« 2008年4月 | メイン | 2008年6月 »

2008年5月30日

テレビとPCの融合と、ネットにつながったテレビの可能性は違うということ

 『近未来テレビ会議』で「みんなのテレビ」について考えたを読んで。

 先日、近未来テレビ会議に参加してきました(といっても、正確にはとんでもないトラブルを起こしてしまったため、イベント直前に品川→東京を往復する羽目になり、前半の話はほとんど聞けなかったのですが)ので、遅ればせながら感想をメモしておきたいと思います。


 今回テーマとして取り上げられていたのは、ソニーのBRAVIAで提供されているテレビのウィジェット機能「アプリキャスト」。

bravia.png

 いわゆるGoogle Desktopとか、Yahoo!ウィジェットみたいなことが、テレビで実現できてしまうと言う機能です。


 テレビを使ったインターネットというと、一時期話題になったテレビとPCの融合の話をついつい思い出してしまう人は多いと思います。
 人はテレビを見るときは後ろに向けて30度たおれ、パソコンを見るときは30度前かがみになるから、テレビとパソコンは目的が違うという出井さんの「30度の法則」が有名ですが、自分自身も確かにテレビとPCの用途は大きく違うため、どちらかというとテレビを見ながらPCを使うとか、併用することがほとんど。 

 インターネットテレビとかテレビパソコンとか、流行ったような流行らなかったようなというのが正直な印象ですし。
 テレビ業界とPC業界の両者の主導権争いという意味では大いに話題になりましたが、結局、テレビとPCは違う端末なのかなーというのが個人的な感想でした。
 正直、最近はテレビのインターネット機能からは興味を失っていたというのが正直なところです。

 
 ただ、今回のイベントや、先日開催された「ネットと家電のキャズムを超えろ!会議 Vol.2」に参加して改めて感じたのは、なにもテレビとPCを同じ端末として融合させなくても、テレビならではのインターネットへのつなぎ方というのはいろいろあるんだなーということ。

 30度の法則の言うとおり、テレビを見ている最中に前のめりになってテレビの画面で検索をバシバシするというのは、あまりないかもしれませんが。
 今回のアプリキャストのようにテレビの脇を、別のエリアとして使ってみた場合、その脇のエリアも、後ろに30度倒れている状態で役に立つネットのコンテンツを表示するということは可能なはず。

 必ずしも、インターネット=「PCの普段使いのように前のめりで利用するもの」、ではないわけですから、スポーツ中継の際の関連情報表示とか、気になる情報の検索とか、実はテレビならではのネットコンテンツの使い方というのは結構あるのかもしれないという気がしてきます。

 
 そういう意味でもアプリキャストのアプローチが興味深いのは、そのアプリケーション開発自体を一般の開発者にもオープンにしていこうとしているところ。

aplicast.png

 アプリ開発をオープンにすることで、多様な開発者のアイデアのプラットフォームとして機能し、様々な利用者のニーズを満たすというアプローチの可能性は、まさにSNSの分野でFacebookが、MySpaceを猛追するために実証してきたアプローチ。

 そのアプローチに、クローズドなプラットフォームという印象が非常に強かったテレビメーカーが挑戦しようとしているというのは、非常に興味深いところです。

 はたしてアプリキャストは、テレビウィジェットにおけるプラットフォームを形作り、開発者を呼び寄せることができるのか。
 もちろん、テレビの場合はウェブサービスと異なり実際の利用者の数が増えるのに相当な時間がかかるというハンデもありますから、そう簡単にはいかないと思いますが。

 意外なヒットアプリが生まれたり、ウェブサービスにおけるOpenSocialのようにメーカーでの横のつながりを早期に生み出していくことができたりすれば・・・といろいろと可能性は感じるところです。

 個人的にも、テレビこそは日本企業が反撃できるフィールドではないかと強く思っていたりするので、今後の展開に注目したいと思います。

アリエル・エンタープライズがモバイルワークフローシステムとして、テクノ菱和に導入

ariel_enterprise.png 昨日、「テクノ菱和が、モバイルコンピューティングによる情報共有環境を
「アリエル・エンタープライズ」で構築
」というアリエル・エンタープライズについてのリリースを行いました。

 アリエル・エンタープライズでは、ロータスノーツ移行対応と、パーソナライズドポータル的なグループウェア機能に加え、ワークフローシステムの機能強化に力を入れているのですが、今回のテクノ菱和さんでは、このワークフローシステムをモバイルなどの外出先からも実施できるように構築を行っていく予定です。

technoryowa.png

2008年5月23日

BLOGENTは、「アフィリエイト」を企業からブロガーへの「当前の御礼」にできるか

workstyle_voice.png もう先月の話になってしまうのですが、ソニーが新たに開始したアフィリエイトサービスBLOGENTの記者発表会に参加させて頂きました。

 その際の動画を大変遅ればせながら編集したので公開したいと思います。

 BLOGENTの特徴の詳細は、すでに記事を書かれている方々の下記の記事をご覧いただければと思いますが。
ソニーのアフィリエイト「BLOGENT」は、今更とか言わないでとりあえず入っとくといいかも
BLOGENT は8割への福音となるか?

 やはり、最大の特徴は、事前にサービス登録さえしておけば、あとは普通に普段のブログのエントリーで製品やサービスにリンクして紹介した際に、ポイントが貰える可能性があるという点でしょう。

blogent.png

 私自身はBLOGENTのイベントもお手伝いした立場なので、サービスに対して完全に中立というわけではないのですが。
 個人的な印象としては、BLOGENTのような仕組みが普通になって、アフィリエイトという行為が積極的にお金稼ぎをするという手段ではなく、ファンが企業の支援をする上で当然のようにもらえるポイントサービスのようなものになれば良いなーと思ったりしました。

 もちろん、他の人に製品を紹介する上で、その相手が製品を購入したりサービスを成約したことによって報酬がもらえるというのは、当然宣伝行為や営業行為。
 ただ、それはこれまでもメディア企業や販売代理店的な人達が行えば、当然の用に報酬を得ていた行為なわけで。

 いままで陰に日向に製品やサービスのクチコミの拡がりをささえていた一般利用者も、同じようなリターンを得るというのは、企業にとっても利用者にとっても、またBLOGENTを活用している人の記事を読んで製品を購入した読者にとってもメリットのあるポイントというのが探せるのではないかと思ったりします。

 そういう意味で、BLOGENTの報酬が現金ではなくポイントというのは、案外重要な点になったりするのかなーと。
 そんなことを感じた記者発表会でした。

 ちょっと実際にサービスを利用できるまでの、承認ステップが多すぎる気もしないでもないのですが、ソニーの製品に何かしら興味がある人はとりあえずBLOGENTに登録しておくと良いのではないかと思います


 既に詳細は記事になっている話ではありますが、せっかく編集したので興味のある方は動画もどうぞ。

【BLOGENT 発表会 コンセプト】

【BLOGENT 発表会 サービス概要】

2008年5月19日

SlideShare (パワーポイント版YouTubeと呼ばれるプレゼン共有サイト)

slideshare1.jpg SlideShareは2006年10月にリリースされたプレゼンテーションファイルの共有サイトです。
 最近目にすることが増えた気がするのでレビューしてみました。

 SlideShareは先日レビューしたドキュメント共有サイトScribdのプレゼンテーション特化型とでもいうべきサービス。
 PowerPointやOpenOfficeのプレゼンテーションファイルをアップロードして読み込ませることで、YouTubeと同じようにブログの記事やサイトにプレゼンテーションファイルを埋め込むことができます。

 類似の機能は、Google DocsZohoのプレゼンテーションサービスでも提供されているわけですが、SlideShareはファイルの編集はある程度無視して、プレゼンテーションを「見せる」ことにフォーカスしているのが特徴の模様。

 音声ファイルとプレゼンのスライドを同期することもできるようなので、UstreamStickamのようなストリーミングでのライブ配信や、テレビ会議系のサービスと競合することもあるのかもしれません。

 試しにファイルをアップロードしてみましたが、日本語も比較的問題なく利用できる模様です。

 また、興味深いのがイベント機能。
 基本的にはいわゆるSNSのコミュニティ機能なのですが、プレゼンテーションといえば、当然何らかのイベントで実施されることが多いわけで、日程軸で切ったコミュニティが作れるというのは案外使い道がいろいろありそう。
 自分の作成したスライドや、特定のタグを軸にウィジェットを作成してブログに貼ったりすることも可能で、ニッチな分野に上手く特化しているサービスといえそうです。


 ちなみに、SlideShareはアメリカとインドの両方にオフィスがあるそうで、Zohoと同様インド系の会社にも見えますが、創業者のプロフィールを見る限り筋金入りのシリコンバレーベンチャーという感じです。

 アドバイザーにはSocialtextのRoss Mayfieldや、Guy Kawasakiなんかの名前もありますから注目されるのも当然という感じもしますが、シリコンバレーのネットワークと、インドのエンジニアリングパワーを上手く活かして運営されている企業ということなのかもしれません。
 


slideshare2.jpg【SlideShareの主な機能】
・プレゼンテーションファイル共有機能
 PowerPointなどのファイルをアップロードして共有することができる
 共有したファイルをブログ等にはりつけることができる
 元ファイルをダウンロードさせることができる
 ドキュメントをお気に入り登録したり、コメントをつけることができる
 関連文書を表示することができる

・アクセス解析機能
 ファイルの表示回数を表示することができる
 ファイルのダウンロード回数を表示することができる

・ソーシャル機能
 友達を登録することができる
 友達だけにファイルを公開することができる

・コミュニティ機能
 グループを作成することができる
 グループ単位でファイルを共有したり掲示板で議論したりすることができる
 イベントを作成することができる
 イベントに関連するファイルを共有したり掲示板で議論したりすることができる
 
・その他
 自分のファイルや、タグ等で抽出したファイルをウィジェットにすることができる。

【SlideShareの概要】
運営:SlideShare (Mountain View CA & New Delhi,India)
開始:2006.10公開
収益源:広告


【SlideShareの画面イメージ】
slideshare.jpg

Facebookは日本拠点を作らずに日本に参入

facebook_logo.gif 日経新聞に、Facebook日本に参入したという記事が出てると話題になっていたので、ちょっとチェックしてみました。

 てっきり、何らかの日本企業との提携が発表されたのかと思ったのですが、そういうわけではない模様。
 以前に書いたようにFacebookの中身はすでに日本語対応していたのですが、今日の段階でログイン画面も日本語化されたと言うことのようです。
(日本からアクセスすると日本語ログイン画面に自動転送される模様)

facebook_japan.png

 日経の記事でも、「当面、日本には事業拠点を置かない方針だ」と明記されていますし、単純に日本語翻訳が終わったので発表したということのようです。
 
 日本展開については、独自の法人を設立したMySpaceでさえも、まだまだ試行錯誤を続けている印象ですから、単純にユーザーインターフェースを日本語化するだけでは認知度を上げるのは難しいような気もしますが・・・どうなんでしょうか。

 まぁ、今回日経新聞に掲載されたタイミングを見るとPRをやっている人は日本にいそうな雰囲気ですし、肌感覚としてはOrkutLinkedInなんかよりもFacebookの方がアクティブな日本人ユーザーは多そうな印象もあるので、まずは日本語インターフェースでどれだけ反応があるのか様子見という面もあるのかもしれません。
 
 まずはしばらく日本ユーザーの反応を見守りたいと思います。


※ CNETに詳細を分析した記事が出ていたので紹介しておきます。
Facebook創業者来日、日本語版は成功するか?

2008年5月16日

オープンを合い言葉にしたネットワーク囲い込み戦争は、まさに三国志

 GoogleとFacebookMySpaceの三つどもえのソーシャルネットワーク囲い込み競争が激しくなってきていますね。

 口火を切ったのは、MySpaceの「Data Availability」の発表。
 次は、それに負けじとFacebookが「Facebook Connect」を3日遅れで発表。
 さらにはGoogleが間髪入れずに「Friend Connect」をかぶせてきます。

 CNETの記事を並べて見るとこんな感じ。

マイスペース、米ヤフーやTwitterなどとプロフィール共有可能な新プロジェクト発表
Facebook、データポータビリティ技術「Facebook Connect」を発表
グーグル、「Friend Connect」を発表--ウェブサイトにソーシャル機能を追加可能に 

 MySpaceの発表がYahoo、eBay、Photobucket、Twitterという具体的なパートナーとの連携を元にしたものだったのに対し、Facebookの発表はあくまで開発者向けブログを通じたリークに近い印象で、サービス自体は「Facebook Connectは、今後数週間以内に利用可能となる予定」と未完成のようですから、開発中だったとはいえ、MySpaceの発表で前倒しになったのは間違いなさそう。

facebook_connect.png

 Googleも、提携サイトにFacebook、Hi5、OrkutLinkedInPlaxoあたりを並べてきたところを見ると、「FacebookやMySpaceが発表を行ってから、わずか3日でコードを作り上げるというようなことはしていない」という発言は正しいのでしょうが。
 まぁ発表タイミングが今になったのは、あきらかにライバルを意識してのものでしょう。

 
 ちなみに、個人的に興味深いのが、今回の駆け引きの三つどもえ具合。

 GoogleとMySpaceは、OpenSocialでは提携関係にあるのですが、今回の「Data Availability」では、MySpaceはYahooをパートナーに選んでいたり。
 GoogleのFriend ConnectのパートナーにはFacebookの名前が並んでいたのに、急にFacebookが不参加の意向を表明していたり。

friend_connect.png

 この猫の目のような提携関係の変化は、三国志を彷彿とさせるほどですね。
 どのサービスが何がどう違って、どうなっているのか、正直ついていけません。

 
 一つだけ間違いなく言えるのは、この駆け引きが「オープン」という錦の御旗を打ち立てた、各社の陣取り合戦であるということでしょう。

 インターネット上で圧倒的な強さを見せるGoogleが、持っていないとされる数少ない要素の一つが、利用者同士のつながりというソーシャルな要素。

 この発表の直前にGoogleのエリック・シュミットCEOが「ソーシャルネットワークは依然閉鎖的」と発言した記事がCNETに載っているのが、いかにも象徴的ですが、Googleとしては閉鎖的なMySpaceやFacebookを真にオープンにして、自らの得意な土俵に利用者を解放したいと言うことでしょう。
 それに対して、MySpaceやFacebookは、自らのスタンスでサービスを「オープン」にすることで、自社がもっている1億人とか7000万人の「ネットワーク」の強みを維持したまま勝負を続けていきたいはず。

 オープンになることのメリットよりも、各社の思惑の方が前に見えてしまって、なんだかせっかくの新しい取り組みも素直に楽しめないですね。


 まぁ、個人的には、高い壁に囲まれた城から出てこないなんて卑怯だ!的なロジックで相手を平原に誘い出そうとしているGoogleと、我が国はこのままでも平和で民も満足していると答えるFacebookとか想像すると、いかにも三国志という感じで楽しかったりするのですが。

 とりあえず一利用者としては、最終的に便利になることを信じて、つばぜり合いの収束を待ちたいと思います。

2008年5月12日

Orkut (ブラジルとインドで人気の、Googleが提供するSNS)

orkut1.jpg OrkutはGoogleが買収して運営しているSNSです。
 CNETでインドでも人気があるという記事を読んだので、久しぶりにレビューしてみました。

 Orkutを一言で表現すると、良くも悪くも「古き良き普通のSNS」という感じでしょうか。
 実はOrkutを初めてログインしたのは、mixiやGreeを知る前なのですが、正直今見ても、あまり本質的に変わっている印象が無いぐらい。

 基本的には友達を登録して、その友達を評価したりグループ分けしたり、紹介文を書いてみたり。
 あとは写真と動画をアップする機能があるぐらいの印象です。
 いつのまにか日本語対応していたぐらいが最も大きな違いでしょうか。


 正直、FacebookMySpaceのような賑やかなサービスに見慣れてしまうと、ちょっと寂しい印象もあるのですが、それでもブラジルやインドで人気を呼んでいるのはシンプルさとネットワーク効果というところなのでしょうか。
 一時は、Orkut経由でワームが拡がったりと悪い話ばかりが目につくような気もするのですが・・・
 どうも良くわかりません。


 特にLinkedInのように業界特化を目指すわけでもなく、PlaxoのPulseやFriendFeedのような他のサービスのポータルを目指すのでもなく、淡々としたSNSの機能だけが目につきます。
 Googleがこのサービスをどうしていきたいのか、というのは正直サービスを見ていても良くわからないですね。

 ただ、インドでもし利用者を集めることができているのであれば、インドの技術者にアプリケーションを開発してもらうことで、サービスの魅力がアップするというシナリオも無くはないですから、引き続きそれらの国でトップSNSの地位を維持できるかどうか、そのためのOpenSocial対応の仕方が、今後Orkutが話題の中心に戻ってこれるかどうかのポイントになってくるのかもしれません。
 


orkut2.jpg【Orkutの主な機能】
・ソーシャルネットワーク機能
 登録されているメンバーを友達登録することができる
 友達の一覧を表示することができる
 友達をグループ分けすることができる

・プロフィール機能
 自分の画像を設定することができる
 名前、生年月日、都道府県、職業等の情報を登録・公開することができる

・メッセージ機能
 メンバーにメッセージを送信することができる

・コミュニティ機能
 複数のコミュニティに参加することができる
 コミュニティを作成することができる
 コミュニティ内で掲示板や投票、イベント等の機能を使うことができる


【Orkutの概要】
運営:Google
開始:2004.2
収益源:広告?


【Orkutの画面イメージ】
orkut.png

2008年5月 9日

Facebookがいつのまにか日本語対応していたようです

facebook_logo.gif あすなろBlogの横田さんのmixi日記経由で知ったのですが、Facebookがいつの間にか日本語対応を開始していました。

 Facebookに登録済みの人は、右上のaccountメニューを選択し、Languageタブから「日本語」が選択できるようになっています。
 まぁ、Facebookのトップページはあいかわらず日本からアクセスしても英語のままですし、3rdパーティーのアプリケーションは英語のままですから、正式な日本語対応というにはまだ早いかもしれませんが、とりあえず基本機能は日本語で使えると言うことで一段落敷居が下がったと言えるでしょう。

 日本語で表示するとこんな感じで表示されます。

facebook_japanese.jpg

 まぁ、SNSというのはネットワーク効果が明らかに大きいので、Facebookが日本語対応したからといって、日本のSNSの勢力図が大きく変わるとは正直思えないのですが、いつの間にか私のFacebookのFriend数も116人に増えていたりするので、日本人にも注目されはじめているのは間違いなさそうです。


 ちなみに、個人的に興味深いのはこの翻訳作業が、ほとんど利用者の有志で実施されていること。
 翻訳用のアプリケーションをインストールすると、上記の画面の右端にあるような「Translations」用のメニューが常時表示され、いつでも翻訳作業に貢献できるようになります。

 ちなみに、現在のところ日本語のステータスはこんな感じ。

facebook_japanese2.jpg
 
 1,355人が翻訳者登録をしていて、すでに30,025のフレーズが翻訳され、あと353フレーズが未翻訳ということですね。
 このレベルであれば日本語を選択できるようにしても問題ないと言うことで、公開されたと言うことでしょうか。


 この翻訳機能自体は、4月1日に公開されたのですが、1ヶ月ちょっとで翻訳がほぼ終わってしまった(しかも無料で)というのは実に興味深いです。

 この翻訳アプリの掲示板自体でも、「Facebookは儲かってるんだから、みんなFacebookのために無料で奉仕するなんて馬鹿なことはやめようよ」的なポストがされて物議を醸していたりもするのですが、これだけ多くの人が営利企業の翻訳をボランタリーに手伝ってくれるというのは、やはりFacebookがそれだけ多くの人に愛されているという証拠と言うことができそうです。

 普通に企業のウェブサービスの多言語化というと、MySpaceTwitterの日本語版のようにサービス提供企業自体がコストをかけて翻訳をするのが一般的だったとおもいますが、Netvibesの翻訳は利用者のボランティアに頼っていましたし、日本でもkamicopiの多国語展開ではボランティアを募集していました。
 
 こういったオープンソース「的」なアプローチというのは、日本のウェブサービスが海外展開する際にも参考になる点が多いような気がします。

2008年5月 8日

Twitterは、大成功できるかどうかの分岐点にさしかかっているのかも。

twitter_logo.png ここしばらく、ニュースサイトでTwitter関連の話題が目につくように思います。

 日本で言えばなんと言ってもまずは日本語化のニュースですが、個人的に気になっているのはその後に続いたコアメンバー退職のニュース。
 CNETのニュースだけでも並べてみるとこんな感じ。

4月23日 Twitter、日本語版サービスを開始
4月24日 Twitterの技術者Blaine Cook氏が退社
4月25日 Twitterのエンジニアリング担当バイスプレジデントが退職
4月28日 Twitterが再び資金調達か--情報筋が明らかに


 ちょっとうがった見方をしてみると、たとえば日本版で広告が入ったことにしても、もともとTwitterの主要メンバーは安易に広告を入れることはしないといった発言をしていたように思いますが、どうもここに来ていろいろと社内的にも方針転換を始めていて、その関係で社内でいろいろあって、技術者が退職をし始めているのではと見ることもできてしまいそうです。(考え過ぎかもしれませんが)

 同時期に掲載されていたCNETのコラムでは、サービス障害に対する反応が後手に回るとFriendSterの二の舞になるのではないかという指摘もあり、FriendFeedのようなライバルとなる新興サービスが注目されているところを考えると、実際Twitterは大きな分岐点にさしかかかって来ているのかもしれません。


 Twitter的なサービスの魅力にとりつかれた人が大勢いて、Twitterが独り言チャット的なコミュニケーションのプラットフォームになっていることは間違いないと思うのですが、やはり課題はそのコミュニケーションのインフラを担うだけの資金を回すことができるかという点でしょう。

 YouTubeはその課題に直面する前にGoogleに買収されることができましたし、Google自身は同様の課題に直面していた時に検索広告という金脈を見つけることができましたが。
 現在のところTwitterについては、三回目の資金調達の話が出てくるぐらいで、買収の話はすすんで無い模様。

 類似サービスのJaikuが早々にGoogleに買収されていることを考えると、Twitterの選択肢は狭まっているようにも見えます。

 はたしてTwitterは今後どうなっていくのか、案外これからの1年ぐらいの間に結果が出ていそうな気がしてきました。

2008年5月 2日

チャットアグリゲーターのMeeboが日本展開を準備中?

meebologo.gif TechCrunchによると、チャットアグリゲーターのMeeboが新たに資金調達を実施したそうで、その出資元に日本の代表的なベンチャーキャピタルであるジャフコのグループ会社JAFCO Venturesの名前があったそうです。

 もちろん、あくまでVCとしての出資でしょうからそれだけをもってMeeboが日本展開するという話にはならないのですが、他にも韓国のVCも出資をしていたそうで、JAFCO Venturesのサイトにも「投資先企業のアジア市場進出をサポートするビジネス・デベロップメントの専門チームを備えており」という売り文句が書いてあったりしますから、まぁそれを見据えた出資という可能性は確かに高そうです。

meebo_jafco.png


 一般的にウェブサービスの日本展開というと、MySpaceTwitterのようにグローバルなサイトを日本向けには完全に日本語化してしまうというパターンと、Stickamのようにドメインも切り替えて別のサービスとして展開する場合がありますが、やはりMeeboの場合は既に日本語対応もされていますし、前者のパターンになるのでしょうか。

 ただ、Meeboの場合、先日日本版の展開を初めたTwitterのように日本に特にコアな利用者がいるわけでもありません。また、日本はそもそもIMの利用者数が多くなかったり、IMのシェアが異なったりと、いろいろ文化的な違いやハンデがあります。
 そもそも、meeboのトップページに出ているaimは日本でほとんど利用者がいませんし、yahooメッセンジャーもドメインが違うはず、とかいろいろ考えると別ドメインで別サービスという手もありな気はしますが・・・

 個人的にはMeebo Roomsのようなウェブにはれるチャットルームというのは、可能性を感じていたりするので、今後の展開を注目したいと思います。


TechCrunch Japanese アーカイブ » アップデート―Meebo、Jafco、Time Warner、KTBから$25Mを調達

「Meeboについての今日の記事のアップデート―MeeboがJafco Ventures、Time Warner Investments、KTB Venturesから3回目の資金調達ラウンドで$25M(2500万ドル)を調達したというニュースが公式に確認された。従来の投資家、Sequoia CapitalとDraper Fisher Jurvetsonも参加している。」

   

mini-banner-fix.gif

プロフィール


アリエル・ネットワーク
ブロガー 徳力基彦

Lijit Search

アーカイブ

   
Notes移行に
アリエル・エンタープライズ

スケジュール管理・
プロジェクト管理に

アリエル・マルチスケジューラ

 
Loading...