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2008年8月26日

StumbleUpon(ぶらぶらとサイトを探し回れる出会い系ブックマーク)

stumbleupon.png StumbleUponは米国では非常に有名なソーシャルブックマークサービスです。
 昨年5月に、eBayに7500万ドルで買収されたことでも話題になりましたが、ちゃんとレビューしていなかったので今更ながらレビューしてみました。

 StumbleUponとは英語で偶然見つけると言う意味の言葉なのですが、StumbleUponを一言で表現すると、面白いサイトやページに出会うための出会い系ブックマークサービスという感じでしょうか。
 ブラウザにStumbleUponツールバーを導入し、StumbleUponボタンをポチポチすることでサイトを見て回るというのが基本操作になります。

 で、その巡回中にそれぞれのサイトを気に入ったか、気に入らないかをツールバー上で選択することで、一般的なソーシャルブックマークサービス同様、気に入ったサイトの一覧をオンライン上に保存することができるという仕組みです。

 システムのイメージとしては、専用ブックマークを使うソーシャルブックマークサービスと言っても良いでしょう。


 ただ、何と言ってもStumbleUponが秀逸なのは、その個別の選択を元にその後のサイト表示を調整してくれる(らしい)点。
 StumbleUponボタンをポチポチしながら、それぞれのサイトを評価していくと、さらに自分に合ったサイトをどんどん紹介してくれるので、いつまでもボタンをポチポチし続けてしまうと言う非常に中毒性の高いサービスになっているわけです。

 なにしろ登録ユーザー数はすでに世界で500万人、StumbleUponボタンが押された回数も今年4月には累計50億回を超えていると言うから凄いです。

stumbleupon2.png

 一覧で表示される利用者の属性を見ても、実にグローバルなサービスになっていることが良くわかります。


 StumbleUponの主な利用は面白いサイトやページを見つけることな訳ですが、このメタファーは明らかにウインドウショッピングに利用できるはずで、たいしたビジネスモデルもなさそうなこのサービスを、eBayが大金で買収したのも非常に良くわかります。

 日本では、del.icio.usライクな真面目なソーシャルブックマークサービスは、大量のサービスが乱立していますが、もっとこういう違ったアプローチのサービスが増えても良いんじゃないかと改めて思わせられるサービスです。

【StumbleUponの機能】
・クリッピング機能(評価機能)
 気に入ったサイトやページを評価することでクリッピングすることができる

・巡回機能
 自分の嗜好やクリッピングの傾向を元に、次々にお薦めのサイトを表示させることができる。

・ソーシャル機能
 他のユーザーを友人として登録することができる(一方向)
 
・グループ機能
 興味のあるテーマのグループに参加することができる


【StumbleUponの概要】
運営:StumbleUpon (eBay)


【StumbleUponの画面】
stumbleupon1.png

2008年8月22日

9月25~26日開催のCOMPANY FORUM2008のご紹介

ariel_enterprise.png ワークスアプリケーションズ主催のCOMPANY FORUM2008が9月25日26日に開催されます。 

 アリエル・ネットワークからは社長の小松が、25日26日ともに17時から『2015年問題 デジタルネイティブに直面する大手企業』をテーマに講演を行いますので、ご都合がよろしい方は、是非ご参加下さい。
 
 講演ではアリエル・エンタープライズの事例紹介やデモンストレーションも、実施する予定です。

COMPANY Forum 2008での講演内容の詳細はこちら


 ちなみに、COMPANY FORUM2008では、経営危機に瀕していたIBMを見事によみがえらせたことで有名なルイス・ガースナー氏とワークスアプリケーションズの牧野CEOや阿部COOの対談のビデオセッションが基調講演として実施されるそうですので、こちらも是非ご覧下さい。

company_forum2008.png

2008年8月21日

Soocial (複数のアドレス帳を同期できるコンタクト情報管理サービス)

soocial1.png Soocialは、コンタクト情報にフォーカスしているオランダ発のウェブサービスです。
 ベータアカウントがいつの間にか届いていたのでレビューしてみました。

 Soocialが提供しているのはアドレス帳の同期サービスです。
 似たようなことを行っていた事業者としてはPlaxoがあげられると思いますが、PlaxoがPulseのような機能を提供して、FriendFeedのようなフィードアグリゲータ機能にも展開しているのと反対に、Soocialはとにかくコンタクト情報を同期することにフォーカスしているようです。

 ログインして表示されるのは、とにかくシンプルなコンタクト管理画面。
 そこに、現在は下記の4種類のコンタクト情報を同期することが可能になっています。

soocial3.png

 先日紹介したXobniのようにコンタクト情報で何かを見せようとか、人間関係を解析しようとかそういったアプローチは一切無く、とにかくシンプルです。

 残念ながら私はこのいずれのサービスでも詳細のアドレス帳管理をしていないので、あまりしっかりとしたレビューはできていないのですが、今後Outlookとの同期だとか、LinkedInのようなSNSや、メッセンジャー系ソフトとの同期も計画されているようで、とにかくアドレス情報やコンタクト情報を扱っているサービスとはどんどん同期していくというプランなのでしょう。
(現在、Facebook用のプラグインは、提供しているようです。)

 たしかに、あえてアプリケーション機能自体は他のサービスに振ってしまい、同期機能だけにフォーカスしてしまうと言うアプローチは案外有りかもしれないなーと思えてきます。

 懐かしいテレビドラマの「ナイトライダー」をモチーフにした宣伝動画もなかなか興味深いのでこちらもどうぞ。
(個人的にはなぜナイトライダーの映像を使えるのかの方が気になりますが)


Hassle Free from Soocial on Vimeo.


 日本ではコンタクト管理と言うよりも名刺管理の方が主流な印象があり、私自身名刺管理ソフトのヘビーユーザーなので、なかなかSoocialのようなテキストベースのコンタクト管理サービスは使う気にならないのですが、逆に言うと名刺情報を扱えるこういうコンセプトのサービスはもっと出てきて欲しいなーと思います。
(現在ですと近いのは、三三株式会社のリンクナレッジぐらいでしょうか?)

 
【Soocialの主な機能】
・アドレス帳同期機能
 携帯電話のアドレス帳データを同期できる
 Macのアドレス帳データを同期できる
 Gmailのデータを同期できる
 Highriseのデータを同期できる

・コンタクト情報管理機能
 コンタクト情報を作成したり編集したりできる

【Soocialの概要】
運営:Soocial (Arnhem, Netherlands)
開始:2008?
収益源:有料サービス?


【Soocialの画面】
soocial.png

2008年8月13日

オンラインデスクトップの「全部自社でやる」というアプローチの難しさ

 先日オンラインデスクトップ「StartForce」日本語版が8月29日終了という記事を見たので、あらためてオンラインデスクトップサービス市場がどういう展開になっているか軽く調べてみました。

 今回のStartForce日本語版の終了というのは、日本で運営されていたサービスは終了するものの、米国のサービスが日本語対応する形になるようなので、どちらかというと運営主体だったフュージョン・ネットワークサービスがサービスから手を引いて、グローバル提供の形になるという話のようです。
 
web_desktop_startforce.png

 そういう意味ではサービス撤退と言うよりは、運営主体が変わるだけではあるのですが、やはりいろいろ調べてみるとオンラインデスクトップ自体はサービス開始当初の注目度をピークとして利用者の伸びが止まっているような印象を受けます。



 そもそも、Googleトレンドで見てみると、eyeOSはグラフが表示されるのですがYouOSStartForceについてはデータ不足でグラフが表示されません。
 AOLに買収されたgoowyですら、サービス自体は横ばいに推移しているようです。

web_desktop1.png
 
 昨年、「真のウェブOSとなるのは、ウェブデスクトップではなくスタートページかも : ワークスタイル・メモ」という記事を書いたことがありますが、実際にパーソナライズドページ系のNetvibesと比較してみると、その差は明白。

web_desktop2.png

 Netvibesですら、iGoogleやMyYahooには差をつけられているようですから、ウェブデスクトップの業界での存在感はかなり小さいというのが現状のようです。

 更にサービスとしては後発になる、フィードアグリゲータのFriendFeedにも大きな差をつけられているのも注目点。

 もちろん、サービスの特性が違いますから単純比較はできませんが、やはり一つのウェブサービス単体でPCのデスクトップを再現しようというアプローチは難しいというのが現状で、どちらかというとウェブ上に存在するサービスのデータやフィードを上手くまとめて見せてあげるサービスの方が利用者は増やしやすいというイメージが見えてくる気がします。

2008年8月 8日

Infinity Ventures Summit 2008 FallのLaunchPad の募集が開始

 先日、IVS 2008 SpringのLAUNCHPADの様子をこちらのブログでも一通りご紹介しましたが、Infinity Ventures Summitの2008 秋開催の概要が確定し、LaunchPadの募集が開始されたようです

 個人・企業の所属は問わず、「インターネット、モバイル、ソフトウエア、デジタルコンテンツ、コンシューマーエレクトニクス(PDA、ロボット含む)の製品・サービスなどネット・IT全般を対象」としているとのことですので、サービスに自信はあるんだけどなかなか認知がしてもらえなくて悔しい思いをされている方や、IVSに参加されているようなベンチャー企業経営者やベンチャーキャピタリストにアピールしたいという方は、是非申し込んでみてはいかがでしょうか。

 開催は11月中旬ですので先の話になりますが、LaunchPadの募集自体は8月1日―10月17日の期間になるようですので、お申し込みはお早めにどうぞ。

LaunchPad申込の詳細はこちら
 
IVS LAUNCHPAD 2008 Springのプレゼン一覧はこちら
ivs_2008s.png

2008年8月 7日

Salesforce (SaaSの代名詞となったCRMプラットフォーム)

salesforce1.png Salesforceは、おそらく業界の方で知らない人はいないだろうと思われるウェブサービスです。
 AMNでしばらく使ってみているので、レビューを書いておきたいと思います。

 Salesforceについては、初期の頃は主にSFA(セールスフォースオートメーション)という営業プロセス自動化サービスとしての認識だったと記憶していますが、最近はウェブサイトの記述にしてもどちらかというとCRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)という顧客管理システムの側面を強調した展開をしているようですね。


 ただ、やはりSalesforceというと、SaaS(Software as a Service)の代名詞としての活躍の方が印象的でしょう。
 ASP型で企業向けにサービスを提供するという試みはインターネットの初期から様々な企業が取り組んでいた分野が、最初の大成功を収めたのがこのSalesforce。
 現在は実に顧客数は40000社を超えるというからすごいです。

 サービスを使ってみた印象としては、正直な話ユーザーインターフェース自体は、想像以上に地味というのが率直な感想です。
 いわゆるWeb2.0系のウェブサービス的な派手さはありませんし、一見するとどこにでもありそうな企業向けウェブシステムという感じ。

 操作についても、いわゆるWeb1.0的なページ切り替えを前提とした操作が基本にはなっているのですが、オプションを設定することでちょっとした項目の直接編集やドラッグ&ドロップが可能といった、操作性の改善も取り組んでいるようです。
 まぁ、このあたりは既存利用者の利便性を考えると劇的に変えることも難しいというところなのでしょうか。


salesforce2.png ただ、実際に使ってみて凄いと思うのはその柔軟性。
 何しろ細かいテンプレートや項目名、項目のデータ属性や、レポートなど、ありとあらゆるものがかなり自由にカスタマイズすることができます。
 40000社の顧客ともなると、当然企業によって様々なカスタマイズのニーズがあるはずで、それらに対応するために着実に進化してきたサービスということなのでしょう。


 さらに興味深いのはやはりAppExchangeでしょう。
 すでに800を超えるアプリケーションがあるようですが、Salesforceと連携する各企業がそれぞれ個別にアプリを開発しているため、このアプローチはあきらかに一社で全てを開発しているシステムと比較すると圧倒的に優位です。

 Googleとの連携も発表しており、GoogleDocsをタブに入れたりという比較的シンプルな連携や、プラグインを入れてGoogle Calendarの予定をSalesforceと同期させるようなことも可能になっています。

 最近はSaaSではなくPaaS(Platform as a Service)というようなことを言い出していたりしますが、Salesforceはもはや一アプリケーションと言うよりは、企業システムのプラットフォームになってきているという印象は強く受けます。


 実際のアプリケーションの雰囲気については無料試用も可能ですし、いかにも外資系らしい動画のデモもありますので、こちらもご覧下さい
(デモを見るのに個人情報の入力が必要なのも、いかにも外資系な感じです)
salesforce3.png


 日本においては、それほど大きな存在感はまだまだ無いというのが正直な印象ではありますが、業界のトレンドをつかむ上ではウォッチしておくべき存在だと思います。


2008年8月 1日

ライブ動画配信サービスのトッププレイヤーはどこになるのか

 このブログでも、UstreamStickamを始めとして、いくつかレビューを行ってきたライブ動画配信サービスですが、TechCrunchによると利用者の登録数ではかなり明暗が分かれて来始めているようです。

 他のライバルを引き離しにかかっているのは、justin.tv
 Google Trendsで比較してみるとこんな感じです。

stickam_graph1.png

 ブログにエンベッドされたビデオの再生回数は対象になっていないと思うので、厳密なサイトの盛り上がり度ではないのですが、グラフの傾きを見る限り優劣は明らかな印象です。

 justin.tvの日本での知名度は低いですが、もともとアメリカでライブ動画ブームのきっかけとなったサービス。
 まぁ、当然と言えば当然の結果なのかもしれませんが、実際に利用者向けにライブ配信サービスを公開したのは、上記の4事業者の中でも後発なので、どういう経緯でこういった差が出てきたのかというのは気になるところです。

 サイトの雰囲気を軽く眺める限りは、justin.tvはカジュアルなエンタメ系の配信が多いようなので、やはり人数を集めるにはそれが重要ということなのかもしれません。

 
 ちなみに参考までに日本だけでやってみるとこんな感じ。

stickam_graph2.png

 ネット系のコミュニティではUstreamの方が知名度がある印象もあったのですが、さすがに日本企業が運営していることもあり、Stickam.jpがUstreamに大差をつけているようです。

 Google Trendsでこの数字と言うことは、Google Trendsの測定対象外の利用者の傾向を考えると、想像以上にStickam.jpの方が一般的な知名度はUstreamよりあるということなのかもしれませんね。

 ちなみに、Justin.tvが顔を出してきているのは、サイトが日本語対応しているのも影響しているのかなと思えます。(まぁ、現在はひどい日本語ではあるのですが) 
 そういう意味では、Ustreamの日本語対応も一つのポイントになるのかもしれません。

 何にしても、この業界の傾向もこの半年~1年で見えてきそうな雰囲気です。

   

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