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2006年5月30日

R*PAD.JP (ウルトラシンプルリマインダー)

rpad.gif R*PAD.JPは、百式の田口さんが開発したメールのリマインダーです。
 ベータ版が公開されたようなので、早速レビューしてみました。

 R*PAD.JPは、GTDを実践するツールとして田口さんが公開しているcheckpad.jp、taskpad.jpに続く第三弾で、「特定の日付に行うべきもの」を記録するためのツールです。

 使い方はとっても簡単。
 R*PADのウェブサイトにアクセスして、登録アドレスに携帯電話からメールを送るだけ。
 自動的にアカウントが作成されるので、そこで特定日付のリマインダーを作成するだけです。

 以前から田口さんはいかに機能を削ぎ落としてシンプルにするかというのにこだわっておられますが、まさにその象徴ともいえるサービスですね。

 マルチスケジューラにも是非参考にしたいところです。
 以前紹介したリマインダーメーラーにも近いサービスですが、興味がある方は試してみてはいかがでしょうか。


【R*PAD.JPの機能】

・リマインド機能
 特定のメールアドレスに、指定した日時に特定のメールを送付することができる。
 携帯電話からリマインダーを作成することができる
 メールにメモをつけることができる

・リマインド管理機能
 管理画面でリマインダーの一覧を確認できる
 その週に存在するリマインダーの週報を送ることができる
 リマインダーで繰り返しの設定ができる


【R*PAD.JPの概要】
運営:有限会社 点灯夫
開始:2006.5.29
収益源:特に無し

2006年5月26日

Zimbraの日本語版は2006年秋頃登場予定

 CNETにこんな記事が掲載されていました。

住友商事がフィードパスに戦略出資、Web 2.0関連のビジネス開発で提携 - CNET Japan

Zimbra製品は、電子メールやアドレス帳、スケジューラーなどを標準装備するとともに、外部アプリケーションなどとのウェブ上での統合、連携を実現するマッシュアップ機能、RSSリーダー機能、携帯端末との同期機能などを備えた、操作性の高い企業向けウェブ統合コラボレーションシステム。住友商事とフィードパス社は、共同で製品の日本語化を実施して、2006年秋頃より国内販売を開始する計画だ。

 Zimbraについては、以前このブログでもレビューしましたが、非常に完成度の高いAjaxベースのオープンソースコラボレーションソフトです。
 Outlookの機能がそのままウェブベースで使えますから、Microsoft Exchangeともろにバッティングする製品だと思えば良いでしょう。
 
 何でもそのZimbraの日本における総事業化権を住友商事がもっているそうで、今度はその住友商事がフィードパスに出資して提携するとのことです。
MMT's Blogによると、今でもZimbraは問題なく日本語は使えるようですから、基本的にはUIの日本語化ということでしょうか)

 日本でウェブベースの企業向けメールといえば、なんといってもサイボウズなわけですが、そのグループ会社がZimbraをやるというのはなかなか興味深いところです。

2006年5月25日

GTD本第二弾「ストレスフリーの仕事術」が出版されました

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則 このブログでも何度かご紹介してきたGTDですが、GTDの発案者デビッド・アレン氏の新著「ストレスフリーの仕事術」が出版されました。
 Amazonでも早速上位にランクインしています。

 何と言っても今回の「ストレスフリーの仕事術」は、日本のGTDやLifeHacksの第一人者として有名な田口さんの監訳ですから、二重の意味で注目です。


i d e a * i d e a - 「ストレスフリーの仕事術」速報!

本書はGTDの続編ですが、どういった位置づけかはデビッドさんの次の言葉を借りるとわかりやすいかな、と。
「普通のドライバーになりたいなら車をどう運転するかを知っていればいい、しかし優れたドライバーになりたいなら、普段は意識しない、そこに働く重力の法則を知らなくてはいけない。」
車を運転するだけのうわべのプロセスならGTDを読めば十分でしょう。でもそこから創意工夫をこらしてさらに上を目指したいなら本書がよいでしょう。

 Life Hacks PressGTD特集を読んだけど、分かったような分からないような感じ、とかあまり仕事が改善された感じがしない、という方には必須ですね。

 実は今私もまだ読んでいる最中ですので、読み終わったらLife Hacks Press同様、ブログでまとめをしてみたいと思ってます。
 が、皆さんも是非読まれることをお勧めします。

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則
デビッド・アレン 田口 元


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2006年5月23日

グループウェアのNotesに「見える化」を適用

 @ITにこんな記事が掲載されていました。

「Notes見える化」のススメ - @IT情報マネジメント

 グループウェアの代名詞でもあるIBMのNotes(Lotus Notes/Domino)を例に、グループウェアにおいて先日紹介した「見える化」というコンセプトを適用するとどうか、というのを3つのポイントで紹介されています。

■Notesの見える化3つのポイント
・日本版SOX法・内部統制対策 - 【リスクの「見える化」】
・どのように使われているか? - 【利用状況の「見える化」】
・Notesか? Exchangeか? - 【投資対効果の「見える化」】

 いわゆる「見える化」で対象にしているような、日々のオペレーションの過程で問題点が自動的に見えるようにするというポイントとは、ちょっと違う感じもありますが。
 
 グループウェアのような情報系のアプリケーションは利用状況や投資対効果が見えにくいというのは良く言われる話ですので、それを可視化するというのは今後重要になってくるアプローチのように思います。

2006年5月19日

Google Desktopでデスクトップカレンダー

google_desktop.gif Google Desktopは過去にも何度かニュースを紹介しているGoogleのデスクトップ常駐型アプリケーションです。
 今回のバージョンアップに伴い、Google Calendarとの連携プラグインが提供されましたので簡単にレビューしたいと思います。

 ちなみに、これらの新しいガジェットは最新のGoogle Desktop4でしか使えません。
 Google Desktop4は日本語版がまだ出ていないので、今すぐ使いたい場合は英語版をインストールして使う必要があります。
 (当然日本語検索ができなくなるので、ちょっと不便です。)

 Google DesktopへのGoogle Calendarのガジェットの設定は簡単です。
 Google Calendarのプラグインページからダウンロードしてインストールするだけ。
 あとは、オプション設定からGoogle アカウントの設定をすると、ミニカレンダーがGoogle Desktopに表示されます。

google_desktop2.gif ミニカレンダーの日付を選択するとその日の予定が表示されますし、予定を作成したり、Google Calendar自体を表示したりというのもワンクリックでできるので便利です。
 予定が入っている日は太字になっているのも何気に便利ですね。

 おまけにGoogle Desktop4から、ガジェットは一つずつサイドバーから切り離して表示できるようになりましたので、常にデスクトップに表示しておくこともできます。
 
 当然オンラインのGoogle Calendarを利用しているので、回線がオフラインになると予定の作成・編集やGoogle Calendarの表示はできないんですが、Google Desktop側のデータはオフラインでも見ることができます。
(ちなみに、オンラインで作成した予定がすぐにDesktopには反映されないようなので、定期的にデータを取得しに行っているのかもしれません。)
 また、予定の時間になるとポップアップでアラートしてくれる機能もついており、さすがGoogle実に便利です。

 この辺の機能も今後強化されていくことになるんでしょう。
 マルチスケジューラでも参考にできるところがたくさんありすぎて大変です(笑)。

google_desktop3.gif ちなみに、Google Desktopにはこれ以外にもいろんなカレンダープラグインがありますので、お好きなのをどうぞ。


【Google Desktop Calendar Pluginの機能】
・スケジュール管理機能
 Google Calendarの作成画面を表示することができる

・カレンダー機能
 月のミニカレンダーを表示することができる
 一日毎の予定を表示することができる
 週の開始日を変更することができる
 予定からGoogle Calendarの予定編集画面を表示することができる

・リマインド機能
 予定ごとに時間を指定してポップアップでリマインドができる。

・その他
 デスクトップにカレンダーを常時表示することができる


【Google Calendarの概要】
運営:Google
開始:2006.5.10
収益源:特に無し?

2006年5月18日

次期SharePointにSNS的知識共有の仕組み導入

 CNETにこんな記事が掲載されていました。

ゲイツ氏、次期SharePointを披露へ--SNSの発想で「社員の頭の中の知識を共有」 - CNET Japan

 「Microsoft SharePoint」の次期バージョンには、「Knowledge Network」と呼ばれ、個々の従業員について得意分野などが記載されたプロフィールを自動的に作成する機能が組み込まれるそうです。

 同様のアプローチはドリコムを初め、古くからはリアルコムであったり、ワークスアプリケーションズのKnowWhoであったりと、日本企業では結構積極的に模索されてきた手法ではあるんですが、Microsoftが対応するというのはインパクトがありそうな印象です。

 特に大企業においては、誰が何に詳しいとか、誰がどういう分野に携わっているかという情報は以外に埋もれがちですので、情報自体を共有するよりも価値が出てくる可能性は十分高いと思います。

2006年5月17日

Google Notebook (オンラインメモ帳)

googlenotebook.gif Google Notebookは先日矢継ぎ早に発表されたGoogleの新製品の一つです。

 Notebookという名前からイメージできるように、手早くメモを取るためのサービスと思ってもらえれば良いでしょう。
 ウェブサイトを閲覧している最中に、メモしておきたいフレーズやページに巡り合ったら該当する部分を選択して右クリックするだけで簡単にメモを取ることができます。

 秀丸のようなテキストエディタやメールソフトを使ってメモを取っている人も多いと思いますが、Google Notebookはそれをオンラインのサービスで実現するイメージです。
 先日紹介した「あとで読む」というサービスはページをまるまるメールソフトに送って保存するサービスでしたが、Google Notebookは個別のテキストを取っておく感じで、新聞記事とかを切り抜いてクリッピングしているイメージでしょうか。

google_notebook1.jpg ちなみに、当初は秋元さんがブログで書いているようにソーシャルブックマークに近いサービスかという想像もしていたのですが、現在のサービスを見る限りはあまりソーシャルな要素はないようです。(もちろんこれからどうなるかは分かりませんが)

 ノートを公開することができるようになっていて、自分のものはもちろん他の人のノート全体から検索ができるようになっているのはGoogleらしいところです。
 特に検索対象が記事の件名やタグに依存するソーシャルブックマークに対して、メモ本文も検索できるのがGoogle Notebookのメリットでしょう。

 今のところは動作が重い感じですが、動作が快適になれば人によっていろんな使い道がありそうなサービスです。

ITmedia BizIDに使い方についての記事が掲載されています(2006.8.11)


googlenotebook2.gif【Google Notebookの主な機能】
・オンラインメモ機能
 件名と本文のメモを作成することができる
 コピーしたい部分を選択し右クリックでメモを取ることができる
 メモにコピー元へのリンクとタイトルが自動的に生成される
 プラグインでブラウザに専用アイコンを追加できる
 メモを編集することができる
 メモに太字や斜め文字の修飾をすることができる

・メモ一覧機能
 セクション別にメモを整理することができる
 表示されるメモの順番をドラッグして変更することができる
 メモの件名表示・詳細表示を切り替えることができる

・共有機能
 メモを全体に公開することができる

・検索機能
 自分のメモだけを検索することができる
 全体のメモから検索することができる


【Google Notebookの概要】
運営:Google
開始:2006.05.16?
収益:特に無し

※2006.5.17にレビューを実施

2006年5月16日

見える化とは (5) 「見える化」の10のポイント

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み前回に続いて、「見える化」本のご紹介です。

 書籍の最後で、効果的な「見える化」のための10のポイントが掲載されていますので、最後にまとめとして紹介したいと思います。(このポイントは以前にZDNetの記事に掲載されていたものと同じです。)

■効果的な「見える化」のための10のポイント
1 まず現状の棚卸しから始める
2 「見せたくないもの」「見せられないもの」ほど「見える化」する
3 「見える」もの、「見せる」ものを絞り込む
4 態度・タイミングを重視する
5 アナログとデジタルを使い分ける
6 わかりやすく、シンプルに
7 現場の当事者自身が「見える」ようにし、仕組みもつくる
8 本当の勝負は「見えたあと」
9 「見える化」のノウハウを共有する
10 経営トップが「見える化」を牽引する

 個人的に印象に残っているのは、やはり5番のアナログとデジタルの使い分けでしょうか。
 手段が目的化しないように、まず最初の定義が非常に重要だと感じます。

 また「見せたくないもの」「見せられないもの」ほど見える化するというのも重要ですね。
 特にシステムを構築する際には、見せやすいものを見られるシステムになってしまったり、実際に必要な情報を表示するのに異様に面倒なシステムになってしまったりしがちですので注意したいところです。

 詳細については、是非書籍を読むことをお勧めします。

【関連記事】
見える化とは (1) 現場力を向上する
見える化とは (2) 「見る」ではなく「見える」
見える化とは (3) 「見える化」の5つのカテゴリー
見える化とは (4) 「見える化」すべき3つの情報
見える化とは (5) 「見える化」の10のポイント

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み
遠藤 功


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2006年5月15日

見える化とは (4) 「見える化」すべき3つの情報

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み 前回に続いて、「見える化」本のご紹介です。

見える化本では、1部が解説、2部が事例紹介という形式になっているのですが、1部の最後になるのがこの3つの情報の話です。
書籍では、見える化とは単なる情報共有ではなく、「問題解決のための情報共有」であると強調されており、見える化の対象となる情報を、三つに分類しています。

 
■見える化すべき3つの情報

1.信号情報
異常や問題が発生したという事実を伝え共有

2.支援情報
特定された問題解決を支援するための情報

3.基礎情報
網羅的・多面的な情報やデータ

ここで強調されているのがそれぞれの情報によって「見える化」の仕方に向き不向きがあるということ。  システム開発の側としてはIT偏重になることの問題を改めて考えさせられます。
この情報分類ごとのアプローチは、企業向けシステムの製品開発に非常に参考になりそうです。

■情報の種類によって異なる見える化の方法論

 基礎情報 支援情報 信号情報 
 主たる目的問題発見/解決 問題解決 問題発見 
 主たる情報内容定量・定性情報 定量情報 信号/データ/現物 
 主に使用される
 カテゴリー
 「状況」「顧客」「経営」「問題」「知恵」
 「問題」
 情報の量 多中 少(ピンポイント) 
 「見える化」の
 道具立て
デジタル中心 デジタル・アナログ両方 アナログ中心

 

【関連記事】
見える化とは (1) 現場力を向上する
見える化とは (2) 「見る」ではなく「見える」
見える化とは (3) 「見える化」の5つのカテゴリー
見える化とは (4) 「見える化」すべき3つの情報
見える化とは (5) 「見える化」の10のポイント

2006年5月11日

Google DesktopがGoogle Calendarと連携

google_logo.gif CNETにこんな記事が掲載されていました。

グーグル、複数の新アプリケーションを一挙にお披露目 - CNET Japan

「Google Desktop 4はほかのGoogle製品と統合されており、Sidebarから簡単にソーシャルネットワーク「Orkut」に参加する友人の誕生日を調べ出したり、 Google Calendarで特定の日の予定を知ることができる。Desktop 4はほかのコンピュータとも同期するため、職場のマシンに変更があると、家庭のコンピュータにもその変更が反映されると、同氏は説明した。

 複数のアプリケーションがリリースされているのですが、個人的に注目したのは上記のGoogle Deskotop 4。

 今回のバージョンからは、Yahoo Widgetのようなガジェット機能が追加され、ミニアプリケーションが動くようになっています。

 また、先日リリースされたGoogle Calendarで入力した予定をGadgetから確認することなんかも早くもできるようになっていて、Google Desktopが今後Googleの関連サービスへの入り口として進化していくのが伺えます。

 アリエルでも須崎さんにGoogle Desktop用のプラグインを作ってもらったりしていますが、今後もいろいろと上手く連携できればと思います。

2006年5月10日

見える化とは (3) 「見える化」の5つのカテゴリー

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み 前回に続いて、「見える化」本のご紹介です。

書籍では具体的な見える化のカテゴリーについて、5つに分類して具体的に紹介されています。

■「見える化」の5つのカテゴリー

1.問題の見える化
企業活動において発生する大小さまざまな異常や問題が、タイムリーに「見える」ようにする

2.状況の見える化
企業活動の現状がどのような状態になっているのかが「見える」ようにする  (状況が見えなければ、問題を発見したり、打ち手を講じたりするのは不可能)

3.顧客の見える化
市場の変化に敏感な企業でありつづけるために顧客が「見える」ようにする  (見える化は企業の内部活動に限定して考えがちだが、もっとも重要な柱の一つが顧客の見える化)

4.知恵の見える化
社内のあらゆる知恵を結集させたり、暗黙知を形式知に変換させて「見える」ようにする  (問題解決を可能にするのは、人間の知恵であり創意工夫)

5.経営の見える化
オペレーション全体の執行を監視・監督するために経営を「見える」ようにする  (上記の4つのカテゴリーはオペレーションの見える化)


まぁ、こうやって並べてみるとある意味当たり前のことではあるのですが、たしかにこの5つのポイントをちゃんと実践できている企業がどれだけあるかというと非常に少ないように感じます。
特に、システムやソフトウェア側から考えてしまうと、個別の問題点に対する対処療法になってしまいがちですが、こういった全体を捉えた視点での本質的な問題解決ができるものを目指していきたいです
 
ちなみに、書籍では5つのカテゴリーに11の対象項目が掲載されていますので、こちらもあわせてご紹介しておきます。

■「見える化」の5つのカテゴリーと11の対象項目

カテゴリー
  対象項目
1.問題の見える化
 異常の見える化
 ギャップの見える化
 シグナルの見える化
 真因の見える化
 効果の見える化
 2.状況の見える化 基準の見える化
 ステータスの見える化
 3.顧客の見える化 顧客の声の見える化
 顧客にとっての見える化
 4.知恵の見える化 ヒントの見える化
 経験の見える化
 5.経営の見える化 

  詳細は書籍をご覧ください。

【関連記事】
見える化とは (1) 現場力を向上する
見える化とは (2) 「見る」ではなく「見える」
見える化とは (3) 「見える化」の5つのカテゴリー
見える化とは (4) 「見える化」すべき3つの情報
見える化とは (5) 「見える化」の10のポイント

2006年5月 8日

見える化とは (2) 「見る」ではなく「見える」

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み 前回に続いて、「見える化」本のご紹介です。

 書籍では、見える化のポイントとして、見える化は単純な情報共有ではなく、「見る」努力をしなくても自然と事実や問題が目に飛び込んでくる「見える」状態を作ることを上げています。
 具体的な見える化の勘違い例としてあげられているのが下記の四点。

■見えていると勘違いしている企業の4つの共通点
 1.「悪い情報」が見えていない
 2.「組織」として見えていない
 3.タイムリーに見えていない
 4.伝聞情報しか見えていない

 実際、情報共有のためのシステムやツールを導入する際というのは、その導入自体が目的化してしまい、本質的な問題を忘れた議論になってしまいがちです。
 そうすると、実際に共有されるべき情報が共有しにくいシステムを作ってしまい、誰も使わないということになるという結果になるのは非常によくわかります。


 あわせてこんな見える化の落とし穴の紹介もありました。

■「見える化」の四つの落とし穴
 1.IT偏重
 2.数値偏重
 3.生産偏重
 4.仕組み偏重
 
 特にわれわれソフトウェアやシステム系の企業が陥りやすいのが1のIT偏重でしょう。
 システムを導入したところで、そのシステムから問題点が浮き彫りになって利用者に伝わらなければ意味が無いわけで、このあたりは気をつけたいところです。

 ちなみに、書籍では、結果を定期的に壁に張り出したり、アナログな手法との組み合わせが紹介されていましたが、個人的には携帯電話をアラートなどにうまく活用することで、PCの画面の中に閉じた世界から、利用者の意識までつなげた世界を構築することができるのではないかと感じています。

【関連記事】
見える化とは (1) 現場力を向上する
見える化とは (2) 「見る」ではなく「見える」
見える化とは (3) 「見える化」の5つのカテゴリー
見える化とは (4) 「見える化」すべき3つの情報
見える化とは (5) 「見える化」の10のポイント

2006年5月 1日

見える化とは (1) 現場力を向上する

見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み 見える化については、以前関連ニュースを紹介したことがありますが、書籍「見える化 - 強い企業をつくる「見える」仕組み」を読みましたので、改めてこちらのブログで書籍のポイントをまとめて見たいと思います。

 書籍によると、そもそも見える化が重要になってきている理由は、経営の三要素である「ビジョン」「競争戦略」「オペレーション」のうち、企業間で大きな格差がでているのが3番目の「オペレーション」つまり「現場力」であるという視点で解説されています。

■三つの条件が揃った「現場力」
 ・問題解決に対する「当事者意識」 
 ・全員理解・参加の「組織能力」
 ・高い志による「優位性構築」

 この「現場力」、つまり「組織としての問題解決能力」を向上するために必須なのが、第一歩としての問題を発見したり設定する能力、つまり「見える化」ということのようです。

 書籍では見える化の元祖ともいえるトヨタの「アンドン」の事例を元に、下記の3つのポイントを指摘しています。

■トヨタにおける「アンドン」にみる「見える化」の本質的意味
 1.問題の開示・告知
 2.この責任による問題発見
 3.チームによる問題解決 

 このポイントは、問題を探すだけでなく、解決するところまでをセットとして流れを作っているところのように思います。
 問題が見つかっても、それが他人の責任に転嫁できてしまうと、ついつい問題の押し付け合いになってしまいますが、問題を自分およびチームのものだと明確に認識できれば、解決にもスムーズに結びつくように感じます。

 エアワン・シリーズでも、チームでの問題共有という点にこだわってきましたが、このあたりの仕組みは、ソフトウェアの世界にももっと反映する余地がありそうです。


【関連記事】
見える化とは (1) 現場力を向上する
見える化とは (2) 「見る」ではなく「見える」
見える化とは (3) 「見える化」の5つのカテゴリー
見える化とは (4) 「見える化」すべき3つの情報
見える化とは (5) 「見える化」の10のポイント

   

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