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2006年10月31日

Pando (大容量ファイル転送ソフト)

pando1.gif Pandoは、P2P技術を活用したファイル転送ソフトです。
 TechCrunchで既に利用者数が150万人を超えているという記述があったので、レビューしてみました。

 P2P技術を活用しているファイル転送ソフトといえば、以前にAllPeersFolderShareZaprなんかをレビューしましたが、FolderShareやAllPeersがファイルやフォルダの共有機能を提供しているのに対し、Pandoはファイル転送のみに特化したアプリです。

 使い方は簡単で、ソフトをインストールして送りたい相手のメールアドレスを入力してファイルを送信するだけ。
 1GBまでなら複数のファイルを添付できるだけじゃなく、フォルダ単位での送付も可能です。

 ファイル自体はPandoのサーバーにアップロードしてそれをBitTorrentの技術でダウンロードする仕組みになっているようで、自分の端末が起動していなくても相手はファイルを受け取ることができるようです。
 Zaprに比べると、相手もソフトをインストールする必要があるのがネックですが、それでも150万登録まで利用者が増えているのは、やはり使い勝手が良いからでしょうか。

pando2.gif さらに最近、メールに対して送信するだけでなく、ウェブにダウンロード用のリンクを貼り付けることも可能になったようです。
 RSSにも対応しているので、ビデオポッドキャスティングなど、大容量のファイル配信で配信コストに困っているところで利用できるのではないかと歓迎されているようです。

 日本ではあまり利用者がいない気がするであまり使えないかもしれませんが、すでにOutlookやYahoo Messenger用のプラグインもあるなど、今後が注目されるソフトです。
(ちなみに社内でテストしてみたところ、意外に転送時間がかかりました。TechCrunchでは早いと書いてあったのでプロキシ環境だと時間がかかるのかもしれません。)


【Pandoの機能】
・ファイル転送機能
 メールアドレスを指定してファイルを転送することができる(ファイルサイズは1GB) 複数のファイルやフォルダを転送することもできる
 IMにアドレスを貼り付けて転送することもできる 

・ウェブアップロード機能
 ウェブにファイルダウンロード用のバナーを貼ることができる
 ファイルにパスワードをかけることもできる

・その他
 RSSでファイルを取得することもできる


【Pandoの概要】
運営:Pando Networks, Inc (New York, NY)
開始:2005.6.22
収益:バナー広告?
従業員数:16名

pando.gif

2006年10月30日

eventcast (日本発ソーシャルイベントサイト)

eventcast1.gif eventcastは、日本で主催されているソーシャルイベントサイトです。
 先日まとめたカレンダー系サイトレビューのコメントで紹介してもらっていたのですが、今更ながら(遅くてすいません)レビューしてみました。

 ソーシャルカレンダー的なサービスは、過去にも海外のUpcomingZventsEventfulなどをレビューした事がありますが、eventcastの作りはそれらのサービスに似ています。
 皆でイベントを登録しあって、一つの大きなイベント情報サイトを作り上げるスタイルです。

 ちなみに個人的にも注目したのが、9月に始まったeventcastの新サービス
 これまでのイベントをサイトに来て登録するスタイルから、ソーシャルブックマークサービス的にブックマークレットからクリップしてイベントを登録していくサービスに変化しています。
 ASCII24に開発者の市場さんのインタビュー記事が掲載されていますが、この中でも今後はこちらのクリップ形式の方を中心に開発をしていくと発言されています。

 リマインダーも設定できるので、自分の気になる製品の発売日とかをどんどんクリップしてメモ的に使うのも面白そうです。
 おまけに、各イベントからワンクリックで、ヤフーカレンダーGoogleカレンダー、Outlook/iCal、Remember The Milkなどに取り込む機能もあります。

eventcast2.gif ちなみに、このサービス、法人化も目指しているそうですが、今のところは個人で運営されているようです。
 個人運営なのにリマインダーやブログバッジもあって非常に高機能。おまけに、デザインとかお洒落ですし、すごいですね。
 うちも参考にしたいです。というかコツを教えて欲しいです。

 日本では、こういった個人ベースのウェブサービスはまだまだ少ない印象がありますが、今後日本でもこういうサービスがどんどん増えていって、お互いにマッシュアップとか盛んになってくると良いなーと思います。


※参考:ASCII24に掲載されていたインタビュー記事
 【2.0企業インタビュー】clip.eventcast/市場博昭氏に聞く
 
 

【eventcastの主な機能】

・イベント登録
 ユーザー登録をすれば誰でもイベントを登録できる
 ブックマークレットからイベントの登録ができる
 
・イベント検索
 キーワード検索以外に、タグを使った検索もできる

・イベント通知
 RSSやiCalでイベント情報を取得することができる
 他のメンバーをお気に入りに設定してその人のイベント情報を取得することができる

・共有機能
 友人を登録して、お互いのイベント参加状況を共有することができる

・その他
 自分のイベントをブログに貼り付けられるブログパーツを提供。
 当日の自分のイベントをメールでリマインドすることができる
 csvでデータをエクスポートすることができる
 イベントをヤフーカレンダー、Googleカレンダー、Outlook/iCal、Remember The Milkに取り込むことができる。


【eventcastの概要】
運営:個人(市場博昭氏)
開始:2006.4
収益源:広告

eventcast.gif

2006年10月27日

TeamDirection for Groove (Groove用プロジェクトツール)

teamdirection1.gif TeamDirectionは、GrooveやSharepointと連携して動作するプロジェクト管理ツールです。
 先日のソーシャルビジネスアプリケーションの記事を読んで気になったのでレビューしてみました。

 私が試したのはGroove用のバージョンですが、有料で販売されているだけに非常に完成度の高いソフトです。
 単純にいってしまうとマイクロソフトプロジェクトの機能が、そのままGrooveの中で再現されているような印象です。
 
 個人的には、全てのプロジェクトメンバーがこの手のプロジェクト管理ソフトでガントチャートを見ながら作業をすると言うのはあまり現実的ではないのではないと思っているのですが(そのためプロジェクトAでは、プロジェクト管理画面とToDo画面を連携させています。)、リーダーが作成したガントチャートをメンバーと手軽に共有できるのは便利そうです。
 

 料金的には、Grooveを購入した上に、更に100$以上するTeamDirectionのライセンスを購入する必要があるので、お金持ちの企業向けではあります。
 ただ、マイクロソフトプロジェクトのデータをインポートすることもできますし、マイクロソフトプロジェクトの共有サーバーを設置するコストを考えれば割安と考えることもできます。(TeamDirection for SharePointは1ライセンス199$+サポートが40$です)
 
 BasecampZoho ProjectのようないわゆるWeb2.0系のプロジェクト管理ツールとは、ターゲットもコンセプトも違う商品ですが、この価格で既に300社以上に販売実績があるようで、米国のプロジェクト管理ツール市場の幅広さを感じます。
 ちなみに試していませんがMindManagerとも連携させることができるようです。


teamdirection2.gif【TeamDirectionの主な機能】

・パーソナルポータル機能
 関連しているプロジェクトの状況を表示することができる
 自分のToDo一覧を表示することができる
 自分のマイルストーン一覧を3ヶ月分一覧できる
 企業名と個人名等でコンタクト情報を入力することができる

・プロジェクト管理機能
 タスク名、担当者、開始日・終了日、作業期間、優先度などを設定できる
 作業期間は日、時間、分を選択できる
 進捗度を%で入力することができる
 タスクの依存関係を設定することができる
 
・ガントチャート機能
 タスクの進捗をガントチャートで表示することができる
 ドラッグでタスクを変更することができる
 ドラッグでタスクの進捗を変更することができる
 日/週/月の単位で表示することができる

・ミーティング設定機能
 ガントチャート上にミーティングを設定することができる
 ミーティングをOutlookと同期させることができる

・マイルストーン機能
 マイルストーンを設定することができる
 マイルストーンとタスクの依存関係を設定することができる

・共有機能
 Grooveのワークスペースにメンバーを招待してデータを共有することができる

・その他
 データの編集履歴を表示することができる
 タスクやミーティングにファイルを添付することができる
 タスクやミーティングに掲示板(ディスカッション)をリンクさせることができる
 メンバーのオンライン状況を確認できる
 メンバーにメッセージを送ることができる


【TeamDirectionの概要】
運営:TeamDirection, Inc (Bellevue, WA)
開始:2002.10?
顧客数:300社に33,000ライセンスを販売
収益源:有料版(1ライセンス129$~  60日間の試用期間有)


【TeamDirectionの画面イメージ】
teamdirection3.gif

2006年10月26日

レビューポスター (レビュー記事掲載ツール)

reviewposter.gif 昨日、サイドフィードから、レビューポスターというサービスがリリースされましたので、早速使ってみました。
 
 サイドフィードと言えば、過去にも「あとで読む」や「フレッシュミーティング」をレビューした事がありますが、シンプルで使いやすいツールをたくさんリリースしている会社です。
 このレビューポスターもその例にもれず、使い方は非常にシンプル。

 レビューしたい記事をソーシャルブックマークで特定のタグにクリップして、そのアドレスをレビューポスターのボックスに入力するだけ。
 これだけで簡単にレビュー記事の一覧のブログ用バッジが作成されます。

 特に個人向けのツールなんかは、利用事例をわざわざ自社のサイトに作るのは面倒ですから、レビュー記事やブログ記事の一覧を、リアルタイムに利用事例やユーザーの声としてサイトで利用できるのは非常に便利です。


 ちなみに、レビューポスターでは、ソーシャルブックマーク以外のRSSを入力してもバッジを作ることができます。
 ので、例えば複数ブログを持っている人は、自分のあるブログの最新エントリーを別のブログに貼り付けたりするのに使っても便利そうです。

 うちの会社も、これまでマルチスケジューラの利用事例とかをちゃんと掲載できてませんでしたので、本日リリースしたマルチスケジューラについてのレビュー収集に、さっそく使わせてもらおうと思います。
(赤松さん、便利なツールをありがとうございます)


↓早速、過去のマルチスケジューラのレビュー記事をまとめてみました。
 皆さんも、よければマルチスケジューラへのご意見・ご要望をブログからお寄せ下さい。



マルチスケジューラのレビュー一覧
    ▼すべて表示
    generated by レビュー・ポスター

    マルチスケジューラにToDo機能を追加しました

    mulsche_logo.gif 本日、マルチスケジューラにToDo機能を追加しました。

     ToDo機能については以前から、多くの方からご要望を頂いていたのですが、有料版との兼ね合いもあり実装を悩んでいたと言うのが正直なところです。

     ただ、もともとマルチスケジューラは個人でも気軽に利用してもらえるように、無料配布をはじめたソフトですし
    、予定表機能だけではGTDのようなタスクリスト管理を実施することができませんので、ビジネスパーソンが個人で利用するスケジュール管理ソフトとしては物足りない感じもしていました。

     そこで社内の体制も整ってきたこともあり、今回、思い切って個人用のToDo機能をマルチスケジューラに追加することにしました。

     ToDoの共有機能については制限させていただいてますが、個人で利用するための「マイルーム」内ではプロジェクトAのToDo機能に実装している、作業時間の見積・実績管理機能や、グラフ機能、ステータス管理機能から履歴管理機能まで、全て全くおなじ機能を利用できます。
     是非試してみてください。

     もちろん、まだまだ個人で利用するのに足りない機能や、分かりづらい点があると思いますので、ご要望や不具合のご指摘はどしどしお寄せいただければありがたいです。
     ライフハック系のツールはウェブサービス全盛の時代ではありますが、アリエルとしてはPCにデータを保有するクライアントソフトとウェブサービスのメリットを上手く組み合わせたツール開発に、頑固にこだわっていきたいと思っています。


    最新版のマルチスケジューラのダウンロードはこちら

    mulsche_todo.gif

    2006年10月25日

    「Office2.0サービス」で儲かってそうな企業のリスト

    office2.0.gif CNETに「Microsoft Office」に挑む--Office 2.0サービスが狙う企業への普及」という記事がありました。
    そこで、どういうサービスのことをOffice2.0サービスと呼んでいるのか気になったので、Office 2.0 2006カンファレンスの参加企業一覧を調べてみました。

    なんと、驚くことにカンファレンスの参加しているベンダーだけでも130社。
    さらにカンファレンスに伴って作成されたOffice 2.0 DataBaseには、既に300近いサービスが登録されています。このデータを見ている限り、どうもOffice2.0という定義はいわゆるマイクロソフトオフィスのラインアップだけでなく、オフィス向けのWeb2.0サービス全般のことを言っているようです。

    実際にどういうサービスがあるのか気になったので、カンファレンスにスポンサーとして参加している企業からOffice 2.0 DataBaseに掲載されている企業をピックアップしてみました。
    単純なOffice2.0サービスのリストでは、個人運営やボランティア的なものまで含まれてしまいますが、スポンサー企業であれば、ある意味「宣伝にお金をかける余裕のある企業」と見ることができるので、また違った意味のあるリストになっているのではないかと思います。
    (もちろん投資を広告費に回しているだけのケースもありますから、厳密に儲かっている企業というわけではありませんが。)

    それにしても、このブログでいろんなサービスをレビューしてきたつもりですが、ほとんどカバーしきれていないのに改めてショックを受けます。
    日本で類似の表を作っても、空っぽの表になってしまいそうですが、今後日本でも類似のサービスが増えてくるのでしょうか。気になるところです。

    30Boxes

    オンラインカレンダーを提供
    自然文入力で話題になった。
    ■blogtronix

    企業向けブログ、wiki、SNSのサービスを提供
    ■caspio

    オンラインデータベースを提供
    Google Baseの高機能版のような感じ?
       
    ■Coghead

    ウェブアプリケーションの開発ツールを提供
    ■Collective X

    カレンダーやファイル共有などを統合したSNSを提供
    プライベートSNSみたいな感じ?
    ■ConnectBeam

    企業向けソーシャルブックマークサービスを提供
       
    ■DabbleDB

    オンラインデータベースを提供
    ■EchoSign

    オンラインドキュメント管理サービスを提供
    (ワークフローのような機能がある?)
    今回のOffice2.0カンファレンスで「Best of Show」に選ばれています
    ■foldera

    ファイル共有やカレンダー、タスク管理などを統合したウェブサービスを提供
       
    ■Google
    いわずとしれたGoogle。Office2.0の代表でしょう。
    Google Docs&SpreadsheetGoogle Calendar、Gmailをはじめ、多様なウェブサービスを提供。 
    ■iNetOffice

    iNetWordというオンラインワードプロセッサーを提供
    ■Joyent

    メールやカレンダー、アドレス帳などの統合ウェブサービスを提供
    今回のOffice2.0カンファレンスで「Best Office 2.0 Suite」に選ばれています
       
    ■Koral

    オンラインドキュメント管理サービスを提供
    ■netvibes

    パーソナライズドホームページを提供
    ■Pageflakes

    パーソナライズドホームページを提供
       
    ■preezeo

    オンラインプレゼンテーション作成ツールを提供
    ■SiteKreator

    オンラインホームページ作成ツールを提供
    Socialtext

    企業向けwikiソリューションを提供
    Enterprise2.0をキーワードにしている
      
     
    ■SugarCRM

    オンラインCRMサービスを提供
    ThinkFree

    ワープロ、スプレッドシート、プレゼンテーションなどのいわゆるオンラインオフィスソフトを提供
    ■vivapop

    オンラインカレンダーを提供
       
    ■WebEx

    自社のウェブ会議サービスにカレンダーや文書管理などを統合したサービスを提供
    YouSendIt

    オンラインファイル送信サービスを提供。
    宅ふぁいる便みたいなサービス?
    ■Zoho

    Zoho WriterZoho Sheetなどのオンラインオフィスサービスから、Zoho Projectなどの共同作業用ツールまで多数のウェブサービスを提供。

    2006年10月24日

    ソーシャルテキストが考えるエンタープライズ2.0市場の今後

    socialtextlogo.gif Read/Write Webに、「SocialText Aims To Be Best Of Breed Office Software」という、企業向けWikiを提供するSocialtextに関する記事が掲載されていました。

     以前、CNETにも「エンタープライズ2.0企業のソーシャルテキスト、MSの市場参入にもオープンソースで対抗」というCEOのRoss Mayfieldのインタビュー記事が掲載されていましたが、Socialtextは自分達のことをエンタープライズ2.0企業と定義しているそうで、下記のような発言をしていました。

     「Web 2.0は、基本的にコンシューマーユーザーに向けたサービスをウェブで提供することを指します。一方Enterprise 2.0は、Web 2.0のようにユーザー参加型で何かを作り上げるという点は同じですが、ビジネス用途に使われるものを作っていくのです。」

     今回のRead/Write Webの記事では、"free form social software adapted for enterprises"というもう
    少し細かいSocialtextのエンタープライズ2.0の定義が紹介されています。


     個人的に興味深かったのは、今後そのエンタープライズ2.0市場に参入してくると言われているマイクロソフト(Sharepointにブログをバンドル)やIBM(WebsphereにWikiのモジュールが追加)等のいわゆる大ソフト企業との比較についての発言。
     Rossは、Sharepointのような大企業の製品は"trying to be everything to everybody"、要はどんな顧客のどんな要望にも応えようとするので、WikiにおけるSocialTextJotspot、ブログにおけるSixapart、企業向けRSS事業のNewsgatorやAttensaのようなベスト・オブ・ブリードなアプリケーションは十分対抗しうると考えているようです。

     まぁ、大企業に対するベンチャーのアプローチという意味では、ある意味当たり前の話ではあるのですが、確かにこれまでの企業向けシステムというのは、比較的多くの機能を一つのシステムに詰め込む傾向が強かったように思います。
     そういう意味では、ウェブサービスが急速に進化している中、これまでの企業向けのシステムがそれに追いつくのに時間がかかっているのは事実で、各分野に特化した企業の方が全体を追いつこうとするよりも、それぞれのサービスの質を向上できるというのは感覚的にも良く分かります。

     ただ、そうは言っても、本当のエンタープライズ企業になると、コンシューマー向けのウェブサービスとはまた違った視点での機能や品質をシステム担当者が求めてきますから、そのあたりをどう埋めていくのかというのが課題になるような気もします。

     最近のWeb2.0的な技術の進化とか環境の変化みたいなものが、エンタープライズ市場にもそのうち大きな影響をあたえることになるのは間違いないとは思うのですが、はたしてエンタープライズ2.0という流れのリードを取るのがSocialtextのような新興企業になるのか、やっぱりIBMやMicrosoftのような大企業になるのかというのは気になるところです。

    2006年10月19日

    ソーシャルビジネスアプリケーションという考え方

     Read/Write Webに、The Marriage of Social and Business Applications(直訳するとソーシャルとビジネスアプリケーションの結婚)という記事がありました。
     長い記事なので細かくは読んでないのですが、記事の主張しているところを簡単にまとめると、SNSのようなソーシャルアプリケーションの特徴を、ビジネスに活用するアプリケーションに生かしているものをソーシャルビジネスアプリケーションと呼ぼうということのようです。

     確かに、通常のビジネスソフトでは使う人とデータという考え方はありますが、そこに人々とのつながりという考え方はあまりありません。
     最近は企業SNSなんかも流行ってきているようですが、もっと企業内にもソーシャルのアプローチは増えてきて良いように思います。


     記事では、Eメールをソーシャルかつビジネスに活用されているアプリケーションの代表例として取り上げていましたが、ソーシャルビジネスアプリケーションとは、そういうEメールの延長としてビジネスのコミュニケーションを支援するアプリケーションをイメージしているようです。

     記事でソーシャルビジネスアプリケーションの例として例示されていたアプリケーションは以下の4つ。

    Microsoft Live Meeting
    livemeeting_logo.gif
     Microsoftが提供するオンラインカンファレンスサービス。
     2名から数千名のグループで利用が可能。
     14日間の無料お試し期間有。
     
    Groove
    groove_logo.gif
     Microsoftが買収したP2Pコラボレーションツール
     複数のグループと併行して情報共有やチャットが可能。
     Microsoft Officeのラインアップに統合される予定。

    TeamDirection
    teamdirection_logo.gif
     SharePointやGrooveのプラグインとして動作するプロジェクト管理ツール?
     60日間の試用期間がある模様
     Windows2000かXPに対応

    Colligo
    colligo_logo.gif
     ノーツやSharePointのデータをPCに同期させてオフラインでも利用することができるようにするツール?
     単独でもファイル共有を行うことができるものもある模様。
     30日間の試用期間がある。
     
     
     Grooveは以前レビューもしましたが、後ろの二つは初めて聞きました。
     この記事を書いた人自身が、TeamDirectionの創業者のようなので、話半分に見る必要はありますが、今後の方向性の一つとして面白い指摘のように思います。

     特にTeamDirectionは、アリエル・プロジェクトAのアプローチとも似ている印象があるので、時間ができたらTeamDirectionとColligoをレビューして、参考にしたいと思います。

    2006年10月18日

    TimeTracker (ブラウザの表示時間を自動カウント)

    timetracker1.gif TimeTrackerはブラウザの利用時間を自動的に測定してくれるFirefoxのプラグインです。
    (同名で、タイマー機能のあるウェブサービスやプロジェクト管理ソフトもあるようなのでややこしいですが)
     海外のブログを見ていたら、紹介記事を見つけたので試してみました。

     時間を測定というと、以前ご紹介したSlimTimerのような作業時間を測定するためのサービスをイメージする人も多いかもしれませんが、このTimeTrackerが測定できるのはただ一つ「ブラウザの利用時間」のみです。
     なんだそれだけ、と思うかもしれませんがこれが意外に優れものです。

    timetracker2.gif

     単純にブラウザの起動時間を測定しているわけではなく、他のソフトを選択中はタイマーは自動的にストップ、仮にブラウザが選択されていても、60秒など設定した時間以上PCの操作がないとこれまたタイマーはストップ。
     つまり積極的にブラウザを利用している時間のみを、かなり正確に測定することができるのです。

     ちなみに、社内のグループウェアやGmailなど、業務で頻繁に使うウェブサービスを測定対象からはずすことも可能と、シンプルながらも結構高機能。
     残念ながらFirefox限定ですが、ニュースサイトやブログを読んでいたらいつの間にか時間が経っていた、というような事が多い人は、一度使ってみると面白いと思います。


    【TimeTrackerの主な機能】

    ・ブラウザ表示時間タイマー
     ブラウザを起動すると自動的にタイマーが作動
     ブラウザ以外を選択するとタイマーが停止
     一定時間操作がないとタイマーが停止
     自分でタイマーを停止・再開させることができる

    ・その他
     特定のサイトをタイマーの対象からはずすことができる


    【Time Trackerの概要】
    運営:Juan Casares 個人開発?
    収益:特になし? 


    【Time Trackerの画面イメージ】
    timetracker3.gif

    企業向けWeb2.0の代表Zimbra、有償顧客が400万人突破

    zimbra_logo.gif TechCrunchによると、Web2.0型のコラボレーションツールとして話題になったZimbraの有償利用者は、既に400万人を突破しているとのことです。
     無料のWeb2.0ツールでも10万人や100万人の登録者で喜んでいるのに、有償で400万人というのは立派ですね。

     Zimbraについては以前レビューしたこともありますが、Google Calendarなどよりも、はるかに前から非常に使い勝手の良いカレンダーUIを実現していましたし、AJAXを利用しているだけで話題になったアプリケーションとは一線を画していた印象があります。
     
     日本でも、Web2.0エバンジェリストとしても有名な小川さん率いるフィードパスが、住友商事と共同でZimbraを日本市場にも展開するという話ですから、今後の動向に注目です。


    TechCrunch Japanese アーカイブ » Zimbra: 有償ユーザー400万人、まだまだ増える

    「2003年にCaliforniaのSan mateoで設立されたこの会社は今日、有料で使われているZimbraのメールボックス数がオンサイト、ホスティング合わせて400万を越えたと発表した。 少ないようだが、まだ伸びているし、Microsoft Exchangeの1億5400万人シートと比べても十分に意味のある数字だ。」

    2006年10月17日

    プロジェクト管理上最悪のミスは何なのか?

     ちょっと古い記事ですが、CNETに「プロジェクト管理上最悪のミスは何なのか? 」という記事を見つけました。

    ■よくあるプロジェクト管理の失敗例
    1. 不適切なプロジェクト定義とプランニング
    2. スコープ変更管理の甘さ
    3. 作業計画を管理しない
    4. 不充分なコミュニケーション
    5. 品質管理の欠如

     記事の中では、「よくあるプロジェクト管理の失敗例」として上記の5つがあげられており、プロジェクト管理上最悪のミスとは1番目の「不適切な定義ならびにプランニング」であるようです。


     それに対する防止策として、下記の二つの部分に集中して取り組み事が必要だと論じられています。

    ・プロジェクトを定義する
     実際の作業を開始する前に、時間をとって、プロジェクトの目標、スコープ、前提事項、リスク、予算、時間枠、組織、そして全体のアプローチを定義すること。

    ・開発計画を立てる 
     プロジェクト管理者は、開発をスタートさせる前に、全体の作業プランを作成するべきだ。そうしておけば、プロジェクト全体で必要となる労力や期間の見積もりが楽になる。
     
     
     個人的に特に重要だと思うのは、やはりプロジェクトの定義ですね。
     開発計画は正直な話、ある程度の見積はできても正確な予測をするのは難しいですが。まぁ、それは前提として織り込んでおけば何とかなる範囲に収められるはずです。

     ただ、プロジェクトの定義がずれていると、間違った作業や意味の無い作業をしていたり、最悪の場合終わりがけになってちゃぶ台返しになったり、ということになりがちです。

     最悪のミスは何なのか?と書かれると、なんだか人間的に非常に間違った行為をとったときの話のように思われますが、実は意外に基本的な話なのかもしれません。
      

    2006年10月12日

    Zoho Virtual Officeは、オンデマンド型とローカル利用型でベータ開始

    zoho_logo.gif 10日にZohoの6つのサービスがシングルサインオンに対応したというニュースを紹介したばかりですが、今度はさらにウェブメールなどが追加されたフルセットの「Zoho Virtual Office」がリリースされたようです。

     今週はGoogle Docs & Spreadsheetもリリースされましたし、オンラインオフィスサービスのニュースがもりだくさんですね。
     オンラインワードとエクセルのみと機能が絞り込んであるGoogle Docsに対し、Zoho Virtual Officeは、メールやカレンダーの機能も追加されていますので、Zoho Virtual OfficeはGoogle Docsの対抗サービスというよりは、GoogleのGmailやGoogle Calendar等を含んだトータルのサービスに対する対抗サービスということになります。
     サービスのラインアップを見る限り、このままYahooやeBayにまとめて買収されてもおかしくないサービスのように見えてきますが・・・


     個人向けは無料で法人向けは有料というビジネスモデルを取るようですが、ASPサービスだけでなく、サイボウズのようなローカル利用版も提供するという点が興味深いところです。

     日本語版がないこともあり、日本ではあまり注目されていないZohoですが、サービスとしての完成度は高いので個人的には今後の動向に注目です。


    ウェブベース生産性ソフト「Zoho」がスイート化--「Zoho Virtual Office」発表 - CNET Japan

    「統合生産性アプリケーション「Zoho Virtual Office」が米国時間10月11日、ベータサービスとしてオンデマンド型とローカル利用型の両バージョンで登場した。
     Office 2.0カンファレンスを主催するIsmael Ghalimi氏によると、「Zoho X」とも呼ばれる同スイートは、ウェブベースのワードプロセッサをはじめ、Zohoの既存の各種オンラインアプリケーションを集めてウェブメールサービスを追加したものだという。TechCrunchとZohoの顧問を務めるZoli Erdos氏もこれに言及している。 」

    2006年10月11日

    ITmedia BizIDに「インターネット時代のお手軽英語勉強術」を投稿しました

    logo_bizid.gif ITmedia BizIDの連載コラム「デジタルワークスタイルの視点」に、新しいコラムを書きました。

     今回は、仕事の話からちょっとはなれて英語勉強術を取り上げてみました。
     勉強というと堅苦しいイメージがありますが、日々の情報収集のついでにやると意外に手軽に慣れてきますのでお試し下さい。


    ITmedia Biz.ID:インターネット時代のお手軽英語勉強術――リーディング編

    Google DocsにWritelyとGoogle Spreadsheetが統合

    google_logo.gif Googleが提供するオンラインワープロサービスのWritelyとオンラインスプレッドシートのGoogle Spreadsheetsが統合され、Google Docs & Spreadsheetsというサービス名称に変更されたようです。

     ながらくGoogle Officeの登場について議論がされてきましたが、このGoogle Docs & Spreadsheetsがその第一歩ということになりそうです。
     既にWritelyのアカウントにアクセスしようとすると自動的にGoogle Docs & Spreadsheetsに転送されるようになっています。

     ただ、個人的に気になるのは今回のサービス名称がGoogle Docs & Spreadsheetsとわざわざ複合型になっている点。
     Zohoのようにフルラインアップを揃えるのであれば、Google DocsとGoogle Spreadsheetsは別で立ててもよさそうなものですし、統合サービス自体にGoogle Officeなり統合名称をつけておいても良かった気がします。
     それとも、もうパワーポイントやデータベースのようなサービスをGoogle Docs & Spreadsheetsに追加で統合するつもりはないということの証なんでしょうか。
     気になるところです。

     機能自体は特に大きく変更にはなっていないようですが、折を見てレビューしてみたいと思います。


    ITmedia Biz.ID:Google版Office? 「Google Docs & Spreadsheets」のテスト開始

    「米Googleは10月11日、ワープロソフトと表計算ソフトを統合したWebベースアプリケーション「Google Docs & Spreadsheets」のβテストを開始した。
     Google Docs & Spreadsheetsはhttp://docs.google.com/から無料で利用できる。利用にはGoogleアカウントが必要。」

    ※CNETにも詳細の記事が掲載されました。
    グーグル、「Google Docs & Spreadsheets」ベータを発表
     「GoogleにはMicrosoftのOfficeによって独占されているデスクトップ生産性スイート市場からシェアを奪取するつもりはない」とのことですが、はたして将来はどうなるのでしょうか。
     

    2006年10月10日

    Zohoのオンラインオフィスでシングルサインインが可能に

    zoho_logo.gif Zohoのサービスにおいて、単一のサインインでサービスを利用できるようになったそうです。
     Zohoのサービスを使った事が無い人からすると、単一のIDで利用できない方がおかしい話ではあるのですが、いよいよZohoがオンラインオフィスソフトのフルサービスを提供する企業として本腰を入れ始めた一つのサインと言っても良いかもしれません。

     なにしろ、類似のサービスを提供している企業として代表的なのはWritelyを買収し、Google Spreadsheetを公開するなど、着実にオンラインオフィスのラインアップを揃えていると言われるGoogleです。
     この対抗サービスとして認めてもらうにはシングルサインインは必須と言えるでしょう。

     ちなみに、個人的にはこうしてサービスを統合することによって、買収の対象にもなりやすくなるように思います。

     今回シングルサインインの対象になっているのは、下記のサービスです。
    Zoho Writer(ワード)
    Zoho Sheet(スプレッドシート)
    ・Zoho Show(プレゼンテーション)
    ・Zoho Planner(Todoリストなどのオーガナイザー)
    ・Zoho Creator(データーベース)
    ・Zoho Chat(IM・グループチャット)

     レビューした事が無いサービスについては、時間ができたら使ってみたいと思います。


    TechCrunch Japanese アーカイブ » Zohoのオンライン・オフィススイート、単一サインイン可能になる

    「Zoho のオンライン・オフィススイートが昨年スタートして以来、われわれはその進展をずっとカバーしてきた。
    Zoho の開発チームは時折大きなアップデートをリリースする代わりに、(平均して毎月1、2回の割合で)随時新しい機能や修正を追加してきた。これは良いことだが、TechCrunchでは全部をカバーしきれない。Zohoのアップデートの最新情報に興味のある読者はZohoのブログを購読するようお勧めする。」

    2006年10月 5日

    Googleカレンダーの情報流出問題について考える

    google_logo.gif 大西さんのブログで取り上げられた、Googleカレンダーの公開設定の話が結構話題になっているようです。
     Web2.0系のカレンダーとして大きく話題になっていたところでしたから、あまり深く考えずに設定してしまう人がいるんだろうとは思っていましたが、大西さんのブログ記事を見て執筆されたと見られるZAKZAKの記事が、Yahooトピックで取り上げられていたのにはさすがに驚きました。

     情報流出というと、一時期Winnyウィルスによるファイル流出が話題になっていたのを思い出しますが、ウィルスのような悪意のあるソフトウェアによる被害に対して、今回のGoogleカレンダーのような利用者のリテラシー不足や勘違いによる情報流出問題というのは企業のシステム担当者にとっては更に難しい問題ですね。


     Googleカレンダーの特徴は、ウェブサービスならではの手軽さと、それによる不特定多数との情報共有がしやすい点にあると思いますが、その共有できることのメリットとデメリットをあまり理解せずに使う利用者が増えれば増えるほど、こういう話は増えてきます。

     特にこれまでのオンラインサービスに、公開が前提のものが少なかったのも今回のような問題の背景にあると思われます。
     特にGmailのように他人には見せないサービスと、Googleカレンダーのように他人にも公開できるサービスが混在し始めると、やはり利用者からすると混乱するところは多いのかもしれません。(とはいえ本当に素人であればわざわざ設定をデフォルトから設定するとは思えないので、ある程度知識のある方だとは思うのですが。)

     ただ、かといってそういう公開や共有を簡単にできないように作ると、今度は利用者の利便性が薄れてしまうという性質もありますから悩ましいところです。

     そのあたりを利用者にいかに直感的に分かるように作るかというのが、今後公開や共有を前提にしているソフトウェアやウェブサービスで重要というのを改めて確認させられる出来事でした。


    大西 宏のマーケティング・エッセンス:【警告】Googleカレンダーで情報流出?

    「無防備な人が多いには驚きます。Googleカレンダーで、まるでソーシャルブックマークみたいに公開設定をしている人が何人もいます。実に詳細な仕事のスケジュールが公の場にさらされており、このことを私どもの会社のスタッフが気づき、ぜひこのブログで警告してあげて欲しいというリクエストがありました。」

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    アナタの予定、丸見えに…グーグルカレンダー“大開放” ZAKZAK

    2006年10月 4日

    ITmedia BizIDに「名刺交換を無駄にしないための3つのポイント」を投稿しました

    logo_bizid.gif ITmedia BizIDの連載コラム「デジタルワークスタイルの視点」に、新しいコラムを書きました。

     今回はちょっと視点を変えて、名刺交換を取り上げてみました。
     意外に、名刺交換しただけで満足している人が多いようなので、そんな人は是非参考にして下さい。

    ITmedia Biz.ID:名刺交換を無駄にしないための3つのポイント

       

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