世界のウェブサービス競争に取り残されているのは日本だけかも
 ワークスタイル・メモで、Web2.0系のツールやサービスをレビューし始めて、はや一年が経ちますが、最近気になっていることがあります。
 それは米国以外のベンチャー企業のサービスに遭遇する機会が増えていること。
 例えば、1000テラバイトの大容量の無料オンラインストレージとして紹介して、私のブログではてなブックマーク数最多記録を更新したRapidShareはドイツの会社。
 その前に、50GB無料のオンラインストレージと紹介したMEGAUPLOADは多分、香港の会社が提供しているサービスです。
 どちらのサービスもAlexaのランキングでなんと24位と81位という、アクセス数では世界のトップ100サイトに入ってきています。
 それ以外にも、日本でもファンの多いオンラインToDoリストサービスのRemember The Milkはオーストラリアの会社ですし、Zoho WriterやZoho Sheetをはじめ、Google Docs&Spreadsheetsと真っ向から対立するウェブサービス群をそろえるAdventNetはインドの会社。
 Googleの買収提案を拒否したというオンラインオフィスサービスのThinkFreeは韓国系の会社ですし、そういえば、先日Googleが買収した地図ソリューション企業はスイスの会社です。
 アメリカ以外のネットサービスの成功事例といったら、ルクセンブルグ発のSkypeぐらいというのが昨年時点での個人的な印象でしたが、どうも最近は様子が違ってきているように思います。
 まさに世界のフラット化がウェブサービスにも顕著に出てきているようで、英語のサービスであればサービス提供会社の国籍は関係なく成功する可能性が増してきているような印象があります。
 これはやはりブログなどのソーシャルメディアによるクチコミ効果が大きいのでしょうか。
 振り返って日本の例を考えてみると、日本のウェブサービスで海外に同様に認知されている事例が圧倒的に少ないことが気になります。
例えばRead Write Webの国別ウェブサービスまとめ記事では、お隣の韓国でもThinkFreeやOhmynews.comなど、英語のサービスも並ぶのに対して、日本の記事は日本語で提供されているサービスのみ。(まぁ日本人が紹介しているからというのもあるかもしれませんが)
 いつのまにか日本は、世界のウェブサービス開発競争においては他のアジアの国々にも遅れを取っているように思えてきます。
 日本語が読めない人からしたら、日本のウェブサービスはインターネット上に存在していないように見えているでしょうし。
 もちろん、最近は、インフォテリアのオンラインチャットサービスLingrや、サイドフィードのあとで読む(toread)やレビューポスター(Review Poster)など、英語でのサービス提供を始めている企業も増えてきているので、今後この中からグローバルに認知されるものがでてくるのかもしれませんし、CNETにも「世界と勝負するベンチャースピリット」なんてタイトルがNILS特集についていたので、私が知らないだけかもしれませんが、
 (アリエルでも英語版は開発してあるものの、英語のサイトも手がついてない状態なので何かやらなきゃと改めて反省です。)
 今後はあえてLingrのように、日本企業でも最初から英語でサービスを提供する、というアプローチがもっとあっても良い気もしてきました。
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