2006年2月 1日

無料ソフトウェアとビジネスモデルのバランス

 CNETにこんな記事が掲載されてました。

「無料化」が進むエントリーレベル製品--ソフトウェアビジネスに変化の兆し - CNET Japan

さまざまなソフトウェア分野で、無料のエントリーレベル製品を提供することがにわかに慣例化しつつある。こうした傾向はプログラミングツールにおいて特に顕著で、無料で入手できる製品は実に数十万種にも及んでいる。

 記事の内容自体は、最近のデータベース製品まわりの動向について書かれていますが、このソフトウェアの無料化の流れは明らかにビジネス向けの分野にも押し寄せてきていますね。

 アリエルでも、無料スケジュール管理ソフトであるマルチスケジューラを一昨年の12月にリリースする形で、同じアプローチを取るようになりましたが、おかげさまで以前に比べて認知度が大幅にあがりました。
 そういう意味では、記事にあるような「マインドシェア」の重要さを改めて感じています。

 ただ、もちろん何でもかんでも無料で提供できるわけではないですから、ビジネスとしてはバランスを取るのが重要です。
 Googleの村上社長はサービスを無償で提供する理由を「ねじれ現象の防止」と説明しているそうですが、Googleのアプローチにはアリエルの今後にヒントになる要素がいろいろありそうです。

セールスフォースのサービスがまた停止--ブログ界で不満広がる

 CNETにこんな記事が掲載されていました。

セールスフォースのサービスがまた停止--ブログ界で不満広がる - CNET Japan

 先月も同じようなニュースがありましたが、私の前職の会社では平気でグループウェアが丸一日ダウンしていたりしたので、考えてみたら業務サービスが半日停止してこうやって記事になると言うのも凄いことですね。
 
 それだけセールスフォースが多くの顧客に利用されていると言うことだと思いますし、システムやソフトウェアと言うのが我々の業務に不可欠なものになってきていると言うことでしょうか。

 このあたりは、やはり処理を上手く分散化させることで差別化することができそうな気がします。
 

2006年1月30日

IBMの提唱するアクティビティセントリック・コンピューティング

 ITmediaオルタナティブブログで、みずほ総研の吉川さんがこんな記事を書かれていました。

Lotusphere2006で発表されたアクティビティセントリック・コンピューティングという概念  (ITmedia オルタナティブ・ブログ)

 個人的に、特に注目したのは、下記の部分

最近の企業内情報共有では、ポータルなどを使って社員個人の欲しい情報をまとめて1画面に表示をするというのが主流なコンセプトである。ただこのとき情報をどう見せるべきかというと、それは情報の発信者側が押し付けるのではなく、見ている本人にあわせて表示してあげたほうがよいはずである。その時に各個人は情報をどのように関連付けるのだろうか?日本では時々朝から晩までスケジューラを立ち上げてそれベースで仕事を進める人がいることを考えると。自分の起こすべき行動(あるいは起こした行動)がまず第一にくることが便利そうである。すなわち自分の果たすべき役割や行動がまず中心にあって、関連情報はそれに紐つけられているにするのはかなり自然な情報整理の方法だと思う。

 情報に追われる一人のビジネスマンとしても、情報共有アプリケーションを開発する人間としても、この点は非常に賛同できます。
 アリエルでも同じようなことを、エージェント的に動作するものとして表現しようとしていましたが、やはり情報共有の仕組みの目指す方向はこっちということでしょうか。
 (弊社にLotus出身者が多いというのも影響しているかもしれませんが)
 「次のバージョ3からは、はアクティビティエクスプローラーなるものの提供を始める」とのことなので、引き続き注目ですね。

 それにしても「アクティビティセントリック・コンピューティング」と名称がつくと、具体性が増す感じがしますね。
 うちも、ちゃんとこういったコンセプトを打ち出していきたいものです。  

2006年1月27日

「AJAX」人気、開発ツールキットのメーカーの競争を促進

 CNETにこんな記事が掲載されてました。

「AJAX」人気、開発ツールキットのメーカーの競争を促進 - CNET Japan

アナリストや業界幹部らによると、AJAXに対する関心が高まっている理由の1つは、ウェブユーザーがよりインタラクティブなルック&フィールを切望しているためだという。

 AJAXという言葉自体は生み出されてからまだ1年ぐらいだったと思いますが、GmailやWeb2.0系のウェブサービスがインパクトがあったこともあり、この1年であっという間にすっかり流行り言葉になりましたね。
 
 アリエルでも、ソフトウェアのUI動作にかなりAJAXを活用し始めていますが。
 上の記事にあるように、あくまで利用者がインタラクティブな操作性を求めているからAJAXが流行るわけで、何でもかんでもAJAXでやれば良いという話では無いという点は、しっかり認識していきたいです。

2006年1月26日

Web2.0やWikiとグループウェアの関係を考える

 ITメディア・オルタナティブブログで、@ITの新野さんがこんな記事を書かれていました。

 Web2.0とコラボレーションとグループウェア - Randomwalk [ITmedia オルタナティブ・ブログ]

特にコラボレーションに関する部分。ブログやWikiやサーチエンジンなどの知識の蓄積と検索の分野は、これらが進化して既存のグループウェアの存在の一部を置き換えるか、もしくはグループウェア側が先にこれらの機能や手軽さを取り込むか、といった“食うか食われるか”式の比較的分かりやすい現象がみられるのではないかなあと思っています(もちろん、共存する部分だってあるでしょう)。

 この視点は、非常に納得できます。
 現在のWeb2.0的なサービスというのは、まだまだ完成度から言うと、既存の業務アプリケーションと比較にならない部分が多いとは思うのですが、37signalsのBasecampBackpackに見られるように既存の情報共有システムの一部を担い始めている感じは印象としてあります。
 (だからこそ、自分もこんなブログを開設しましたし、サイボウズの安田さんなんかも積極的にリサーチをしているんだと思いますが)
 

 一つの注目点は、Wiki的な共同編集関連の動向になってきそうな印象があります。

 新野さんも引用されているように栗原さんが「Wikiってすごい(今さらですが)」という記事を書いていますが、最近のWikiはどんどん技術的な進歩を遂げているようです。
 
 このブログでも企業向けWikiのSocialtextJotspotのレビューなんかをしてみましたが、この辺のサービスが今後どういう進化を遂げていくかは一つ注目のポイントだと思います。


 ただ、サイボウズの安田さんが「wiki による「共同編集」の難しさ」という記事などで書かれているように、まだまだ一般の人にとって共同編集の概念が理解しづらいのも事実。

 ブログと同様、コンセプトや仕組みを理解する人が増えれば、自然と企業内にも入ってくるものなのかどうか。
 なんとなく今のWiki周りの動向を見ていると、もう一つ何かブレイクするためのポイントがありそうなんですが・・・

2006年1月24日

ロータス、Mac版「Notes」の強化を計画--Macのシェア拡大を受けて

 CNETにこんな記事が出ていました。

ロータス、Mac版「Notes」の強化を計画--Macのシェア拡大を受けて - CNET Japan

「Macコミュニティの成長が鮮明になりつつある。企業への導入率が5~10%であっても、影響力は非常に大きく、組織内の他部署とのコミュニケーションが必須になっている」(Bisconti)

 ウェブサービスと比較した際の、クライアントソフトの一番のハンデはマルチプラットフォームだといえるでしょう。ウェブサービスならブラウザ経由なのでOSはそれほど気にする必要はありませんが、クライアントソフトはプラットフォーム別に開発・テスト・メンテが必要になります。
 ただ、それを超えてでもMac版の強化をする必要が出てきているというのは注目の流れですね。

 何を隠そう、エアワン・シリーズも、いちどMac版のベータ版を公開したことがあるのですが、その後社内のノウハウ不足やMacOSのバージョンアップなどの影響により、きちんと対応できていないままです。
 誰か、一緒にMac版の開発を手伝ってくれる人はいませんかね・・・ 

1人シリコンバレー創業プロジェクトで選ばれた「コネクティ」

 CNETにこんな記事が掲載されてました。

ワークスなど、「1人シリコンバレー創業プロジェクト」で投資先を選出 - CNET Japan

 アリエルも、ワークスグループの一員ですので、「1人シリコンバレー創業プロジェクト」には注目していたのですが、ついに投資先が選ばれたようです。

 選ばれたのは、「Web2.0テクノロジーを駆使した新世代業務システムの開発・販売を主事業とするコネクティ」
 これだけだと何だか良くわかりませんが、サイトを見るとどうやらSNSの要素をSFAやCRMに組み込んだ「コネクションマネジメントシステム」です。

 個人的にもSNSの仕組みは企業でも役に立つと感じており、ビジョンには共感できます。
 今後の動向が注目ですね。

2006年1月23日

Microsoftが目指す「ソフトウェア+サービス」

 CNETにマイクロソフトのビジネス事業部門プレジデントのJeff Raikesのインタビュー記事が掲載されてました。

J・レイクス:「Office Liveベータ版は予定通りに」 - CNET Japan

 興味深かったのは下記の部分。

 コンピュータの性能と使い勝手は飛躍的に向上しており、人々はこのパワーを利用したいと考えています。ユーザーの心を捉えるためには、このパワーをローカルとオンラインの両方で利用する方法を提案しなければなりません。われわれが「ソフトウェア+サービス」という表現を使っているのはそのためです。重要なのは、両者を同時に利用することであり、それこそ、われわれがOffice Liveで実現しようとしているものなのです。競合企業はどちらかというと、「ソフトウェア対サービス」という図式を志向しています。
   ソフトウェアを持っているマイクロソフトだから当然の発言とはいえるのですが。  「ソフトウェア+サービス」という視点は、個人的に興味深いです。

 最近はウェブサービスのメリットに脚光があたっているので、「ソフトウェア対サービス」という図式で何でもかんでもウェブサービスにする感じがありますが、利用者の視点から考えるとソフトウェアかサービスかということよりも、ニーズに応じてメリットの高い方を選択できるのがベストのように思います。

 過去の経験から、ネットワーク化されていないソフトウェアの価値が急速に低下しているのは明らかですが、逆に最近のWeb2.0系のサービスのトラブルを見ていると、ネット上のサービスに完全に依存することのリスクは感じます。
 今後は、両方のメリットを組み合わせたサービスが増えてくるんじゃないでしょうか。
 当然、今度のOutlookなんかはそういったものの先駆けになってくるのでしょう。

 アリエルもクライアントソフトを開発できる点を一つの特徴と考えているので、そういった特徴を活かした「ソフトウェア+サービス」を提供していきたいと改めて思います。

AppExchangeはソフトウェア・マーケットプレイスに?

 先日のセールスフォースのAppExchangeリリースを受けて、ZDNetの「エンタープライズニュースの読み方」で飯田さんがこんな記事が掲載されてました。

ZDNet Japan Blog - エンタープライズニュースの読み方:あなたの名前で売れますか? - AppExchangeの正式リリース

 ソフトウェア企業の動向を、イギリスの流通業界と比較して分かりやすく解説されており、興味深いです。

そうした中、イギリス流通業界を参考にすると、ソフトウェア企業の生き残り策は2つある。一つは、強力なブランドを作り上げ、販売チャネルに対する交渉力を維持すること。ケロッグのないシリアルの売り場は、シリアル売り場ではないというくらいに。あるいは、ノンブランドとして、オンデマンド・プラットフォームへ効率的に製品を供給する裏方に徹するかだ。それはそれで立派なビジネスにはなる。

 業務系アプリケーションの場合は、データの連携などを考えると一概に流通業界のようにマーケットプレイスが単純にアプリを単体売りできないのが難しいところですが、セールスフォース自体のシェアが広がれば、過去のロータス・ノーツのようにセールスフォースと連携して動くアプリをメインビジネスにする事業者が増えてくる可能性は十分ありますね。
 そうなると、AppExchangeでのデータ連携の仕組みが業界標準となって、ソフトウェア業界のスーパーマーケットになれるという可能性は十分ありそうにも思えます。
 
 この手のアプローチが取れるのは、他にIBMとMicrosoftぐらいでしょうか・・・

2006年1月19日

セールスフォース、「AppExchange」サービスを正式開始

CNETにこんな記事が掲載されていました。

セールスフォース、「AppExchange」サービスを正式開始 - CNET Japan

今回一般利用が可能になったこのソフトウェア・マーケットプレースは、Salesforceの顧客やパートナー各社が、同社のASPプラットフォームを介してアプリケーションを配布・共有できるようにするものだ。

 記事の中には「マッシュアップ」というWeb2.0のキーワードが出てきますが、企業向けのサービスに置いても、こういったAPI公開や連携の流れが加速しそうですね。

 既にSalesforceとGoogle Mapを組み合わせたものや、Skypeとの連携製品などが公開されているそうで、「プログラムをダウンロードした顧客の数はすでに1800社を超えており、さらに8万社が現在このテストを進めている」そうですからすごいです。

 日本ではいまいちSalesforceはそれほど普及しているという話を聞かないので、どれだけ日本市場にインパクトがあるのか分かりませんが、CEOのMarc Benioffさんの「ブログの作成や公開と同じくらい簡単に、アプリケーションを開発できるようにすべきだ」という発言には共感します。

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