CNETの記事でNetvibes社長のNILSでのプレゼンを紹介した記事がありました。
その中で気になったのが「ウェブこそが次のOSになる」と言う発言。
これまでも、現在のPCのOSに変わるものとしてウェブOSなるものが議論されているように思います。GoogleのGoogle OSの噂は以前からありますし、PCのデスクトップ環境をインターネット上に再現するウェブデスクトップサービスも、YouOS、eyeOS、StartForceなど多岐にわたっています。
ただ、最近なんとなく思っているのが、真のウェブOSというのは、ウェブデスクトップ的なクローズドなサービスではなく、NetvibesやiGoogleのようなスタートページなのではないかと言うことです。
ウェブデスクトップサービスでは、アプリケーション自体をサービスの中に開発しようとする傾向が強いように思われるのですが、実はそのアプローチと言うのはPCのデスクトップ環境を劣化コピーしているだけで、インターネットのオープンさを活かせていない気がします。
実際には利用者は、仮に何かのウェブデスクトップをファイル保存に使ったとしても、スプレッドシートはGoogle Docsを使ったり、プレゼンにはThinkFreeを使ったり、カレンダーにはGoogle Calendarを使ったりと、利用者の好みや状況に応じて使うウェブサービスを分けるはず。
そういう意味ではウェブOSとして必要なのは利用者が普段使うサービスを一元的に見ることができる入り口だけなわけで、スタートページに各ウェブサービスの最新情報や更新状況が表示されれば十分なはずです。
さらにスタートページに表示しているウィジェットを、ブログパーツにしてみたり、Adobe AIRなどを通じてデスクトップウィジェットにしてみたりと、自社に閉じている傾向の強いウェブデスクトップに比べ、スタートページはオープン。
実際問題、利用者の増加数なんかを見ても、ウェブデスクトップが数万人の登録者で苦戦しているのに対し、スタートページの分野はNetvibesの1000万人を筆頭に、PageflakesやWebwagもそれなりに伸びているように見えますし、ウェブデスクトップを中心にしていたgoowyがスタートページのyourminisを始めたあたりにも、ウェブデスクトップよりスタートページの方が有望という流れが見える気がしてきます。
日本ではまだまだスタートページ、パーソナライズドページは注目されていないようですが、今後やはりこの分野は注目なのではないかと改めて感じます。
「ウェブこそが次のOSになる」--Netvibesが目指すポータルの未来像:ニュース - CNET Japan
「5月24~25日に開催されたテクノロジー系ベンチャー企業の経営者やベンチャーキャピタリストなどが集まるイベント「New Industry Leaders Summit 2007 Spring」(NILS)。最終セッションは、初のフランス参加者となるNetvibes.comの創業者であり最高経営責任者のTariq Krim氏が登場した。」