスト一覧の頭にあるドットが子タスクの数に応じてサイズが変わる点。
 どのリストにタスクがたくさなるかというのが視覚的に把握できるのは面白いです。

 また、変更した点をRSSで取得することもできる点も最近のサービスらしい点ですね。
 (このあたりはセキュリティがどうなっているのかも気になるところですが)


tada2.gif【Ta-da Listの主な機能】

・タスク管理
 2階層でのタスク管理が可能
 親タスクにはメモを書くこともできる(日付は設定できない)

・共有機能
 特定のメンバーとリストを共有することが可能

・その他
 RSSで変更履歴を取得することができる


【Ta-da List の概要】
運営:37signals, LLC (Chicago)
収益源:特に無し? (有料版への誘導)

2005年12月12日

GmailにRSSクリッピングの新機能

gmail.gif
 ITmediaにこんな記事が出ていました。

 GmailにRSSクリッピングの新機能 (ITmedia)

 GmailにRSSクリッピング機能がついて、利用者はメール閲覧中にティッカー型の記事告知を見ることができます。見え方は右上の画像のような感じで、控えめです。
 メールソフトにRSSリーダー機能がついたりという話もありますが、メールというおそらく一番長い時間をかけているソフトウェアに、関連する機能が増えていくというのは実に自然な流れのように思います。 

 Gmailは現在こそメールサービスですが、今後MicrosoftのOutlookと同様、スケジュール管理やToDo管理機能なんかもついてくるでしょうし、個人の情報管理という軸での機能が次々に追加されてくることになりそうです。


 ちなみに、SW's memoの渡辺さんによると、今回の目玉はRSSクリッピングではなく、添付ファイルを参照出来ることによるマイクロソフトのOfficeシリーズへの揺さぶりだとか。
 
 どちらにしても、渡辺さんが最後に書いている部分を肝に銘じて、今後の方向性を考えていかないといけないのは明らかですね。

この市場は相当レベルの空中戦になります。単機能だけ出しているのでは、センスか開発力が無い限りは正面から撃破されるでしょう。もしくはローカル市場日本の特性と時間差を上手く捉えて先行で走るか。
トレンドだけ追って参入や展開を考えていてはいけない領域の良い例になりそうです。

2005年12月 9日

GTD (Getting Things Done)とは

gtd.jpg GTDとはGetting Things Doneの略で、Life Hacksの教祖とも言われるDavid Allenが提唱する、デジタル時代のストレスフリーな仕事術です。
(右に掲載した同名の書籍のほかに、「仕事を成し遂げる技術――ストレスなく生産性を発揮する方法」というタイトルで邦訳も出ています)

 私がGTDについて始めて知ったのは、百式の田口さんが主催するアカデメディアで5月に開催されたLife Hackers Conferenceに関するLacrimeさんのログ経由だったと思います。

 上記のログにも書いてあるようにGTDの極意は
1.すべきことは一カ所に入れろ
2.たまったやつはあるルールに従ってシステマティックに処理しろ
 の2点。

 個人的にも、大量のメールや、日々のタスクと雑用の処理に対して、似たようなロジックで対応していたのですが、このGTDのコンセプトは、はるかに先に進んでいてスゴイ刺激を受けています。
(ちなみに、このGTDのコンセプトを少し一般の人向けに分かりやすくしたのがCLM(Check List Management)で、それをシステムに落としたのが水曜日に紹介したcheck*padになります)

 実際、情報やデータのデジタル化によって、私たちは大量のメールや情報の処理を日々迫られているわけで、それによるストレスは高まる一方だといえます。
 それをあたかも自らがPCであるかのように、タスクや仕事をリスト化し、システマティックに対応することで、ストレスを低下させるというコンセプトは非常に納得です。

 
 どうしてもグループウェアのような仕組みというのは「共有」に重点が置かれて、利用する個人個人の利便性だとか効率アップを忘れがちですが、こうやって個人の仕事を楽にする仕組みからシステムやツールというのは考えなければならないというのを改めて考えさせられました。

 ちなみにGTDの概要については下記のウェブサイトに詳しく書いてあります。

Getting Things Done (a.k.a. GTD) part (1)
時間と仕事の整理術『GTD』がカルト的人気

【ストレスフリーの仕事術に掲載されているGTDの5つのステップ】

■GTDの5つのステップ

ステップ1 収集する
 ・あなたの注意をひくものすべてを、ひとつ残らず「in-box」に入れてしまおう。
  決して頭で覚えておこうなどと思ってはいけない。
  (書類受けやメールの受信箱、メモ帳、ボイスレコーダーなど)
 ・定期的にレビューしてつねに空にするように心がけよう

ステップ2 処理する
 ・「in-box」からひとつずつやるべきことを取り出す
 ・それについて行動を起こすかどうか決める。
 ・行動を起こさない、と決めたら捨ててしまうか、資料として保存しておくか、「いつかやる」リストなどに転記しておしまいにする。
 ・行動を起こすべきと決めたら、「次にとるべき具体的な行動」を決める
 ・今すぐ自分でやるか、人に任せるか、あとでやるかを決める。
 ・簡単に決まらないようだったら「プロジェクト」リストに転記しておしまいにする

ステップ3 整理する
 ・あとで取り出したり、レビューしたりできる適当なカテゴリーに分ける
  ・プロジェクト(複数のアクションが必要なもの)
  ・カレンダー(特定の日時にやらなくてはいけないもの)
  ・次にとるべき行動(空き時間に片付けるもの)
  ・連絡待ち(ほかのだれかに任せたもの)
 ・必要ならば状況ごとにこれらのリストをさらに分類する(電話、コンピュータ、家等)
 ・判断基準に迷ったときに使える、長期的な目標や価値観のリストを作っておく。
 ・必要ならば使いまわしのきくチェックリストを作っておく
 ・いつでも参照可能なように「資料」フォルダを整理しておく
 ・リマインダーの仕組みを作っておく

ステップ4 レビューする
 ・カレンダーと「次にとるべき行動」リストを毎日見直す
 ・週次レビューを絶対に行わなくてはいけない
 ・長期的な目標や計画、自分の価値観を、必要と思われる頻度でレビューする

ステップ5 実行する
 ・「次にとるべき行動」リストを見直し、現在の状況、持ち時間、エネルギーレベル、優先順位を考慮して行動に移す
 ・適切なリマインダーを設定することで、その場の自分の意思決定に自信が持てるようにする
 ・「自分がなぜそれをやっているのか」をつねに意識することによって、正しい選択を心がける。


【関連記事】
 GTDとは (1) ストレスフリーになるための3つのポイント
 GTDとは (2) 実践するための5つのステップ
 GTDとは (3) GTDに使えるツール群
 Life Hacks Pressを読みました

次のキラーアプリは「カレンダー」--「When 2.0」カンファレンス開催

 CNETにこんな記事が出ていました。

 次のキラーアプリは「カレンダー」--「When 2.0」カンファレンス開催 (CNET)

 カレンダー、スケジューラ周りに固執している自分の信念が間違っていないというのが証明されたようで嬉しい気もする反面、大手・ベンチャー交えてこれだけ多くの企業が同じ市場を狙っているかと思うと身が引き締まる思いです・・・

 個人的に注目したのは下記の段落

たとえば、消費者には、家族用カレンダーと仕事用カレンダーを共有/同期化したり、誰がどのイベントを見るのかといったプライバシーのコントロールを維持するための有効な手段がまだない。また、あるカレンダーの情報を携帯電話やPDA、さらに他のPCに送るにも困難が伴う可能性がある。たとえば携帯電話には、グラフィカルなインターフェースの機能が限定されるなどの問題がある。

 このあたりはマルチスケジューラでも、かなり気を使って実現しているところですので、他社に負けない自信はありますが。
 たしかに個別の実装では後でお客様が困ることになってしまうので、業界標準みたいな仕様が決まると便利になりそうな気もします。

 次のOutlookでは、共有機能が強化されてくるようなので注目したいです。
 なにしろ現在のMicrosoftのこの辺の戦略をリードしているCTOのRay Ozzieは、アリエルが創業時に大いにインスパイアされたGrooveの創始者ですからね・・・

2005年12月 8日

UBIMEMO(ユビメモ) (携帯電話向けPIMツール)

ubimemo.gif UBIMEMO(ユビメモ)は、ドコモの携帯電話向けiアプリです。

 アリエルでも、携帯連携サービスを開発していますが、正直ユビメモの完成度には下を巻いています。
 なにしろiアプリですから、ネットワークにいちいち接続することなくデータを表示させることができます。

 エアワン・シリーズも、PCの内部にデータを持つことによってオフラインでもデータを閲覧できるのを特徴としていますが、それを携帯電話で実現しちゃってますから実に便利です。

 特に参考にしたいのは、その操作性。
 普通の人は携帯電話でPIMなんて使いづらそうな印象を持つと思いますが、ユビメモにおいては、携帯電話の特性を理解したうえでのインターフェースを持っているので、驚くほど使いやすいのが印象的です。

 しかも、ちゃんと携帯電話からだけでなくPCからの利用も可能にしている点も、「ユビキタス」エンターテイメントという社名に恥じないユビキタスぶりです。

 月額300円という有料のサービスですが多くの利用者を集めているのも良く分かるiアプリの見本のような非常に良くできたサービスです。
 ちなみに、この会社の社長の清水さんは港区赤坂四畳半社長として有名です。(ブログは会社の移転に伴い終了されてます。)

2005年12月 7日

checkpad (目標管理ツール)

 check*padは、百式で有名な田口さんが開発するToDo・目標管理ツール。
 田口さんと言えば、日本におけるLife HacksやGTDの第一人者ですから、その辺のノウハウが反映されたシステムになってます。

 サイトにも「ウェブ上でToDoリストを作成、管理、共有できるサービスです。また使い方次第でさまざまな活用方法があります。」と書いてありますが、一言でToDo管理サービスと言い切れない多様な活用方法が可能なのが魅力。

 なんと個人運営で広告等もしていないのに口コミを中心に4ヶ月で1万人を集めたというのだからスゴイですね。
 個人的にも、check*padと田口さんには非常に影響を受けていまして、そもそもこのブログを今日書き始めたのも、その影響を受けたのが大きかったりします。


 check*padで特に参考にしたいのは、デザインのスマートさ。
 本人自ら、設計思想は「美しさは引き算」と書かれているように、シンプルかつ必要十分な機能がそろったサービスになっていて、操作も直感的で簡単に使えるインターフェースになっています。
 (なんでも、余計な機能はほぼ省いてあるか、表示できないように設定できるようです。)

 ついつい長いこと同じソフトを開発していると多くの顧客の要望にこたえようと、ほとんど使われない機能が盛りだくさんになってしまいがちですが、それが逆に仇になることが非常に多いわけで。
 check*padのようにバランスを取った形で実装するのは、実は非常に難しい作業だと思います。


 ちなみに、もう一つ是非うちのサービスにも反映したいのがモーニングリストという指定時刻にリストをメールで送信してくれる機能。
 ソフトとか作っていると、つい利用者にログインしてみてもらうという発想になりがちですが、実は毎日メールで送られてくれば同じことが実現できるわけで、これは是非参考にしたいです。(実は前から言っていてなかなか実現できずにいるのですが)


 個人的にもcheck*padは中長期の個人の目標リストのメモ帳のような感じで利用させてもらってます。
 今後もどんどん機能追加されていくようなので、注目です。

【check*padの主な機能】

・タスク管理
 2階層でのタスクリストの管理が可能
 トップ階層にはメモを書くこともできる(日付等の設定は無い)

・共有機能
 リストを指定したメンバーと共有したり、ネット上で公開したりできる

・その他
 モーニングリストという名称で、時間指定のメール送信機能がある。
 オプションで次にすることをメモする機能がある。

【checkpadの概要】
運営者:有限会社点灯夫
開始:2005.05
収益源:現在は寄付金のみ?

このブログについて

 このブログ「ワークスタイル・メモ」では、アリエル・ネットワークの徳力が、ネットやPC、携帯電話を活用した新しいワークスタイルについて、紙の手帳術からグループウェア、ライフハックなどの最新情報や考えたことをメモしています。
 また、最新サービスについてのレビューやGTD、見える化などのワークスタイルのコンセプトについてもまとめていく予定です。

 各カテゴリの概要については下記の通りです。

■コンセプト・動向メモ
 GTDなどのライフハックや、仕事術などを紹介したり、最新のソフトウェアの記事などを紹介します。

■サービスレビュー
 Web2.0系の新サービスから、すでに誰もが使っている定番サービスまで、カテゴリ別にネットサービスやソフトウェアのレビューをしています。


 当然、このブログでリサーチしたことは、中長期的に、アリエルの製品に反映していきたいとは思っていますが、基本的に徳力個人の独り言ブログですので、コメントやトラックバックはお気軽にどうぞ。

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