日本のP2Pファイル交換ソフトの代表となっているWinnyですが、開発者の金子さんがウィルスによる情報漏洩についてセミナーでコメントをされたようです。
Winny自体には人によって様々な意見があると思いますが、個人的に非常に気になっているのは下記の部分。
引用:「金子氏は、Winnyを改良し、情報漏えいを防ぐことも技術的には可能と主張する。しかしながら同氏は、Winnyを200回以上バージョンアップしたこ
とが問題視され、著作権法違反ほう助で起訴された原因のひとつになったとして、今後Winnyの改良を行わないことを警察側に誓約したという。そのため、
「対策すると、バージョンアップになってしまう。Winnyをより良くするアイデアはあるが、今は身動きが取れない」と語った。」
Winnyに限らず、MicrosoftやGoogleにも見られるように、初期の開発の過程でなにかしらのセキュリティホールが出来てしまうのは、ソフトウェアの性というものですが、本来はそれが見つかれば修正するという信頼の上にソフトウェアの利用は成り立ちます。
それが訴訟の関係でWinnyの開発が停止したことにより、セキュリティ的に不完全なソフトウェアだけがそのまま流通して、Winnyによる問題を更に複雑にしてしまっているというのは実に残念なことです。
結局、ソフトウェアの修正が改善か改悪か見分けがつかないので、とりあえず開発者には何もさせないという手段しかないということでしょうか。これがハードウェアだったらどうなのだろうと思うと、ちょっと複雑な思いがします。
「Winnyは悪くない、悪いのはウイルスであり、感染する人だ」--開発者の金子氏 (CNET)
「著作権法違反ほう助の罪で公判中のWinny(ウィニー)開発者、金子勇氏は3月11日、NPO法人ソフトウェア技術者連盟(LSE)大阪セミナーの席で会見を行い、「Winnyは技術検証のために開発したもので、ウイルスによる情報漏えいは予想外の事件」と語った。」