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2008年9月24日

Oracle Sales CRMに見る、本気のEnterprise2.0アプリの可能性

 先日、Oracleさんが開催された「Sales Prospector」のブロガー向け説明会にご招待頂きました。
 Sales Prospectorというのは、Oracleがあらたに提唱するSocial CRMの一ラインアップになるようです。

socialcrm.png

 Oracleというと、大企業向けのデータベースの会社というぐらいの印象で、正直あまり私自身も普段はウォッチしていないのですが、今回は「SaaS、Social NetworkやiPhoneを活用した、ビジネスアプリケーションに関するブロガー向け説明会」ということでご紹介いただいて、ちょっと気になったので参加してみました。

 今回説明があったのは、Oracleが買収したSiebelのCRMアプリケーションを中心とした新しいサービスやiPhoneアプリリリースの話。
 さすがエンタープライズ向け製品だけあって、話がややこしくて私自身も正直完璧には理解できていないので、詳細についてはこちらのEnterprise Watchさんの記事をみて頂くとして。

 個人的に気になったのは、今回プレゼンされたOracleのアプリケーションの作り込みの完成度の高さでした。

 Sales Prospector自体は、いわゆるSalesforceのようなSFA的な営業支援ツールの一種です。
 ただ、記事の中でも「これまでの製品では、案件情報を表すのは一覧表であり、分かりづらかった。しかしこれをグラフィカルにすると(中略)一目瞭然(りょうぜん)になる。」という発言があるように、いわゆるエンタープライズアプリが陥りがちなリストばかりで味も素っ気もないという問題をクリアすべく、グラフィカルな表示にチャレンジしているというのが特徴のようです。

 例えば、案件リストを、確度と進捗でグラフにプロットし、規模を円の大きさで表現してみたり、これから出てくる予定のSales Libraryでは、提案書やパンフレットデータが、Appleお得意のカバーフローばりに表示されてみたり。

salesprospector1.png

 これまでのEnterprise2.0アプリというのは、どちらかというと地味な印象が強かったですが、本格的に使い勝手をWeb2.0的に工夫するという局面に、エンタープライズアプリも入ってきているのかもしれません。


 他にも、当日のプレゼンではOracleのアプリのデータが、iGoogleに表示されたり、Vistaのガジェットとして表示されたり、iPhoneアプリもすでに開発されていたりと、かなりオープンに展開を始めているというのが印象的でした。

【iPhoneアプリの利用イメージ動画】

 生産性向上を目的とした個人向けのWebアプリケーションは最近あまり話題にならなくなってきている印象もありますが、エンタープライズアプリは、これから本格的に変化を始めると言うことなのかもしれないなーと思います。

 Sales Prospectorは、1ライセンス月額3万4240円と、気軽に試せる価格帯ではありませんが、こういうアプローチに刺激されて他のエンタープライズ向けアプリの使い勝手も変わってくるのではないかと思うと、ちょっと楽しみです。

 OracleのSocial CRMについては、下記のサイトにプレゼンデモもありますので、興味のある方はこちらもどうぞ。

salesprospector2.png

2008年9月16日

ノートン・インターネットセキュリティ2009に期待するセキュリティソフトが存在を感じさせない時代

norton20091.png 先日、ノートン・ブロガーズミーティングに参加させていただきました。

 このイベントは、AMNでも告知にご協力させていただいたのですが、最近セキュリティソフトの調子が悪いのもあり、一参加者として申し込んでみました。
(私が当選したせいで抽選に漏れてしまった方すいません。)

 ちなみに、ワークスタイル・メモでは、セキュリティソフトの話はほとんど取り上げていません。
 なぜなら、セキュリティソフトは仕事の生産性を上げてくれるとか、仕事のやり方を変えてくれるとか言うソフトではなく、どちらかというとPCを重くするソフトという印象がどうしてもあるからです。

 そう言う意味で今回のノートンインターネットセキュリティ2009で気になったのが、軽さ。

norton_zero_gravity.JPG 

 ブロガーイベントの事前告知でも、「ゼロインパクト」を歌っていましたが、その謳い文句にあうほどの軽さを実現しているのかどうか、本当にPCのパフォーマンスのゼロインパクトを達成しているのかどうか、が最大の興味対象です。


 で、当日のプレゼンで強調されていたのが、他社と比較した際での様々な動作速度の速さ。
 起動時間から、メモリー利用量、スキャン速度や通常動作時のシステムへの負荷まで、少なくとも他社製品の現在のラインアップに比べると最速・最軽量を誇っているそうです。

norton20092.jpg


norton20093.jpg

 これはちょっと期待してしまいますよね。

 もちろん、自社製品のアピールですから、ある程度は斜めに見る必要はあるのでしょうけど、β版も話題を呼んで、ダウンロード件数は国内だけで前年比7倍だったというから、なかなかこれは良さそうです。

 
 また、スキャンの対象をリスクのあるプログラムのみに絞り込むんでスキャンを高速化する「ノートン インサイト」、PCがアイドル状態時に定義ファイル更新やシステムスキャンを実行する「スマート スケジューラ」とか、重要度の低いセキュリティ警告を表示しないようにする「サイレント モード」とか、ゼロインパクトを達成すべく様々な機能が実装されているそうです。

 まぁ、他にもいろいろと改善されている項目はあるみたいですが、それは他の参加者の方々のレポートを見ていただくとして。
 とにかく私が気になるのは、システムへの負荷と速度。これだけです。

 ということで、早速評価版を試してみているのですが、今のところ、確かにこれまでのソフトに比べると動作の負荷が気にならない感じがします。


 1998年頃、会社で導入していたセキュリティソフトは、起動すると仕事にならないので、毎回まず最初に落としていた記憶があったりするのですが、ようやくセキュリティソフトもここまで来てくれたかという感じですね。

 今後は更に進化して、起動していることすら忘れているぐらいの軽さになって、文字通りパフォーマンスにゼロインパクトのソフトになって欲しいと強く願います。

 
 ちなみに、今回のノートンのコマーシャルは中川翔子さんが起用されたようです。
norton20094.png

2008年9月 8日

Rejaw (マイクロブログとリアルタイムチャットの組み合わせ)

rejaw1.png Rejawは、Infoteria USAが先月開始したウェブサービスです。
 ちょっと気になったのでレビューしてみました。

 Rejawは一見した印象では、TwitterJaikuなどのマイクロブログの一種ということしか分からないのですが、サイトのトップページに「Mini-blog + Chat = Fun」と書かれているように、マイクロブログにリアルタイムチャットの要素を組み合わせたのが特徴と言えるサービスです。
 
 Twitterでは1つ1つの投稿は、文字通りTwitter(つぶやき)扱いなのですが、Rejawにおいては書き込みはShout(叫び)と位置づけられており、他の人にコメントをしてもらう前提。
(その代わりWhisper(ささやき)という機能が、Twitterのメッセージのような感じでプライベートな扱いの投稿機能になっているようです。)

 Twitter上においては、他の人と直接対話するには@でメッセージを書くぐらいしか手段がありませんが、Rejawにおいては1つ1つの発言が掲示板となっていくので、1つのテーマで盛り上がるには向いているということが言えそうです。

rejaw2.png まぁ、こうやって書くとTwitterにコメント欄がついたぐらいの印象でたいした違いを感じないかもしれませんが、面白いのはそのコメント欄の実装の仕方。

 なんといっても、Rejawを開発しているのはLingrを開発したInfoteriaさんなので、コメントの投稿の反映がLingr同様リアルタイムというのがポイントでしょう。

 いわゆるコメントですとブラウザの画面を更新しないと返答がついたかどうか分からないわけですが、Rejawだと拓いたままの画面に次々に新しいコメントがついていきます。
 これは実際にRejawにログインした後に、知らないRejawユーザーの人から教えてもらったのですが、たしかにブラウザの中で次々にコメントが増えていくのはなかなか感動もの。
 新しい投稿があるとブラウザ最下部に表示されているインジケーターが光ったりという演出も憎いですね。


 マイクロブログではあるのですが、本文欄に長文を入れることもできますし、画像を貼り付けたりすることもできる上、ユーザーでなくてもコメントができたりするようなので、普通にコメント欄をリアルタイムに使えるブログとして使うこともできてしまいそうです。

 ただ、逆にサービスの使い始めは対してコメントもつかないし、コメントをつける相手もいないというのが、このサービスの悩ましい弱点という感じ。
 日本の芸能人ブログとか、人気のある社長ブログみたいに、大量のコメントがつくブログを、Rejawで置換えてみるのは、結構面白そうな気がします。

 この手のサービスは本当にいろんな種類のものが出てきているので、一番難しいのは既存の他サービスの利用者をいかに巻き取っていくかという点だと思いますが、Rejawのアプローチは、上手く伝わっていけばなかなか面白いのではないかと思います。
(サンプル動作動画とかあっても良いかもしれませんね)

rejaw.png

   

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