2007年7月18日

真のウェブOSとなるのは、ウェブデスクトップではなくスタートページかも

netvibes_logo.png CNETの記事でNetvibes社長のNILSでのプレゼンを紹介した記事がありました。

 その中で気になったのが「ウェブこそが次のOSになる」と言う発言。
 これまでも、現在のPCのOSに変わるものとしてウェブOSなるものが議論されているように思います。GoogleのGoogle OSの噂は以前からありますし、PCのデスクトップ環境をインターネット上に再現するウェブデスクトップサービスも、YouOSeyeOSStartForceなど多岐にわたっています。

 ただ、最近なんとなく思っているのが、真のウェブOSというのは、ウェブデスクトップ的なクローズドなサービスではなく、NetvibesiGoogleのようなスタートページなのではないかと言うことです。


 ウェブデスクトップサービスでは、アプリケーション自体をサービスの中に開発しようとする傾向が強いように思われるのですが、実はそのアプローチと言うのはPCのデスクトップ環境を劣化コピーしているだけで、インターネットのオープンさを活かせていない気がします。

 実際には利用者は、仮に何かのウェブデスクトップをファイル保存に使ったとしても、スプレッドシートはGoogle Docsを使ったり、プレゼンにはThinkFreeを使ったり、カレンダーにはGoogle Calendarを使ったりと、利用者の好みや状況に応じて使うウェブサービスを分けるはず。
 そういう意味ではウェブOSとして必要なのは利用者が普段使うサービスを一元的に見ることができる入り口だけなわけで、スタートページに各ウェブサービスの最新情報や更新状況が表示されれば十分なはずです。


 さらにスタートページに表示しているウィジェットを、ブログパーツにしてみたり、Adobe AIRなどを通じてデスクトップウィジェットにしてみたりと、自社に閉じている傾向の強いウェブデスクトップに比べ、スタートページはオープン。

 実際問題、利用者の増加数なんかを見ても、ウェブデスクトップが数万人の登録者で苦戦しているのに対し、スタートページの分野はNetvibesの1000万人を筆頭に、PageflakesWebwagもそれなりに伸びているように見えますし、ウェブデスクトップを中心にしていたgoowyがスタートページのyourminisを始めたあたりにも、ウェブデスクトップよりスタートページの方が有望という流れが見える気がしてきます。

 日本ではまだまだスタートページ、パーソナライズドページは注目されていないようですが、今後やはりこの分野は注目なのではないかと改めて感じます。
 

「ウェブこそが次のOSになる」--Netvibesが目指すポータルの未来像:ニュース - CNET Japan

「5月24~25日に開催されたテクノロジー系ベンチャー企業の経営者やベンチャーキャピタリストなどが集まるイベント「New Industry Leaders Summit 2007 Spring」(NILS)。最終セッションは、初のフランス参加者となるNetvibes.comの創業者であり最高経営責任者のTariq Krim氏が登場した。」

2007年7月13日

ソーシャルブラウザ「Flock」が着々とバージョンアップ中

flock.gif ちょっと気がつくのが遅くなったのですが、ソーシャルブラウザ Flockの0.9がリリースされていたようです。
 FlockはFirefoxをベースにした、Web2.0的ブラウザとしてリリース当時には相当話題になったのですが、リリース後には話題が沈静化。正直、存在を忘れかけていたところでした。

 実際、昨年の8月の時点でバージョン1.0が秋に出るはずだったのが、ようやく1年たって0.9という状態ですから、いろいろ苦労しているのも伺えます。

 が、0.9を入れてみると、今度のバージョンアップでは着々とそのビジョンを体現してきているのが伺えます。

flock09.png

 もともとお洒落だったデザインにはさらに磨きがかかり、他のサービスとの連携もFlickrやPhotobucketのような写真共有サイトだけでなく、YouTubeのような動画共有サイトとも連携できるようになりました。

 相当イメージが変わっているので、細かい機能までは触っていないのですが、今回追加された「My World」では、「Flickrなどのオンラインサービス上に置かれた写真 / ビデオや、WebサイトやWebフィードの新着情報をまとめて表示するページ」が作成されていて、スタートページとしても結構便利そうな印象です。
 
 もちろん似たようなことはNetvibesiGoogleなんかでも実現できるので、それだけではブラウザを乗り換えるインセンティブにはなりませんが、他にもGoogle Notebookが進化したようなWebclipboardが実装されていたりと、複数の細かい機能がそういったWeb2.0サービス的に最適化されていて、インストールしたらいきなり、かなりカスタマイズしたFirefoxと似た状態になるというのは面白いアプローチです。

 そういえば、中国産のMaxthonブラウザなんてのもありましたが、日本でもSleipnirやLunascapeが検討してますし、まだまだブラウザの世界は奥が深そうです。


Web 2.0なブラウザ「Flock 0.9」のリリース候補版が公開 | エンタープライズ | マイコミジャーナル

「米Flockは4日(米国時間)、FirefoxベースのWebブラウザ「Flock 0.9」のリリース候補版を公開した。対応プラットフォームはWindows 2000 / XP、Mac OS X(ユニバーサルバイナリ)、およびLinux。今回のリリースでは、コードベースにFirefox 2.0.0.4 / Gecko 1.8.1.4を採用。インラインスペルチェック機能やクラッシュ時のセッション回復機能、フィッシング詐欺防止機能など、Firefox 2.0相当の機能が装備された。」

2007年7月12日

Remember The MilkがTwitter経由の投稿に対応

rememberthemilk_logo.png Going My Way経由で知ったのですが、Remember The MilkTwitter経由のタスク登録に対応したようです。

 Twitterに登録されたRemember The MilkのアカウントをFriend登録した後、そのアカウントに、コマンドとしてダイレクトメッセージを送って利用すると言う感じなので、なかなか普通の人には使いづらいかもしれないですが、このタイミングでサービス自体がTwitterに対応してくると言うRemember The Milkの開発チームの姿勢に脱帽です。

rtm_twitter.png

 Remember The Milkでは、これまでもGoogleカレンダー用プラグインを公開したり、Google Gearsに真っ先に対応したりと、素早さを見せてきましたが、今後はこうやって自分の得意分野以外は他のサービスと上手く連携するという姿勢が重要になってくる気がします。

 逆に言うと、PownceとかJaikuとか、Twitterの類似サービスにとっては、一度こうやって開発者コミュニティに「とりあえずTwitterと連携しておけばOK」と認知されてしまうと、自分たちのサービスへの対応は二の次になってしまいそうなのがつらいところですね。


Remember The Milk 日本版 公式ブログ » Twitter連携機能リリース

「私達は Twitter の大ファンです。Twitter とは、「What are you doing?(今、何してる?)」というシンプルな問いかけから始まり、日常の出来事や意見などを語り合うことができる素晴らしいコミュニケーションサービスです。SMS(ショートメッセージサービス)やIM(インスタントメッセンジャー)、Webサイト、サードパーティのアプリケーションなどから簡単にメッセージを送ることができます。」

2007年7月10日

日本でもiGoogleガジェットコンテストがスタート

google_logo.gif Future is mildさん経由で知ったのですが、インプレスR&DとGoogle共催で「iGoogleガジェットコンテスト」なるコンテストが始まったそうです。

 名前の通りiGoogleのガジェットのコンテストで、応募期間は2007年7月4日~10月1日まで。
 「グランプリ、準グランプリ、入賞、特別賞受賞者はグーグル東京オフィスにての授賞式、グーグルエンジニアとのフリーディスカッションに参加できます」とのことで、グランプリの商品はMacBookProだそうです。

 先日紹介したGoogle Gadget Venturesでは、ガジェット開発者向けに5000ドル~10万ドルの資金が提供されますから、それに比べると可愛い商品ですが、誰でも申し込めるという点で敷居が低そうです。

 ちなみに、並行してアイデア投稿のサイトができていて、投稿されたアイデアが投票でランキングされるような仕組みもあるようですが、見た感じこちらには景品は残念ながらなさそうです。 
 
 こういった開発者コンテスト的な企画は、Yahoo!やリクルートなんかがやっている印象が強かったですが、Googleも開発者獲得競争にいよいよコストをかけてくるようですね。
 今後、こうした開発者コミュニティ盛り上げの動きはますます加速しそうです。


GoogleとインプレスR&D「iGoogleガジェットコンテスト」を共催 | Impress R&D

「インプレスグループで法人向け情報コミュニケーション技術関連メディア事業を手掛ける株式会社インプレスR&D(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井芹昌信)は、グーグル株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役:村上憲郎)との共催により、Google が提供するパーソナライズドホームページ「iGoogle」で利用できるガジェットの開発コンテストを行います。」

2007年7月 6日

Yoctoセキュア・メッセンジャーも英語版、中国語版を発表

yocto_logo.gif 見落としていたのですが、企業向けメッセンジャーのYoctoセキュア・メッセンジャーが、7月2日に英語版、中国語版対応を発表していたそうです。

 Yoctoセキュア・メッセンジャーというのは企業向けのインスタントメッセンジャーなんですが、これを開発しているのはQriptという大阪本社の日本企業。
 英語版と一緒に中国語版にも対応するというのはなかなか興味深いです。

yocto_language.png

 それにしても、昨日紹介したlivedoor Reader英語版となるFastladderといい、kamicopi翻訳プロジェクトといい、今年に入って日本のウェブサービス、ソフトウェアの英語化が結構増えてきている感じがあります。
 以前、「世界のウェブサービス競争に取り残されているのは日本だけかも」なんて記事を書いたこともありますが、雰囲気が変わってきているというところでしょうか。

 Lingrや、昨日いよいよサービスをリリースするのではと噂されていたHatena,incみたいに、いきなり英語のサービスを開発するというのも、もちろん一つの手ではあるのですが、この手のサービス翻訳輸出にも注目したいところです。


ITmedia エンタープライズ:多言語対応の企業向けIMをリリース、Qript

「企業向けインスタント・メッセンジャー開発のQriptは7月2日、日本語と英語、中国語に対応した企業向けインスタント・メッセンジャー「Yoctoセキュア・メッセンジャー バージョン3」を発表した。」

Enterprise2.0をテーマにするソーシャルニュースサイトがオープン

intranewsing_logo.gif ちょっと前ですが、イントラブログやイントラSNSをテーマに活動しているiUGが、マイネットジャパンのイントラnewsingを活用してEnterprise2.0専門ソーシャルニュースサイトiUG newsingがオープンしました

 ソーシャル系のサービスは、コミュニティによってピックアップされるテーマがかなり変わりますから、こうした一定のテーマを対象にしているグループで、どのように機能するのかは注目したいところです。

 万人受けするサイトではないと思いますが、Enterprise2.0専門ということで、このブログを読んでいるような人には参考になる記事が多いのではないかと思いますので、ご紹介しておきます。
 
iug_newsing.png


INTRA BLOG/SNS USERS GROUP: ソーシャルニュースサイト、オープン!

「iUG企画による、ソーシャルニュースサイトを6月30日にオープンしました。
このサイトをご覧いただけば、社内SNSや社内ブログ関連の注目記事を一目でチェックすることができます。」

※情報開示:徳力は、イントラnewsingを開発しているマイネットジャパンのアドバイザーを務めています。

2007年7月 5日

Fastladderで、いよいよlivedoor Readerが海外進出

livedoor_logo.png ちょっと紹介が遅れてしまいましたが、いよいよlivedoor Readerの海外進出への挑戦が始まるようです。
 その名もFastladder
 最初に記事を見ずにサイトだけ見てしまったら海外のウェブサービスかと勘違いするぐらい、ウェブサイトもなんだかデザインがカッコいいです。

fastladder.png

 以前に「livedoor Readerが4月末から英語化されて海外展開開始」という記事を紹介したのは4月でしたから、2ヶ月以上送れたことになりますが、その分完成度を高めてきた印象ですね。

 livedoor Readerは私個人も毎日使っているヘビーユーザーなので、是非応援したいところですが、さっそくdiggにプロモーションをかけたりと応援キャンペーンも始まっている模様。

 まだGoogleブログ検索で見る限り日本語記事が164記事で、その他が55記事程度のようなので、まだ海外でバズは広まっていないようですが、Lifehackerでも取り上げられたとのことですし、日本を代表するウェブサービスに育ってくれるかどうか、今後が楽しみです。

※ITmediaにもlivedoor Readerの開発チームの詳細のインタビュー記事が掲載されています。
 ITmedia News:「世界の技術者、刺激したい」――ライブドアRSSリーダー英語版公開


livedoor Readerの英語版「Fastladder」、半年で10万ユーザー獲得を目指す:ニュース - CNET Japan

「ライブドアは7月3日、ウェブベースのRSSリーダー「livedoor Reader」の英語版を公開した。サービス名は「Fastladder」で、英語圏を中心とした海外ユーザーの利用を狙う。
 機能面ではlivedoor Readerと同じ性能を持ち、1000以上のRSSを登録してもストレスを感じない操作性や、重要度をブログごとに指定できるレート機能が特徴だ。」

2007年7月 2日

Googleが、ガジェット開発者に資金援助。開発者獲得競争に激化のきざし。

google_logo.gif TechCrunchによると、GoogleがGoogle Gadget VenturesというGoogleガジェット開発者向けの資金援助プログラムを開始したそうです。

 申し込み資格はガジェットのPVが週25万以上という制限があるようですが、5000ドル~10万ドルの資金が提供されるそうです。
 10万ドルといったら1000万円以上。
 マッシュアップコンテストとかの賞金を考えると破格の金額ですね。

 TechCrunchによると、その背景には、「ライバルのYahooWidget、いくつかのWeb OS、またウィジェット専門のスタートアップ、さらにはOSXに比べても現在のGoogleガジェットのラインナップが見劣りするのは否めない。」というGoogleの危機意識も見え隠れするようです。
 (この「いくつかのWeb OS」というのが、YouOSStartForceのようないわゆるウェブデスクトップをさしているのか、NetvibesPageflakesのようなスタートページを指しているのかも気になりますが。)

 たしかに今後のiGoogleなんかの魅力の一つは当然ガジェットのラインアップとなるでしょうから、そこにしっかり資金を投入してきたというところでしょうか。

 Google GearsAdobe AIRなんかのリッチインターネットアプリも、今後開発者の奪い合いになることが用意に想像されますが、ウェブサービスの競争というのは、もはやサービスレベルの戦いではなく、その周辺の開発者の奪いあいに中心が移ってきてしまっているのかもしれません。


TechCrunch Japanese アーカイブ » Google、ガジェット開発者に金を出す

「Googleは新しく「Google Gadget Ventures」というテストプログラムを開始することを発表した。これはサードパーティーのガジェット開発者やガジェット関連のビジネスに資金援助をするもの。」

2007年6月26日

AllPeersのFirefoxバンドル版が登場

allpeers_logo.png ちょっと前のニュースになりますが、Firefoxのプラグインとして提供されていたファイル共有プラグインのAllPeersが、FirefoxにAllPeersが最初からバンドルされている“Firefox with AllPeers”の提供を開始していたそうです。

 なんでもAllPeersのこれまで35万回以上ダウンロードされているそうですが、その10%はFirefoxを使っていない利用者だったとか。
 この10%の人たちはFirefoxを今後使ってくれる可能性が高いわけで、意味のある提携といえそうです。

firefox_allpeers.png

 AllPeersについては、リリース前の騒ぎように比べると、リリース後はあまり注目されていなかった印象が強いのですが、ウェブサイトもアップデートされている上、様々な機能追加や多言語化対応も着実に進んでいるようですから、PandoFolderShareのようなライバルにも追いつく可能性がでてきているのかもしれません。


Mozilla Firefox に AllPeers バンドルが付けられる

「AllPeers は、拡張機能の AllPeers がプレインストールされている Mozilla Firefox のヴァージョンのダウンロードが実現するために Mozilla Foundation と合意を交わした。」

2007年6月25日

iGoogleでもメールによるタブ共有が可能に

google_logo.gif ITmedia BizIDによると、iGoogleにタブ共有機能が追加されているそうです。

 日本語版では何も表示されてなかったのですが、言語設定を英語にしたら出てきました。いつものごとく英語版から先行提供というところでしょうか。

 現時点では単純に共有したいタブを、メールで共有したい相手に送付する機能が追加されているだけのようですが、今後NetvibesNetvibes UniversePageflakesPagecastsのようなスタートページ共有コミュニティをGoogleが追加してくるかどうかが注目といえそうです。

 まぁ、すでにiGoogleにはガジェットの検索ページがありますから、タブをここに公開できるようになるのは時間の問題のような気もします。


ITmedia Biz.ID:iGoogleに「タブ共有」機能

「米Googleが提供している、パーソナライズドページiGoogleがタブ機能を拡張し、タブに登録されているガジェットやコンテンツを友人に通知することが可能になった。」

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