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2007年10月17日

「ネットワークが広がらない3つの理由」をBizIDに投稿しました。

logo_bizid.gif ITmedia BizIDの連載コラム「デジタルワークスタイルの視点」に、新しいコラムを書きました。
 よろしければ、是非ご覧下さい。

デジタルワークスタイルの視点:「徳力失敗事例」に学ぶ――ネットワークが広がらない3つの理由 - ITmedia Biz.ID
「「いろんなイベントやセミナーに参加しているけど、全然ネットワークが広がらない」という方が意外に多いようです。筆者の失敗事例から考えてみましょう。」

 ※記事へのアドバイスや感想など、フィードバックはこちらに是非コメントお願いします。

Netvibes UWAでNetvibesがウィジェットのオープン化に挑戦

netvibes_logo.png Netvibesがウィジェットの相互利用のインフラの地位獲得を模索中のようです。

 基本的なコンセプトは、Netvibes UWA(Universal Widget API)という仕組みをベースに、Netvibesのウィジェットを他のサービスでも利用できるようにするということのようで、すでにiGoogle、Apple Dashboard、Opera、iPhoneなどに対応し、今回新たにWindows Vista、Windows Live、Yahoo Widgetsに対応したと言うことのようです。
 最近あまりNetvibesをチェックしていなかったので気づきませんでしたが、たしかにEcosystemのページも知らない間にかなり充実しています。

netvibes_uwa.png

 ウィジェットの活用については片方向だけでなく、yourminisなどのAPIをNetvibes側で利用できるようにするという反対側の活動にも力を入れているようですね。

 スタートページとしては、iGoogleやNetvibesのようなサービスよりもFacebookの方が強いのではないかという見方も増えてきているようですが、このウィジェットのインフラ的位置づけというのはなかなか興味深いポジションです。

 Netvibesであればどんなサービスのウィジェットも使え、Netvibesのウィジェットであればどんなサービスでも活用できるという状況が作れるのであれば確かに理想的なポジションではありますが、同じようなことはGoogleやYahooも考えるでしょうから、はたしてそこまで話がうまくいくのか気になるところです。
(ただ、これによってNetvibesがYahooに買収される可能性は一段と上がった気もしますね)

NetvibesのウィジェットがGoogle、Vista、Macでも利用可能に:ニュース - CNET Japan

「Widget Summitに出席しているNetvibesの最高経営責任者(CEO)Tariq Krim氏は米国時間10月15日、「Widget Summitの講演で、NetvibesウィジェットがVista、Live.com、Yahoo Widgets上でも動作するようになったことを発表してきたところ」とTwitterに書き込んだ。」

2007年10月16日

LinkedIn (履歴書公開をベースとした人脈SNS)

linkedin1.png LinkedInは、ビジネスの人脈ネットワークに特化したSNSです。
 歴史のあるサービスで今更レビューするのも何なのですが、日本参入の話もありますし、Facebookに最近地位を脅かされているという話もあって気になったのでレビューしてみました。

 LinkedInは、一般的な日本人が持っているSNSのイメージとは、かなりかけはなれているサービスといえるかも知れません。
 サービスの中心となっているのは履歴書情報。
 どこの会社に所属しているとかいう簡単なものではなく、いつからいつまでどういう職場でどういう仕事をしていたのか、履歴書そのままの詳細な情報を書き込むのが前提になっているサービスです。

 サービス内で新規ポストの募集をしたり、ヘッドハンティングの声をかけたりというのが前提のサービスなので、どちらかというとSNS機能のある就職情報サイトという方が分かりやすいかもしれません。


 クローズドにプロフィールが閲覧できるだけでなく、こんな感じで自分の履歴書をウェブ上に公開することもできます

linkedin3.png

 一言で言うなら、履歴書公開サービスという感じでしょうか。

 まぁ、この辺は転職に対する意識が日米で相当違いますから、こういったサービスがそのまま日本で流行るとは思えませんが、会員数はすでに1400万人を超えているようで、着実にその地位を確立してきているのを感じます。
(ただし、先日の発表によると日本人の登録者数は7万人程度だそうです。このあたりが日本語展開でどうなるかというところでしょう。)


 専用のOutlookツールバーや、ブラウザツールバーなども提供されており、Plaxoとの連携なども実現しているようで、さすがに歴史のあるサービスらしく充実した機能が提供されています。

 特に面白いのが、渡辺千賀さんのブログでも紹介されていた「You may know these people」というお勧めリンク紹介機能。
 
 何人か知り合いをリンク登録すると、この人も知り合いではないですか?と紹介されるのですが、この精度がいやに高くて正直心配になるぐらいです。
 
 確かにfacebookにもこういった履歴機能は実装されていましたし、登録者数やアプリの開発状況を考えると、facebookにLinkedInと類似の機能が実装されるのはそう遠くないのかも知れませんが、利用者の多いコミュニティというのは逆にノイズも多くなりやすいわけで、LinkedInのこういった細かい機能や明確な立ち位置を考えると、なかなかどうして腰が強そうな気もします。

 ちょうど昨日のTechCrunchでは「Facebook、LinkedInを照準に捉える」と書かれてしまっていますが、はたしてどうなっていくのか、この分野はなかなか注目です。


linkedin2.png【LinkedInの主な機能】
・ソーシャルネットワーク機能
 登録されているメンバーを友達登録することができる
 友達の一覧を表示することができる
 友達を推薦することができる

・プロフィール機能
 自分の画像を設定することができる
 名前、生年月日、都道府県、職業等の情報を登録・公開することができる
 細かい経歴や職務履歴を入力して公開することができる。

・メッセージ機能
 メンバーにメッセージを送信することができる
 他のメンバーにメッセージを送信することができる(有料)

・その他
 採用の募集をすることができる 


【LinkedInの概要】
運営:LinkedIn Corporation 
開始:2003?
収益源:有料サービス、広告


【LinkedInの画面】
linkedin.png

2007年10月15日

Facebook (次のインターネットOSと注目されるSNS)

facebook.png Facebookは、最近米国で一気に注目が高まっているSNSです。
 このブログとしてはあまりSNSをレビューする気はなかったのですが、Facebookはどうも位置づけが違うようなのでレビューしてみました。

 正直、Facebookについては学生向けSNSとして始まったぐらいの知識しかなかったのですが、2006年9月にサービスを学生以外にも解放した後、今では4600万人を超えるアクティブユーザーがおり、毎日20万人が登録するほどの勢いで会員数を増やしているようです。

 なにしろ、Microsoftの出資次第では、現在の企業価値は1兆円を超える金額になる可能性もあるそうで、ネットバブルを引き起こすきっかけになるのではとさえ言われているほど。


 正直、始めてアカウントを作ったときには、mixi同様のクローズドなSNSという印象で新しさを感じなかったのですが、どうやら最近の人気の背景にあるのはプラットフォームを開放し、誰でもFacebook上で動作するWidgetを開発できるという路線を取ったところにあるようです。
 現段階で公開されているアプリケーションはなんと5649個。
 developer向けサイトも立派です。

facebook3.png

 ざっと見ただけでも、TwitterJaikuPownceGoogleカレンダーMediaFireBox.netZohoなど、これまでにこのブログでレビューしたようなサービスの多くがFacebookで動作するアプリやWidgetを開発しています。

 人気のあるものでは、200万人以上がアクティブに利用しているようですから、Facebookアプリで起業する会社があるというのも納得です。
 以前にFacebookとiGoogleNetvibesのようなスタートページが競合するという記事を見てピンと来てなかったのですが、これだけカスタマイズできると言うことは確かにこれは立派なスタートページです。
 逆に言うと、最初から友人とのソーシャルな関係が構築されているだけに、スタートページでは持ちにくい友人の情報が手軽に出せることを考えると確かにFacebookの方が本命ですね。

 また、クローズドなSNSなのに、下記のようなアバウトミーや、iddyZikiのようなプロフィールサービスっぽいブログパーツを提供していてオープンな雰囲気を感じさせるのも興味深いところ。

 

 どうやら私は、重要なサービスの進化をすっかり見落としていたようです。

 ちょっと英語のインターフェースで分かりづらいところもあるのですが、まだ試されていない方は是非一度試されることをお勧めします。


facebook2.png【Facebookの主な機能】
・ソーシャルネットワーク機能
 登録されているメンバーを友達登録することができる
 友達の一覧を表示することができる
 友達とどのように出会ったかを登録することができる

・プロフィール機能
 自分の画像を設定することができる
 名前、生年月日、都道府県、職業等の情報を登録・公開することができる
 プロフィールに複数のアプリケーションやWidgetを表示することができる

・ネットワーク機能
 地域や大学、企業などのネットワークに参加することができる

・メッセージ機能
 メンバーにメッセージを送信することができる

・グループ機能
 グループ(コミュニティ)を作成することができる
 グループ内でアルバムや動画、掲示板等の様々な機能を使うことができる

・その他
 様々なアプリケーション、Widgetを使って機能を追加することができる


【Facebookの概要】
運営:Facebook (Palo Alto, Calif)
創業者:Mark Zuckerberg, Dustin Moskovitz, Chris Hughes
開始:2004.2
収益源:広告?


【Facebookの画面イメージ】
facebook1.png

2007年10月11日

マイクロブログに、GoogleがJaiku買収で本格参入

 GoogleがTwitterクローンの筆頭であるJaikuを買収したようですね。
 やたらと自分のJaikuアカウントからFriendのAdd依頼が来るようになったので遅ればせながら気がついたのですが、ちょっとしたJaiku招待祭りが起こっているようです。

 Googleに買収された小規模ベンチャーは、完全にウェブサイトをクローズしてしまうケースもありますが、Jaikuの場合は新規登録自体は閉じた状態で、サービス自体はそのまま継続し、GoogleとJaikuの開発陣による新規サービス開発に注力する模様。

jaiku_google.png

 買収後にブランドが残ったYouTubeほどはJaikuのブランド力は高くないですから、ケースとしてはWritelyのようにGoogleブランドのサービスが完成次第サービスが統合されるイメージでしょうか。

 GoogleにはTwitterの類似サービスとしてdodgeballなんてサービスもありましたが、ここのエンジニアはGoogleにたいして明確な不満を表明して退社してましたから、今後はJaikuがdodgeball.comの穴もカバーすることになりそうです。


 ちなみに、全体の流れを見るとTwitterの買収が合意に至らずJaikuを選択したのではないかという気もしてきますが、気になるのは今後GoogleがTwitterクローンを開始することによってTwitterとの力関係がどうなるのかという点でしょう。

 以前にPownce">Twitterクローンの比較の記事でも書きましたが、少なくともAlexaで見る限り、JaikuはTwitterのライバルどころか後発のPownceにも抜かれていた(最近はPownceもブームが落ち着いてきているようですが)というのが実際の状況。

twitter_graph.png

 Twitterコミュニティのエネルギーとか、ネットワーク外部性的なことを考えると、Googleが買収したからと言ってそう簡単には逆転できるものではないような気がします。

 まぁ、Alexaのグラフを見る限り、Twitter自体も踊り場に来ているという見方もできますから、負荷対策が最優先でTwitterがたいした機能追加ができずにもたもたしている間に、Googleがマイクロブログサービスに何か新しいブレイクスルーを起こして一気に追い抜くというシナリオもあり得なくはないでしょう。

 一方のTwitterはテキスト広告の実験をしながら収益モデルを模索する構えのようですが、これで買収先の候補として有力な選択肢が確実に一つ消えてしまったわけで、苦しい立場に追い込まれたのは間違いなさそうです。
 まぁ、Yahoo!に買収してもらうか、収益モデルを確立するか、という選択肢での時間との闘いというところでしょうか。

 マイクロブログの実際の主戦場はモバイルでしょうから、そのあたりの両社の戦略にも注目したいところです。


グーグル、Twitterのライバル企業Jaikuを買収へ:ニュース - CNET Japan

「Googleは、フィンランドのヘルシンキを拠点とするモバイルソーシャルネットワーキングプロバイダJaikuを買収する。Jaikuは、Twitterの競合企業としても知られている。
 買収は、Jaikuのウェブサイトで次のように発表された。」

2007年10月10日

「目的別ファイル転送サービス」をBizIDに投稿しました。

logo_bizid.gif ITmedia BizIDの連載コラム「デジタルワークスタイルの視点」に、新しいコラムを書きました。
 よろしければ、是非ご覧下さい。

デジタルワークスタイルの視点:目的別にファイル転送手段を使い分けてみよう - ITmedia Biz.ID
「メールでは送れないような大容量ファイルを送るだけでなく、“小さなたくさんのファイルを送りたい”ことや“とにかく簡単に送りたい”とこともあります。今回はそんなニーズに対応したWebサービスを紹介します。」

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2007年10月 9日

「Zohoがバーチャルソサイエティを変える」プレゼンの様子

zoho_logo.gif 先週末、アドベントネット株式会社が開催するZohoのイベント、Zoholics! 2007にお邪魔してきました。

 横浜駅についたところでタイミング悪く夕立にあい立ち往生してしまったので、序盤の30分以上を見逃してしまったのですが、なんとか代表の山下さんのプレゼンには間に合うことができました。

 様子を見るためのショートバージョンと、内容を聞くためのロングバージョンを編集してみましたので、興味のある方はこちらをどうぞ。

【ショートバージョン】

【ロングバージョン】


 ちなみに、Zohoというと、インド系の会社でシリコンバレーでも活動中というぐらいのイメージしかないのですが、実は日本法人も2001年設立と歴史があるようです。 
 もちろん、これまでは法人向けの活動が中心だったようで、Zoho自体の活動はまだまだ始めたばかりという状況のようですが、なんでも今年はインターンをはじめ、かなりZohoチームを増強している模様。
 
 日本に開発チームがいるWeb2.0系ウェブサービスの会社というのは少ないですから、今後どのようになっていくのかは注目したいところです。

 なにしろ、Zohoといえば、いまやサービスの数は16を超えるそうで、オフィス連携プラグインや、Google Docsより早いGoogle Gears対応、facebookやiPhone連携からOmnidrive連携等、実にフットワーク軽くサービス開発をしています。
 それが本格的に日本展開して来るとなると、今後日本のウェブサービスにおいても台風の目になってくる可能性も十分あるでしょう。

 
 ただ、個人的に気になるのは、やはりZohoのビジネスモデル。
 なんといってもZohoのメインサービスであるOfficeソフト系ウェブサービスの最大のライバルは、GoogleのGoogle DocsとMicrosoft自身でしょうが、どちらも広告サービスやOSと別の収益源がありつつのウェブサービス開発になります。
 その点Zohoは、その企業規模からするとどうしてもウェブサービス自体から収益を出さないと行けないはずで、ある程度有料サービスで開発費をカバーしないといけない計算になります。

 37SignalsのBackpackのようにある程度企業向けに集中すれば、収益のバランスはとりやすい気もするのですが、Zohoはコンシューマー向け無料サービスを継続すると強気な発言をされていましたので、そのあたりの戦略が気になるところです。


 個人的には、ウェブサービスを買いあさっているYahoo!がZohoを買収するというのは結構ありそうなシナリオのような気もしているのですが・・・そのあたりはThinkFreeとか他の選択肢もありそうですから、今後の動向次第という感じでしょうか。

 まずは、今年のZohoの日本展開に注目したいと思います。
 

 当日の詳細は参加されていた記者の方々が記事にされていますのでそちらをどうぞ。
Zoho、2007年中に全サービスを日本語化 - ITmedia Biz.ID
オンラインオフィスツール群「Zoho」はウェブ版エクスプローラを目指す:ニュース - CNET Japan

2007年10月 4日

「Launch Padで一気に認知度向上」は日本でも機能するか?

 海外のIT系ベンチャーを見ていると、「Web 2.0 Summit」とか「DEMO」とか最近だと「TechCrunch40」のようなカンファレンスで自社のサービスをアピールして一気に認知度を向上させる、なんていうのが徐々に浸透してきている感じですが。

 日本でも、そんなプラットフォームが増えてきているようです。

 一つはOreillyが主催して11月に開催されるWeb2.0EXPOのLaunch Pad

web20expo.png

 私が気づいたときにはもうすでに締め切られてしまっていたのですが、4社の企業が10分間のプレゼンテーションの時間を与えられるそうです。どこが選ばれたのか気になるところですね。

 Web2.0EXPOでは、Tim O'Reilly と伊藤 穰一氏の対談があったりしますから、関係者の注目を集めたり、メディア露出を得るには良い機会かもしれません。
 他にも、このブログでレビューしたことのあるZimbraがプラチナスポンサーで入っていたり、Zohoが出展をしたりするようですから、そのあたりも気になるところです。


 ちなみに、締め切りまでまだ余裕があるLaunch Padが、Infinity Ventures Summit 2007 Fall のLaunch Pad

ivcs.png

 見た感じ主催者の小林さんのブログでしか公開されていないようですが、こちらは前身であるNILSでの実績もありますし、参加者の充実ぶりは有名ですから、そっち方面の人たちに知ってもらいたいというサービスにはオススメですね。
 
 会場がシーガイアなので、交通費等のコストがかかるのが敷居が高いところではありますが、完全招待制のイベントに参加できるようになるだけでも十分価値があるように思います。
 ちなみにLaunch Pad 優勝者には100万円を超える高級時計が賞品として提供されるそうです。
 10月末が閉めきりになっているようなので、我こそはと思う方は申し込んでみてはいかがでしょうか。

2007年10月 2日

クラウドソーシング的アプローチは、案外日本の文化に合っているんじゃないだろうか

ネットで集まった開発グループによる鼻歌Q&Aサービス「Hanauter.com」:ニュース - CNET Japanを読んで。

 個人的にもメンバーとして入れてもらっている「わくわくオープンラボ」が開発したHanauter.comが無事サービスをリリースしたようです。

 このわくわくオープンラボは、個人的に注目しているコンセプトであるクラウドソーシング的仕組みで動いている団体というかプロジェクトというかという不思議な組織。

wakuwaku_lab.png

 もともとは、保田さんのブログでの「ちょーちょーちょーいい感じ:ネット事業を立ち上げたい:一緒にやりません?」発言がきっかけで、様々なメンバーが集まり、何度かミーティングをしながら、いろんな紆余曲折があったものの、ついに実際のサービスを立ち上げてしまったのだから凄いです。

 私自身は自分がAMNに関わるようになってすっかり余裕が無くなってしまったので、メンバーの末席を汚している程度でほとんど何も貢献できていないのですが、開発合宿等の地道な活動を続けてついにサービスを、しかも英語で立ち上げてしまったというのには本当にびっくりです。
 

 
 光栄にも、CNETの記事の中で、保田さんにクラウドソーシングのコンセプトを話した人間として紹介していただいたのですが、個人的にはこのクラウドソーシング的なコンセプトには深い思い入れがあります。

(まぁ、もともとクラウドソーシングという言葉は、「群衆(Crowd)にアウトソースする」という造語なので、意味としては社内の業務の一部を社外の集団に委託するイメージなので、私がイメージしているみんなで何かを生み出すということ自体をクラウドソーシングと呼ぶのかどうかは異論がある向きもあるみたいですが。Cambrian Houseというわくわくオープンラボが参考にしたサービスでは「Home of Crowdsourcing」と書かれているので、こちらのイメージで。)

 
 今や、インターネットを通じて私たちのワークスタイルは大きく変化しようとしていますが、企業と社員の雇用関係には実はそれほど変化はありません。
 
 大企業の中にいれば人事異動で仕事が変わるのはせいぜい数年に1回。
 自分がどういう仕事に本当に向いているのかはっきりとは分からないまま、自分の力を試す機会や、新しいことにチャレンジするチャンスがなかなか無いと感じている人はたくさんいるはずです。
 

 かたやウェブサービスを生み出すためのコストはチープ革命の影響もあってウナギ下がり。
 いまや、個人で数万人が使うウェブサービスを開発するなんてのも難しい話ではなくなりました。
 ただ、かといってそういったエンジニアの人たちのだれもが、マーケティングやPRを効率的にできるわけではありません。

 また、いきなり誰もが人生をかけて起業できるかと言ったら、それもなかなか難しいでしょう。
 Web2.0系のサービスをマネタイズするのはやはり相当難しいという印象ですし、海外はまだGoogleやYahooに買収してもらうという出口が見えますが、日本ではそれも望めそうにありません。


 そこで、個人的に期待しているのがクラウドソーシング的なアプローチです。
 もちろん副業規定という壁はありますが、大企業の中で自分の力を持て余していたり、今の仕事とは違うことにチャレンジしてみたいような人たちの力が集まれば、結構なエネルギーになるはずです。

 当然、立ち上げたサービスを本格的に事業として立ち上げていくためには、また違うエネルギーが必要になるとは思いますが、まず最初の一歩として踏み出すのであれば、エンジニアが一人でサービスを開発するだけでなく、それ以外の事業的な要素を、様々な人がちょっとした自分の時間を使って何かの事業を支援するという仕組みは十分ありえるのではないかと思ったりします。

 ヘッドハンターや人材会社のかたに話を聞くと、よく日本は米国に比べるとまだまだ大企業の人材がベンチャー企業など外に出てこないという話になりますが。

 日本の大企業の人材を無理に転職させなくっても、大企業の中からベンチャー企業をクラウドソーシング的に支援するというのを流行らせる方が、案外日本人の文化というか気質のようなものにあっているのではないかと、Hanauter.comのリリースを横目で見ながらそんなことを思ったりする今日この頃です。


 まぁ、実際問題、FPNニュースコミュニティも、考えてみればクラウドソーシング的に運営されているサイトですし、現在AMN自体でも似たような実験をしているので、私が個人的にクラウドソーシングだとか、P2Pだとか、そういったアプローチにとりつかれているだけかもしれませんが・・・

   

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