2006年10月 5日

Googleカレンダーの情報流出問題について考える

google_logo.gif 大西さんのブログで取り上げられた、Googleカレンダーの公開設定の話が結構話題になっているようです。
 Web2.0系のカレンダーとして大きく話題になっていたところでしたから、あまり深く考えずに設定してしまう人がいるんだろうとは思っていましたが、大西さんのブログ記事を見て執筆されたと見られるZAKZAKの記事が、Yahooトピックで取り上げられていたのにはさすがに驚きました。

 情報流出というと、一時期Winnyウィルスによるファイル流出が話題になっていたのを思い出しますが、ウィルスのような悪意のあるソフトウェアによる被害に対して、今回のGoogleカレンダーのような利用者のリテラシー不足や勘違いによる情報流出問題というのは企業のシステム担当者にとっては更に難しい問題ですね。


 Googleカレンダーの特徴は、ウェブサービスならではの手軽さと、それによる不特定多数との情報共有がしやすい点にあると思いますが、その共有できることのメリットとデメリットをあまり理解せずに使う利用者が増えれば増えるほど、こういう話は増えてきます。

 特にこれまでのオンラインサービスに、公開が前提のものが少なかったのも今回のような問題の背景にあると思われます。
 特にGmailのように他人には見せないサービスと、Googleカレンダーのように他人にも公開できるサービスが混在し始めると、やはり利用者からすると混乱するところは多いのかもしれません。(とはいえ本当に素人であればわざわざ設定をデフォルトから設定するとは思えないので、ある程度知識のある方だとは思うのですが。)

 ただ、かといってそういう公開や共有を簡単にできないように作ると、今度は利用者の利便性が薄れてしまうという性質もありますから悩ましいところです。

 そのあたりを利用者にいかに直感的に分かるように作るかというのが、今後公開や共有を前提にしているソフトウェアやウェブサービスで重要というのを改めて確認させられる出来事でした。


大西 宏のマーケティング・エッセンス:【警告】Googleカレンダーで情報流出?

「無防備な人が多いには驚きます。Googleカレンダーで、まるでソーシャルブックマークみたいに公開設定をしている人が何人もいます。実に詳細な仕事のスケジュールが公の場にさらされており、このことを私どもの会社のスタッフが気づき、ぜひこのブログで警告してあげて欲しいというリクエストがありました。」

関連記事
アナタの予定、丸見えに…グーグルカレンダー“大開放” ZAKZAK

2006年9月22日

企業向けWikiのSocialTextが2.0をリリース

 企業向けWikiのASPサービスを提供しているSocialTextがバージョン2を公開したようです。
 
 以前レビューした印象だと、SocialTextのwikiとしての使い勝手は、同じく企業向けWikiのJotspotや、WritelyZoho Writerなどの専用の文書共同編集ツールに、少し水をあけられている印象もあったのですが、今回のバージョンアップでは「ローテクにもラクラク使えるUIの実現」をして、相当操作性を改善したようです。

 なんでも既に2,000社の顧客がいるようで、着実に実績を積んできているようです。
 日本への展開の話も一部で進んでいるようですので、今後の展開に注目です。


TechCrunch Japanese アーカイブ » SocialTextが目指すwiki 2.0

「法人用wikiのベンダーSocialTextが今朝、同社製ソフトの2.0バージョンを発表した。標準wikiのインターフェイスへの大幅な見直しと、同社のwikiとのマッシュアップを可能にするREST APIのリリースなど、既存の顧客ベース以外の人たちにも重要な影響を及ぼしそうな変更も何点か加わった。」

2006年9月19日

Googleカレンダーの日本語版が公開

google_logo.gif いよいよ、Googleカレンダーの日本語版が公開されたようです。
 英語版の公開が4月でしたからざっと半年遅れになりますね。

 今回の日本語版では携帯電話のメール送信も、ドコモやauなどの日本の事業者に対応しています。
 日本のオンラインカレンダーでは、ヤフーカレンダーを利用している人が比較的多い印象がありますが、今後Googleカレンダーがどれだけ利用されるようになるのか注目したいと思います。


Googleカレンダーも日本語版に--携帯電話へのアラート機能も搭載 - CNET Japan

「グーグルは9月19日、Googleカレンダーの日本語版を公開した。Googleのアカウントを持つユーザーであれば無料で利用できる。
 Googleカレンダーは、予定管理のほか、友人などと予定を共有できるサービスだ。」

2006年9月15日

QuickbooksやQuickenのIntuitとGoogleが提携

quickbooks_logo.gif Googleが会計ソフトのIntuitと提携したそうです。
 Intuitは日本ではあまり有名ではありませんが、その会計ソフトウェア「QuickBooks」や「Quicken」は米国ではデファクトに近いと聞いています。
 なにしろ顧客数が370万社とも言われる会計ソフトの巨人です。

 今回の提携では、QuickbooksがGoogle Mapsと連携したり、Google AdwordsやGoogle Baseへの登録を簡単にできるようにしたり、Google DesktopでQuickbooksを検索できたりと、Googleの4つの機能との連携を行うようですが、当然今後はそれ以外のサービスとの連携も強化していくことと思われます。
(ぱっと思いつくだけでも、Google Calendarに会計や支払いのスケジュールを表示させたり、Google Spreadsheetにデータを出力して編集したりとか)

続きを読む "QuickbooksやQuickenのIntuitとGoogleが提携" »

2006年9月 5日

Remember The MilkにGoogle Map連携機能

rememberthemilk_logo.png ITmediaによると、オンラインタスク管理ツールのRemember The Milkに、Google Mapと連動して、地図上のポイントと連携したタスクを作成する機能が追加されたそうです。

 カレンダーの予定と地図情報の連携と言うのは比較的シンプルに実践されていますが、タスク管理で地図情報と連携と言うのは面白いですね。

 ちなみに、NTTドコモのiモードからモバイルで利用することも可能になったようです。
 Remember The Milkも日本市場に結構注目していると言うことなのでしょうか。


ITmedia Biz.ID:Remember The Milkに「場所」機能が追加、携帯対応も

「Remember The MilkはWeb上でタスクを管理できる無料のサービスだ。これまでタスクごとに期日や予測時間、タグなどを指定できたが、今回、Google Maps APIを利用して、そのタスクの場所を指定できる機能を追加した。」

2006年9月 4日

Kikoに投資していたYCombinatorのPaul Grahamインタビュー

 TechCrunchに、YCombinatorのベンチャーキャピタリストPaul Grahamのインタビューが掲載されていました。Paul Grahamは「ハッカーと画家」という書籍でも有名な、元起業家の天才プログラマーです。
 YCombinatorでは、先日オークションに出されたオンラインカレンダーKikoにも投資していたそうで、後日談的に話が載っています。

 特に印象に残ったのは、KikoがGoogle Calendarとの競合に影響されて行き詰ったのではという視点から「オンラインプロダクティビティーアプリケーションに関してはすでにゲー ムオーバーと考えてよいだろうか?」という質問に対してのPaul Grahamの回答。

Googleが得意な分野で競争しないように私は勧めている。ではGoogleが得意なのは?第1近似として、Googleのディベロッパー自身が仕事で使うようなツールだ。(中略)もうひとつGoogleの弱点は大企業だということだ。(中略)だからスタートアップもGoogleと競争できる―どんな分野にしろ、Google社内の門番が怖がるようなワイルドなアイディアがあれば。

 多くのWeb2.0系ツールの開発者が、Google等のネット大手企業の買収をゴールにサービスを開発しているのではと指摘されていますが、やはり実際にそれで成功するためには、Googleのような企業が作ろうとするものではなく、作ろうとしないものでなければならない、というのは興味深いポイントですね。

 また、「人が欲しがるものを作るいちばん簡単は方法は自分が欲しいものを作ることだ。」「自分は欲しくないが、人が欲しがるかもしれないと思うものを作ろうとしてもよい。しか しこれはずっとリスクが大きいやり方だ。」ということも発言していて、実に考えさせられるところです。


TechCrunch Japanese アーカイブ » YCombinatorのベンチャーキャピタリストPaul Grahamインタビュー

「Paul Grahamは「今はバブルではない。スタートアップはビジネスモデルの心配をするな。いちばん良い会社は古い独占体制を打ち壊す会社だ」と信じている。GrahamはMountain ViewのベンチャーキャピタルYCombinatorのパートナーの一人。同社は起業したばかりの非常に早い時期のスタートアップに投資している。」

2006年9月 1日

AjaxアプリのSynapseLifeが10月に公開予定

synapselife_logo.gif Synapse Corporate Solutionsという企業がSyanpseLifeというアプリケーションを10月1日に公開するようです。

 TechCrunchによるとリリース直後から「連絡先管理、日程表、電子メール送信ツール、To-Doリスト(タスクリスト)、財務会計帳簿、フィードリーダー、お気に入りリスト、タグ」の8種類ものAjaxベースのアプリケーションが公開されるようで、モバイル端末対応もできているという実に意欲的な発表です。

 Synapse Corporate Solutionsという会社については始めて知ったのですが、米国のシアトルにある企業向けアプリケーションを作成している小規模の企業のようで、ウェブサイトのデザインもお洒落です。
 10月にSynapseLifeがリリースされたら早速レビューしてみたいと思います。


TechCrunch Japanese アーカイブ » SynapseLife、小型のツールを大量にバンドル

「SynapseLife は様々な生活シーンを管理できるオンラインのアプリケーション・スイート。10月1日ベータ版公開に向けリリースご案内希望者のメールアドレスを公募している。
 SynapseLifeは、Daniel RustとMark Michaelが立ち上げた在シアトルの4人組のチーム>Synapse Corporate Solutions社が手がける初の一般ユーザ向け製品。無料のベーシック版と有料プレミアムのアプリケーションをそれぞれ用意した。」

2006年8月28日

Web2.0系カレンダーkikoの落札価格は3000万円

 先日、kikoのオークション出品を紹介しましたが、その後オークションが盛り上がり、最終的に258,100ドルという価格で落札されたそうです。日本円だと約3000万円というところでしょうか。

 最初の価格が600万円程度で入札者もいなかったので、どうなることかと思っていましたが、3000万円であれば創業者にとっては悪くないリターンになったのではないでしょうか。


 最終的に落札したのはPowerjoe1998というアカウントのようですが、素性は不明。
 ちなみに、こちらのSpurというブログによると、Ogijunという日本人(?)的なIDの人に始まり、111件ものビッドの交換があり、最後のWswireさんの258,000を100ドル上回ったPowerjoe1998のビッドで落札という緊迫のオークションになったようです。
(これだけの金額のオークションが盛り上がるeBayもすごいですね。ヤフオクでサービスの売買ってされたことはあるのでしょうか?)

 まだkikoがどのような形で生まれ変わるのか分かりませんが、今後の動向に注目したいと思います。

※上記のID「Ogijun」は本当に日本人(しかも知り合いでした)だったようです。惜しかったですね。

【関連記事】
eBay: Web 2.0 failed start-up flea market? | Digital Micro-Markets | ZDNet.com

2006年8月21日

GoogleがオンラインワープロWritelyの一般公開を再開

writely_logo.gif 以前にレビューしたオンラインワープロのWritelyですが、Googleに買収されたことによって一気に注目が集まり、急増した利用者に対応できず登録を制限していました。
 それが、いよいよ先週通常の新規登録を再開したようです。

 CNETの記事によると、Writelyはオンラインワープロの分野でトップの評価を得ているそうで、いよいよMicrosoftのWordとの本格的な競合が始まるのではないかという見方も多いようです。

 個人的にも文書の共同作成という面で、Writelyは情報共有ツールとしても非常に便利なので注目しています。

 今回の再一般公開に伴い特に大幅な機能拡張を行っているわけではないようですが、今後Googleの他のアプリケーションとの連携も見込まれますから注目です。
 Zoho Writerのような類似のオンラインワープロ事業者も、ここが正念場になりそうです。

ITmedia Biz.ID:Google版「Word」のWritelyが一般公開

「Googleが2006年3月に取得した、Webブラウザ上でWordライクな操作性を実現するワードプロセッサのWritelyが、β公開での招待制を終了し、一般に開放すると発表した。
 Writelyのβサイトは買収後、Google化された新サービスに移行するとして、新規登録の受付を停止した。」


※CNETにも詳細の記事が掲載されました。
グーグル、Writelyの利用受け付けを開始

「ウェブベースのオフィス生産性製品市場に製品を投入しているのはGoogleだけではない。ほかにも、AdventNetのZoho、 SilverofficeのGoffice、ThinkFree、そしてNatiumのFlysuiteなどがあり、これらのいずれもが、現在 Microsoft Officeが独占する大規模な同市場で一定のシェアを確保したい考えだ。」

2006年8月18日

ソーシャルカレンダーをクライアントソフトで実現するc2talk

c2talk_logo.gif 今週、インフォテリアさんから、ソーシャルカレンダーソフト「c2talk」が公開されました。
 ウェブ上にあるスケジュール情報を共有して自分のカレンダーに取り込めるというUpcomingのようなソーシャルカレンダーの機能をクライアントソフトにもたせた製品のようです。
 
 ウェブサービス全盛の今、なぜあえてクライアントソフトを選択したのかという理由については、社長の平野さんが詳細にブログで書かれていますが、「「こちら側」とWebをつなぐためにクライアントソフトをしている」というのは良く分かります。

 特にカレンダーのようなアプリケーションは人によって目的や使い方が大きく異なるので、いろいろなバリエーションがあっていいソフトだと思ってます。 
 そういう意味では、オンラインカレンダーもクライアントソフトも、いろいろ役割分担がなされていくような気もします。

 もちろん、逆に言うとマルチスケジューラの目指すところと似ているので、ライバル出現ということではあるのですが。
 個人的にも、マルチスケジューラに実装したいと思っていた機能が、c2talkにはいろいろと実装されているようなので、参考にさせていただきたいと思います。

 早速試したところ、Firefoxを使っているせいか上手く動作しなかったので、時間ができたら改めてレビューしたいと思います。


インフォテリア、ソーシャルカレンダーソフト「c2talk」の提供を開始 CNET

「インフォテリアは、さまざまな情報をカレンダー上で管理できるソフトウェア「c2talk」を開発し、8月14日にベータ版の配布を正式に開始した。
 同社が「ソーシャルカレンダーソフト」と呼ぶc2talkは、通常の「カレンダー(Calendar)」に「コラボレーション(Collaboration)」の要素をミックスしたもので、自分の仕事関連やプライベートのスケジュールだけでなく、ウェブ上にあるさまざまな情報を取り込んで表示できるのが特徴だ。」

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